日本初の女性裁判所長 三淵嘉子 「愛の裁判所」を目指して (315) (日本のこころ 別冊太陽)
- 平凡社 (2024年3月28日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582923155
作品紹介・あらすじ
2024年春のNHK連続テレビ小説『虎に翼』のヒロインのモデルは、日本初の女性裁判官・三淵嘉子(1914?84)。家庭裁判所判事として、社会の矛盾や不平等と闘った、その果敢な生涯をたどる。
感想・レビュー・書評
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今まで読んだ三淵嘉子関連本のなかでは写真が一番多い。女学校時代の写真、昭和15年、和田芳夫も入れての家族全員の写真、高等文官司法試験合格後の国会議員3で弁護士の片山哲氏との3女子そろっての座談会の大きい写真、明大女子部主催の3人合格祝賀会が見開きで、三淵家の小田原の家「甘柑荘」など多数。
<江川びいき> 江川に関する嘉子の興味深い見解
また横浜裁判所時代は野球も楽しんだようで、地元大洋を応援したが、江川が投げる時は巨人を応援した。後任の横浜家裁裁判長がこのことを聞くと「マスコミや世論に叩かれている江川を見ると、何とか応援したくなってしまうのよ」と言ったという。
さらに、明大後輩で弁護士の横溝正子さんは、嘉子退官時の横浜弁護士会主催のパーティーで、そのころ「空白の1日」で巨人に入団した直後だったが、嘉子は「江川っていいわ! 今度の頑張りは見事だわ!」とおっしゃって、私は思わず「人一倍正義感の強い先生から江川支持を伺うとは思いもよりませんでした」と申し上げると、「幼い頃から巨人、巨人と思い続けてきた江川の執念をドラフト制度といういわば商業主義のために犠牲にすることはない。江川があれだけ頑張った根性は見事、あれだけの執念がなければ一流の選手にはなれない」という趣旨のことをおっしゃったんです。私はこんな見方があるのだと驚き、公平で調和のとれた世の中を作り出す司法の役割を再任した次第です。今も壁にぶち当たると、三淵先生だったらどう考えるかと自らに問いかけています。(「空白の一日」昭和53年11月22日ドラフト会議)嘉子の横浜裁判所最後の1年が江川が巨人に入団した1年目だった。
2024.4.26初版第1刷 図書館 -
#読むきっかけ
朝ドラ
#評価の背景
写真が多くて、サラッと読める
#どういう人におすすめ
朝ドラファンに
#本から受け取ったメッセージ
江川に関するエピソードは、お人柄が伺えてとてもよかった。
#Action
同時代を生きた山川菊栄らについてももっと知りたくなった。
女性XXとか女性初のXXとか早く言われない世の中にして次の世代に渡したいものだ・・・。 -
小田原の甘柑荘の取材
三淵さんのひとなり、業績の紹介内容が薄い。原爆裁判のことも、まったく触れられていないのも、どうなのでしょうか。