国民皆保険が危ない (平凡社新書599)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582855999

作品紹介・あらすじ

医療の国際化や無保険者の急増など、健康保険制度は、その土台から崩れようとしている。だが一方で、日本の皆保険制度は、「世界一」の折り紙がつけられるほど、評価が高い。国民皆保険の達成から半世紀たったいま、「メイド・イン・ジャパンの逸品」を改めて検証する。

感想・レビュー・書評

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  • 国民皆保険達成50周年

    保険証があれば安心して病院にかかることができる、
    すばらしい社会保障制度。

    しかし、国保は自営業者から無職者への保険となり、
    一方で高まる医療費をどうまかなうか。

    TPP、医療ツーリズムといった興味深いトピックスにもふれられていた。

  • 第4章の、幕末から昭和36年の「国民皆保険」に至る歴史は、誰でも一度は目を通すべきだと思った。

    文献一覧が無いので、マイナス☆一つ

  • 国民が安心してくらせるための
    皆保険だけれど
    その保険料が払えなくて
    追い詰められている人がいる。
    怪我をしても保険証がないから
    病院に行かないという子どものエピソードが印象的でした。

  • *寄付

  • 2011.10.30読了。課題図書選定本。

    国民皆保険。おそらく自分は入っているんだけどあまり内容は
    わからない・・。保険会社にいる自分としてはここは勉強しておかな
    くてはと思って選定した本。
    わかりやすい表現とデータを使っていてスラスラ読めた。
    危ない現状はよくわかったが、方向性について弱いと思った。
    じゃあどうすればいいのか?をもう少し書いてほしかった。

    印象に残ったワードは以下のとおり。
    ・震度5をを超える地震の発生度数はアメリカ322、フランス・ドイツ2
     に対して、日本は3954。
    ・一年以上保険料を滞納すると、保険証の返還を求められ「被保険者
     資格証明書」を交付する。これは全額まず負担して、後から申請すれ
     ば7割払い戻してもらえるもの。負担が大きいので病院に行かない人
     が増えている。この無保険者は全国で100万人以上いる。
    ・大阪では、子育て世代を含む若年層の半数以上が非正規労働者
    ・医療の場合、供給側は専門性にすぐれ、たくさんの情報を持っている
     のに対して消費者側の情報は限られている「情報の非対象性」が
     起こっている。
    ・TPP参加等で懸念される自由診療拡大は、民間保険会社等にとって
     うまみが大きい。
    ・アメリカでは先進国で唯一薬価規制が敷かれていない

    特に医療保険について無保険者が急増するなど課題が大きいことが
    わかった。また、自治体次第で赤字か黒字かが変わることに驚いた。

    日本の医療の技術力は高い。それを落とさずに外国人を取り入れ、
    より安い保険料で国民皆保険を存続させることが重要だと思った。

    民間保険会社にうまみがある自由診療拡大は、保険会社は本当に
    望んでいることなんかな。なんか違う気がするが、その時はその時で
    また新商品が出るのだろう。覚えておこう。

  • 国民皆保険制度のことを知る上で有用な一冊。
    現状に即した制度説明やデータの提示がされており、わかりやすい。
    また、少量ながら各国の医療制度との比較にもページを割いており、日本の医療制度を客観的に考える助けとなる。

    他国の医療制度については、2010年に財務省・財務総合研究所から医療制度の国際比較レポートが公表されているため、そちらも参考にされたい。

  • 2011.9.18読了

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著者プロフィール

1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。「人と時代」「公と私」を共通テーマに政治・経済、医療、近現代史、建築など分野を超えて執筆。時事番組の司会、コメンテーターも務める。一般社団デモクラシータイムス同人。著書に『ルポ 副反応疑い死』(ちくま新書)、『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』(岩波書店)、『後藤新平 日本の羅針盤となった男』『田中角栄の資源戦争』(ともに草思社文庫)、『ゴッドドクター 徳田虎雄』(小学館文庫)ほか多数。

「2023年 『暴言市長奮戦記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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