新書799四季の名言 (平凡社新書 799)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582857993

感想・レビュー・書評

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  • 真面目な名言集かと思いきや、選者が独特でした。
    著者紹介欄に「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」「三月の甘納豆のうふふふふ」が代表句と書いてある歌人です。

    それでも、名言の味わい方をきちんと解説してくれています。
    そこで知る雑学もいろいろとありました。
    例えば『二十四の瞳』で自転車でさっそうと登場するおなご先生は、毎日片道8キロの道を自転車でやってきたのだということ。大変だったんですね。

    また詩人、堀口大学は、父が東京大学法科の学生で生家が赤門前にあったため、大学と名付けられた本名だったと知りました。
    学生結婚しながらも、父親はのちに外交官となったのですから、すごいものです。

    太宰治の桜桃忌は、彼が桜桃が好きだからだろうと思っていましたが、『桜桃』という小説の特色は、まずそうな桜桃を描いたところだと書かれていたので、あれと思いました。好きではなかったのかもしれません。

    正岡子規が自分の墓碑に「月給四十円」と記した話にも驚きました。
    純粋に月給が上がったことへの嬉しさではないかと推測する選者。
    それにしてもかなり変わった墓碑銘です。

    室生犀星の詩集『昨日いらつしつて下さい』から、ユーミンのアルバム『昨晩お会いしましょう』のタイトルができたのではないかと思いました。
    まあそもそも捨て台詞の「一昨日きやがれ」からかもしれませんが。

    全体的に生真面目にまとめられていますが、時折著者の目のつけどころのおもしろさを感じます。そこはかとないおもしろみが漂っている本です。

  • 四季とあっているのかどうかは別として、なかなかいろんな作家や作品を知ることができるブックガイドにもなっているところがよかった。

  • 子供より親が大事、と思いたい。──太宰治
    五億年経ったら帰って来る──高橋新吉
    事小なるに似て決して小ならず。──福沢諭吉

    古今東西の名句名言をあつめてネンテン流に味つけした歳時記

  • 毎日新聞の書評を読んだので。毎日新聞に毎日掲載されている俳句を紹介している著者なので。こういうことばの切れっ端を収集するのは好き。とりこむことばが見つからない本が多いこのごろ、やはり古典に学ぶところは多くある。

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著者プロフィール

1944年4月22日、愛媛県伊方町生まれ。
2023年6月、ブログ「窓と窓」を中心に晩節の言葉を磨く場として「窓の会」を結成、主宰する。俳諧・俳句のコレクション「柿衞文庫」の理事長。市立伊丹ミュージアム名誉館長。大阪府箕面市在住。

「2024年 『リスボンの窓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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