下山の時代を生きる (平凡社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582858419

感想・レビュー・書評

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  • 平田「…いまの語学教育は、『使える』ということのみに偏っている」

    鈴木「…日本のこれからの一般の外国語教育は異文化理解ということを主にして展開すればいい。『月は黄色』と日本人は思うけれど、白と思う国もあるんだよ。中国では太陽が白なんだよ。…逆に日本の日の丸は赤でしょう。ところが世界中の人に『これはなんだ?』と聞いたら、ほとんどの人は『血』って答えますよ。だいたい世界の人の赤い丸は血なんです。日本人だけが太陽だと思っている。…」


    言葉や文化の違いの「面白さ」を
    どこかに置き忘れて
    使うことばかりを念頭に言語教育をしていないかと
    考えさせられたやりとり

  •  たとえば富士山には、宝永山という瘤があるでしょう。あの瘤って、甲府側からは見えない。甲府側から見ると陰になる。ところが湘南あたりだと瘤がはっきり見えて、もっと西に進んで東海道側にくると、今度は瘤は富士山に吸収されてまた見えにくくなる。このように、立ち位置によって人間は同じモノの見え方が少し違ったり、まったく見えなかったりするのです。だからヨーロッパ人は、甲府から富士山を見ているようなもので、宝永山が見えない。(p.38)

    (平田)演劇はいかに上手に人を騙すかの芸術ですから。嘘を本当だと思わせるのが演劇です。舞台空間は海にもなるし過去のどこかの国にもなる。だから演劇教育がやっと、いろいろなところで行われるようになってきました。(p.77)

    (鈴木)日本の文化というものは、中国からも、韓国からも、西欧からも、アメリカからも入った。それらを寝かせて醸造したから、気がつくとワインの質でも世界的なレベルになっているし、ウィスキーはスコットランドよりも日本産のほうが高級になっちゃった。全世界のいいものがやってくると、日本人は「失礼」といってそのエッセンスをいただいて、さらにいいものを生み出しちゃう。それができるのは、日本は外国の侵略を受けて根本から揺すられないからです。(pp.95-96)

    (鈴木)私は名刺を持っていないのですが、パーティーに出ても、「名士は名刺が入らないんです」って言うと相手は笑ってくれる。そういう具合に自分の演出をすることも大切で、それで相手に深い印象を残せるのです。それが私の特技です。日本という国と外国との接点(インターフェイス)には、そういう私みたいな変な日本人が少数派必要なんだというのが私の持論です。(p.112)

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プロフィール

1943年岩手県生まれ。三菱系エレベーター会社を経て1967年に独立創業し、鈴木エレベーター工業(現在のSECエレベーター)を1970年に設立。独立系エレベーター保守会社という新しい業態を日本に誕生させる。エレベーターの構造を知り尽くす「技術屋」で、ビジネスの面でもエレベーター業界の風雲児として活躍する。

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