イスラームの善と悪 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582856408

作品紹介・あらすじ

9・11から近年のアラブ革命までを契機として、世界におけるイスラームへの関心は高まり続けている。だが、テロや紛争のイメージが先行しがちな世界で、市井の人々の生活を垣間見る機会はほとんど無い。本書では、ムスリムである著者がクルアーンを読み解き、イスラームの知られざる日常世界を伝える。身近な事例から現代の倫理問題まで-日々の実践から、普遍的な善悪のテーマに迫る。

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  • 【内容紹介】
    シリーズ 平凡社新書 640
    出版年月 2012/05
    ISBN  9784582856408
    Cコード・NDCコード  0214 NDC 167
    判型・ページ数  新書 216ページ
    在庫  品切れ・重版未定

     イスラーム式善悪判断の実用集。日常生活での身近な事例から現代の社会・政治的領域まで、倫理道徳の問題をクルアーン(コーラン)の教えに基づき徳目ごとに解説する。 9.11から近年のアラブ革命までを契機として、世界におけるイスラームへの関心は高まり続けている。だが、テロや紛争のイメージが先行しがちな世界で、市井の人々の生活を垣間見る機会はほとんど無い。本書では、ムスリムである著者がクルアーンを読み解き、イスラームの知られざる日常世界を伝える。身近な事例から現代の倫理問題まで、日々の実践から普遍的な善悪のテーマに迫る。
    http://www.heibonsha.co.jp/book/b163588.html



    【目次】
    目次 [003-009]
    はじめに [011-015]
    最も慈悲深く、慈愛あまねきアッラーの名において

    第I部 徳目編
    第一章 人の善と悪について 017
    一、イスラームと倫理 017
    イスラーム信仰と善行・悪行/イスラームにおける倫理の立場/人の心は万華鏡
    二、一般倫理学の系譜 022
    西欧倫理学の源泉/西田幾多郎著『善の研究』
    三、本書の立場 028
    徳目主義について/イスラームの徳目一覧

    第二章 善行と美徳 038
    一、誠実 038
    定義/誠実さと社会/クルアーンの言葉/倫理的意識の高揚
    二、正義 048
    定義/平等との関係/慈悲との関係/クルアーンの言葉/現代政治との関係
    三、禁欲 057
    定義/クルアーンの言葉/禁欲と現代社会
    四、感謝 064
    定義/クルアーンの言葉/称賛について/感謝と称賛の心
    五、忍耐 071
    忍耐の諸側面/クルアーンの言葉/寛容について
    六、信頼 078
    定義/クルアーンの言葉/人と信頼について
    七、悔悟 084
    定義/クルアーンの言葉/謙譲の美徳
    八、慈悲 093
    定義/クルアーンの言葉/双方向の愛
    九、嘉し 101
    定義/クルアーンの言葉/新たな次元へ

    第三章 悪行と悪徳108
    一、嘘 108
    定義/クルアーンの言葉/現実社会において
    二、不正 115
    定義/財産関係
    三、強欲 122
    定義/クルアーンの言葉/何が強欲か
    四、恨み 125
    定義/人と恨み/クルアーンの言葉
    五、怒り 130
    人と怒り/クルアーンの言葉
    六、見せかけ 133
    定義/見せかけの浮気者の特徴/真の報奨
    七、自惚れ 139
    定義/偉ぶること/クルアーンの言葉/自己欺瞞のない生活
    八、妬み 145
    定義/クルアーンの言葉/妬みの克服
    九、嫌悪など 152
    嫌悪/盲従/意志薄弱


    第II部 古典と現代編
    第一章 イスラームの古典から 163

    第二章 現代の倫理問題 166
    一、医療倫理 167
    安楽死/人工中絶/遺伝子操作/脳死と臓器移植/不妊治療
    二、情報倫理 173
    パレスチナ解放機構への不信感/公権力への不信感
    三、政治倫理 175
    イスラーム系政党の躍進/現実政治における意味
    四、経済倫理 178
    企業倫理
    五、環境倫理 179
    水資源の問題/動物倫理の先進性

    第三章 アラブ政治とイスラームの倫理道徳 184
    一、二〇世紀後半以降の動向 184
    植民地主義の負の遺産/アラブ民衆革命へ向けて
    二、アラブ政治の特徴 188
    現代アラブ政治の枠組み/イスラームの政治的伝統
    三、イスラーム政治文化の再認識 196
    日本の通説/通説の再考

    注 [200-209]
    あとがき(二〇一二年四月 水谷周) [210-211]
    参考文献 [212-214]

  • アラブ諸国の現実政治においては倫理、道徳という言葉は必ずしも本来の意味では用いられず、より広義な非常識あるいは芳崖な
    という一般的な内容に拡張されて用いられるケースも散見される。

    アメリカの中東離れの方針が明らかになった。新しい展望は保守的であっても、あるいは非民主的であっても安定し、イスラエルに柔和である政権が指示される中東支配体制に終止符が打たれることを意味した。

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著者プロフィール

アラブイスラーム学院学術顧問、日本ムスリム協会理事、現代イスラム研究センター理事。1948年生まれ。京都大学文学部卒、カイロ大、ロンドン大を経て博士(中東史、ユタ大)。イスラームを日本になじみやすい形で紹介することを目指す。著書『イスラームの善と悪』(平凡社新書)『イスラーム信仰叢書』全10巻(総編集、国書刊行会)ほか

「年 『集団的自衛権とイスラム・テロの報復』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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