10人の思想家から学ぶ軍事戦略入門 (1075) (平凡社新書)

  • 平凡社 (2025年2月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784582860757

作品紹介・あらすじ

《概要》
人類の歴史は紛争と対立の歴史であり、戦争がない時代はほぼ皆無だといってもよい。そこで、なぜ戦争が起きたのか、戦勝国と敗戦国の分かれ目は何かなどの戦争の真相をつぶさに見つめてきたのは、軍事戦略家たちだ。彼らは多くの戦史や諸国の軍事制度の研究から、それぞれの軍事思想や戦略理論を確立し、発展させてきた。そしてそれらの学問的蓄積は、外交はもちろんのこと、経済や社会、科学・技術、はたまた文化面でも大きく貢献している。
軍事戦略の祖と称されるマキャベリ、近代軍事戦略の大家であるクラウゼヴィッツが著名な軍事戦略家として名高いが、近代国家成立前の概念であったため、どうしても古典の領域を超えない。そこで本書では、近代ヨーロッパ戦略思想史の礎を形成したクラウゼヴィッツから近代以降のヨーロッパに登場した10人の戦略思想家を紹介し、戦略思想史の系譜を綴った1冊とする。


《目次》
序章「戦争」を考える
第一章 カール・フォン・クラウゼヴィッツ──史上最高の戦略思想家
第二章 アントワーヌ・アンリ・ジョミニ──「軍事科学」として戦略、戦争を構築
第三章 フェルディナン・フォッシュ──戦争の原理及び原則の確立
第四章 エーリヒ・ルーデンドルフ──総力戦思想の提唱者
第五章 ハンス・デルブリュック──「近代軍事史」を確立
第六章 アルフレッド・セイヤー・マハン──海軍戦略の提唱者
第七章 ジウリオ・ドゥーエ──空軍戦略思想の創始者
第八章 バジル・ヘンリー・リデルハート──二〇世紀を代表する戦略思想家
第九章 バーナード・ブロディ──「核時代のクラウゼヴィッツ」
第一〇章 トマス・エドワード・ロレンス──「アラビアのロレンス」
むすびにかえて──「戦略」を考える


《著者紹介》
石津朋之(いしづともゆき)
戦争歴史家、防衛省防衛研究所戦史研究センター国際紛争史研究室主任研究官。専門は戦争学、平和学、戦略思想。著書に『戦争学原論』(筑摩選書)、『リデルハート──戦略家の生涯とリベラルな戦争観』(中公文庫)、『総力戦としての第二次世界大戦──勝敗を決めた西方戦線の激闘を分析』『軍事史としての第一次世界大戦──西部戦線の戦いとその戦略』(いずれも中央公論新社)などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争の転機はやはり第一次世界大戦。
    戦士だけでなく民間人を巻き込む総力戦となったから。

  • 東2法経図・6F開架:391A/I84j//K

  • 近代軍事思想史を手軽に読める(ある程度の流れをしっている方向けではあるが)嬉しい本。著者は、軍事史関連の本を何冊も出版しているが、平易な文で読みやすい。
    それにしても「クラウゼヴィッツ」は、影響力が大きいのを改めて思う。

  • 1. イントロダクション
    - 本書では、戦争に関する様々な理論や歴史的な戦略思想が論じられている。
    - 特に、クラウゼヴィッツやジョミニ、マハン、リデルハートなどの著名な戦略思想家の見解が紹介されている。

    2. クラウゼヴィッツの戦争論
    2.1 未完の書『戦争論』
    - クラウゼヴィッツの『戦争論』は未完のため、内容についての解釈に疑問が残る。
    - 彼の意図や背後にある思想は、発見された「方針」や「序文」から推測できる。

    2.2 戦争の二つの理念型
    - クラウゼヴィッツは戦争に「絶対戦争」と「制限戦争」という二つの理念型を提唱。
    - 戦争は政治の延長であり、目的を達成する手段と位置づけ。

    2.3 戦争の本質
    - 戦争は「拡大された決闘」と見なされ、力の行使によって敵に意志を強制する行為と説明。
    - 絶対戦争は自己目的化し、敵戦力の壊滅を究極的な目的とする。

    3. ジョミニの戦略思想
    3.1 戦争概論
    - ジョミニは「戦争概論」において、時代を超越した普遍的な原則を提示。
    - 戦略は兵器や部隊の本質から独立しており、決定的地点への機動の重要性を強調。

    3.2 原理と原則
    - ジョミニは戦争の原理を追求し、科学的な法則を重視。
    - 戦争の理解において、簡潔な方法が求められる。

    4. マハンの海軍戦略
    4.1 海上権力の重要性
    - マハンは『海上権力史論』において、海上交通の重要性とその防衛が戦略の中心であると主張。
    - 地理的条件や国民の性格が海上権力に影響を与えると論じる。

    4.2 戦略の本質
    - マハンは、戦争の成功には海上権力の構築が必須であると述べ、歴史的事例を挙げて証明。

    5. リデルハートの戦略思想
    5.1 間接アプローチ戦略
    - リデルハートは「間接アプローチ戦略」を提唱し、戦争における柔軟性と創造性を重視。
    - 第二次世界大戦を通じてリベラルな戦争観を形成。

    5.2 政治と戦争の関係
    - リデルハートは、戦争と政治の関係性を強調し、戦争は政治的行為であると主張。
    - 国家の政策と軍事行動の統合を求める姿勢が見られる。

    6. 総力戦とその影響
    6.1 ルーデンドルフの総力戦
    - ルーデンドルフは第一次世界大戦における総力戦の実践を通じて、国家の全リソースを動員する必要性を強調。
    - 戦争が社会と密接に関わることを認識し、国民を戦争の一部として位置づけた。

    6.2 戦争の変化
    - 戦争は単なる軍事的衝突から、社会全体を巻き込む形に変化。
    - 文化やイデオロギーの衝突が新たな戦争の形態として重要視される。

    7. 結論
    - 本書は、戦争に関する多様な理論を通じて、戦争の本質や戦略の重要性を再評価することを目的としている。
    - 各思想家の視点を通じて、今日の戦争を理解するための洞察を提供している。

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著者プロフィール

防衛省防衛研究所戦史研究センター国際紛争史研究室長、拓殖大学、放送大学非常勤講師、「歴史と戦争研究会」代表。
獨協大学卒、ロンドン大学SOAS及び同大学キングスカレッジ大学院修士課程修了、オックスフォード大学大学院研究科修了。ロンドン大学キングスカレッジ名誉客員研究員、英国王立統合軍防衛安保問題研究所(RUSI)研究員を歴任。
業績:『リデルハートとリベラルな戦争観』中央公論新社、2008年(単著)、『クラウゼヴィッツと「戦争論」』彩流社、2008年(共編著)、『名著で学ぶ戦争論』日本経済新聞出版社、2009年(編著)、『戦略原論──軍事と平和のグランド・ストラテジー』日本経済新聞出版社、2010年(共編著)、Conflicting Currents: Japan and the United States in the Pacific (Santa Barbara, Calif: Praeger, 2010)(共編著)、クレフェルト『戦争文化論』上下巻、原書房、2010年(監訳)ほか。

「2011年 『ドイツ史と戦争 「軍事史」と「戦争史」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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