日本マンガ全史: 「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで (944;944) (平凡社新書 944)
- 平凡社 (2020年6月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582859447
作品紹介・あらすじ
戦前から現在まで、日本のマンガを通史として紹介する唯一無二の書。大ヒット作から通好みの作品まで、劇画と少女マンガなどジャンルを超えて紹介する。マンガ関係者必携の一冊。
感想・レビュー・書評
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教科書として良いと思います。
コンパクトにするための配慮があるのだと思うのですが、これなら「完全版」みたいにもう少し濃いエピソードを拾ったバージョンも読みたい。
系譜とか図示したページとかも用意して、って色々と長い歴史を浅く(個人の要望として個々の作家の話を"濃いモノ"として捉えてます)に感じて近代は色々と読み飛ばしてしまった。
で、今後どうなるのかな〜??詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の「マンガ」の歴史を概観したければ、実に詳しくて広い。昭和30年代の週刊漫画創世記を生きた老人には、ただただ、懐かしい。それにしても細部にわたる状況報告(?)が、ノンビリ読むにはかなりめんどくさいことも事実。
でも、まあ、この年になって、まだマンガとか好きなタイプには「オタク」的こだわりの人が多いわけで、著者もそうですが、そういう人にはうってつけかも。 -
新書というサイズで、よくぞここまで、という網羅性です。作品、作家もさることながら、出版社、編集者、そして出版形態まで俯瞰していて、ニッポンのマンガという文化が富士山のように広大な裾野を持っていることからこそ高くそびえているのだと感じました。そして『「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで』というサブタイトルにあるように、その歴史も早送りで伝えてくれます。しつこく富士山アナロジーで言うと何回も噴火を繰り返して高くなってきた成層火山の成り立ちを断面図で見せてくれます。今、ものすごいヒットになっている「鬼滅の刃」も現在進行形で日本マンガ山の標高を上げいる最中のだろうな、と思います。一方でマンガ雑誌の低落も急激に進行しています。紙から浮き上がったマンガがどこにいくのか、世界市場では一体化しているmanga-animeの間のハイフンは、これからどうなるのか、アメリカにおけるコカ・コーラやマクドナルドと同じようにニッポンのマンガが日本文化のシンボルになるのか、あるいはトヨタのクルマと同じように世界で生産されるものになるのか、この全史が前史となる未来についての著者の意見が聞きたいです。
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日本のマンガ史を辿る。
黎明期からゼロ年代くらいまでは、歴史物みたいで興味深く読めた。いつか作品に触れる機会あるかな?
初期の作家さんほど、エピソードが充実している。評価もある程度定まってますしね。
贔屓の漫画家さんは、マンガ史の中でどんなポジションになるのかなとか。
自分はジャンプとサンデーとリボンとララと花とゆめで、育ってきたので、ドンピシャの作家さんやタイトルが出てきたときは、懐かしさで倒れそうだった。
ヒストリーは、面白い。
ラノベ、メディアミックス、海外事情、電子書籍なども。
これからもいい作品が出てくる限り、業界は大丈夫じゃないかな。形態は変わっていくかもだけど。 -
漫画の起源からマンガの現代までを概説。フラットな立場で、作品と作者(達)を幅広く取り上げ、時代やテーマの配分も適切。完成度が高い。戦後、雑誌がマンガの発展を担い、やがてメディアミックスにより一大産業となり、出版業界が衰退した今日は、電子版に新たな可能性を見出している。黎明期、世に届ける(受ける)作品を模索しリードした編集者の役割は大きかった事には、思いを致した。貸本屋、アニメ(映画)、ゲーム等といった、マンガを取り巻く生態系にも目を配る事で、その一器官としてのマンガの姿をも炙り出している。言及される作品数は過不足無い印象で、よく知られるマンガが大抵網羅され、著者の好みが反映されていないところにも安心感があった。マンガの存在感が向上、定着した今、文化史の側面も持つ、お薦めの通史。
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12世紀の「鳥獣戯画」~現代の最新メガヒット「鬼滅の刃」まで、日本のマンガの歴史を語った資料的作品。江戸時代~明治大正時代にかけての風刺画全盛期、昭和戦前の「のらくろ」シリーズのヒット、戦後の手塚治虫の登場、「サンデー」「マガジン」の出版、1990年代の「ジャンプ」全盛期、2000年代ネット時代のメディアミックス・電子書籍まで、500ページ超のとてつもない量となっている(雑誌・コミックスの表紙画像も大量に収録)。最後にマンガの歴史年表もあり、至れり尽くせりの一冊だった。
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タイトルのとおり、日本のマンガの通史を描いている。
もっとも、戦後期が手厚いが、それはやむを得ないと思う。
週刊少年マガジン初代編集長と面識あるだけに、関連エピソードが豊富で面白い。 -
2022年7月~9月期展示本です。
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