- Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582922424
感想・レビュー・書評
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星野道夫さんの写真展で、直子さんの講演会があるので、久しぶりに読み直す。道夫さんの生きてきた道筋が、丁寧に選ばれた資料から読み取れる一冊。講演会では、スライドに映し出される写真を、穏やかな語り口で説明して下さった。写真のその向こうに広がる大自然が見えるようでスケールがでかい!そしてなによりも動物や自然に生きる人々への愛が感じられる。
写真もさることながら、道夫さんのエッセイの透明感、自然にどこまでも誠実に向き合っている姿勢には、心洗われる。
写真展に並ぶ絵葉書が素敵で、迷いながら選ぶ。日々の生活に清涼な風を送ってもらったような。生きていらしたら、もっとどんな写真を撮っていたのだろうと、思わずにはいられない。きっとまた写真展行きたくなるだろうな。 -
冒頭「ぼくたちが毎日を生きている同じ時間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている」
末尾「星野さん、あなたのおかげで私も間に合いました」
何年前からだろうか、『旅をする木』を読んでから、毎年一冊ずつ星野道夫の本を読んできた。なんとなく季節は冬。写真やエッセイでアラスカにも四季があって、雪と氷ばかりでなく色彩が豊かだということは知ってるんだけど、毎年冬の時期に星野道夫に触れるのを楽しみにしてきた。今回もあまり読み急ぎないように、少しずつ読んだ。
今回の別冊太陽はオリジナルの作品ではないので、ほとんどの文章は読んだことがあったし、写真も見たことがあるものが多かった。でも版型が大きいおかげで写真が大きい。見たことがないものと言えば、子供のころの写真や友人あての手紙や取材ノート、直筆原稿、愛読書などの写真かな。星野道夫という人間がいつ何を考えて、どうしてアラスカに行きついたのかというのがよりよく想像できた気がする。
自然との関わりを考える、といっても「動物を殺してはいけない」というような自然保護や動物愛護は訴えない。先住民族と一緒に暮らし、生きることは他の生物の命をもらうことだとわかっているから。命に感謝し、必要以上に狩りをしない。
この現代では、いろんなことを自分でやらなくても、例えば加工済みの食料が簡単に手に入るし、そのことについて考えなくても済むようになってしまっている。たぶん、星野道夫の感覚を推察するに、そういう想像力がなくなっていくことこそが人間としての力の低下だと思っていたんじゃないだろうか。
教訓や説教じみた話はないんだけど、いろんなことを考えさせられる。資本主義や合理性で突き進むときに零れ落ちるものがあるとすれば、たぶん星野道夫にヒントがあると思う。
やっぱり、この星野道夫ならではの、ゆっくり訥々と語りかけるような美しい文章、いいなあ。自分の周りも含めて、せかせかした社会の中にあって、雄大な自然や大きな時間の流れを感じさせてくれる星野道夫の存在は貴重。これでおそらくほとんどの作品を読んだと思うけど(残念)、今後もまた少しずつ読み直していきたい。 -
手書きの日記や原稿に書簡、それにボロボロになった愛読書の写真、そして、これまでに発行されたエッセイや写真に至るまで、抜粋され掲載されているものは全て心の深い部分を打つものばかり。
星野道夫さんをもっと知りたいと思う人々には最高の一冊だと思う。 -
久々の星野道夫の言葉たち。
温暖化を超え、沸騰化といわれ始めて星野がみたアラスカの風景は残っているのだろうか。。。 -
S図書館
A4サイズで広げると写真が大きい
主に写真が多い
動物はもちろん、直筆ノート、手紙、アルバム、読んだ本、カメラ等
巻末に出版物、年譜
この別冊太陽は、美術でも出版していて、大きくて見やすい
星野道夫ファンなら手元に置きたい本だろう
文章も読みたいなら「悠久の時を旅する」の方が、多数の本を集めていてよいだろう
エスキモー人と集合写真はいい
手紙の中に童話や本も書きたいとあった
アラスカに行きたい
動物写真家になりたい
本を書きたい
全部叶っていた星野氏
行動力の賜物だ -
写真のひとつひとつ(敢えて、「一枚」「一葉」「一頁」とは言わない)に生命がある。星野さんの撮られたもの書かれたものは、いつも、私の均衡を取り戻させてくれる。人間としても、物語を書くものとしても。
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道夫氏の妻 星野直子さんの監修。直子さんが好きな写真、文章、手紙等を集めていると思われる。写真が他の本よりもきれいだと感じた。道夫氏の若い頃の自筆の生真面目そうな手紙や、何度も読み返してボロボロになった愛読書、友人知人が語る道夫氏との出会いなどからは、道夫氏の純粋な心、真摯さ、優しさ、生き様がよく伝わってくる。
出島?しずくさんは長崎の方なのですね。一度訪れてみた...
出島?しずくさんは長崎の方なのですね。一度訪れてみたいところです。