- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582858532
感想・レビュー・書評
-
魯山人と親しかった著者の父のコメントや、魯山人が星岡茶寮時代に刊行していた会報誌「星岡」を丁寧にレビューし、魯山人の人柄を紐解いた名著。
魯山人の星岡追放の裏側や、思想に影響を与えた幼少期の生い立ちなど、非常に面白い。そして読後、魯山人がもっと好きになった。美イコール生命・自然の営み、生命・自然の営みイコール美味、と表現するのはいささか拙すぎるが、魯山人が素材の味や旬を重視した背景が良く分かった。また、けっして成金の浪費家ではなく、自然を愛しすぎた極地による浪費だということも好感が持てる。
魯山人の思想を全て体現するのは現代人には難しいと思うが、日本にルーツを持つ私が意識すべき表現は備忘録がてら記載しておく。
『日本の陶芸は最終段階の焼成の際に窯変などの偶然性が深く関わり、この偶然により逸品になる。他国の陶器と違うのはここで、アジア諸国や欧州のものは造形や絵付けなどのデザインが重視されるが、日本の場合は焼成による「上がり」に美の大半を委ねる。この「美神に跪く」感覚が、日本人の美意識である。』
あと、おぼろ昆布の吸い物の作り方と、里芋は越前の上庄、越中富山の山野と焼野という点は覚えておく笑詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
敬愛する魯山人。
美食、陶芸、絵画、何に対する考え方も学ぶべきところがあり、
その真髄となる表現が凝縮されている一冊。 -
何度も繰り返し読みたい、人生の一冊になる本。
-
稀代の美食家として知られる北大路魯山人。某グルメ漫画の敵役のモデルであることは良く知られています。
それゆえ誤解されている部分もあるが、魯山人の言葉を知ることにより、食べることは何か、芸術とは何か、そして本当の魯山人とはいかなる人物であったのかを知ることができる一冊です。 -
魯山人の生き方、考え方がわかりやすく書かれており、読み終わる頃にはいっそう彼の破天荒さが魅力的に思える。