サッカーのない人生なんて! (ベースボール・マガジン社新書 11)
- ベースボール・マガジン社 (2008年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784583100852
感想・レビュー・書評
-
本書が出版されたのは2008年、Jリーグ開幕15周年の年です。1993年Jリーグ開幕当時、サッカーに関わるたくさんの新たな職業が生まれました。審判、代理人、トレーナー、FIFA理事…そして当然ながらJリーガー。
サッカーを職業にするという日本で初めての試み、思考錯誤を繰り返しながらこの15年を歩んできた彼らのエピソードが11の章で語られます。この中には日本サッカー協会最高顧問川渕三郎や澤選手など著名人も含まれています。
全体的にサッカーに関する職業の裏話がたくさん語られているので、サッカー好きなら楽しめるはず。特に日本代表エキップメントの麻生さんのエピソードが面白かったです。エキップメントとは選手のユニフォームやスパイクなどの備品を管理する人のこと。静まり返ったロッカールームに整然と選手一人一人に合わせたユニフォームとスパイクを並べるために、彼がどれだけ最新の注意を払っているか。日本全国に点在するコインランドリーの位置を日本で一番良く知っているのは彼だ、という冒頭のエピソードからも、その苦労が伺い知れます。
また、国立競技場施設管理課の鈴木さんのエピソードでは、芝生との格闘の歴史が語られます。「緑の悪魔」とも揶揄される芝は、四季に梅雨と5つのシーズンがある日本では管理が非常に困難なものでした。考え抜かれた方法は、リーグが始まる数年前から夏芝、冬柴両方の種を巻き土壌を改良するという二毛作。気の遠くなる様な緻密な作業です。
Jリーグが残した大きな功績の1つとして、「1年を通じて芝が青く、さらにサッカーやラグビーといった冬場のスポーツでの酷使にも耐えられることを常識にした」ことがあげられていました。
Jリーグが誕生してから今年で20年。私たちが今当たり前のように見ている週末の試合は、決して当たり前では無く、たくさんの人の努力や挫折の歴史の上に築かれたものだと再認識させられました。地元のチームを応援できるということは幸せだなあと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芝職人の話すげー面白いな。ジャンプで漫画化してほしい。
-
サッカー選手や監督に限らず、サッカーに関わるさまざまな人にインタビューを行い、その半生を1993年5月15日を始点に語るインタビュー本である。
ただ単純に面白い企画だし、内実も充実しているのだが、一人一人の比重が小さくなってしまう構成上の問題と、あとは文章構成にも難がある。そのために星四つという評価にしておく。 -
2011/12/19
復路 -
日本サッカーに関わる多方面の人物たちが1993年Jリーグが開幕してからの15年(本稿の第一版は2008年)をどのように過ごしたか、彼らのインタビューを交えて書かれた力作。選手やJFAのお偉いさん以外にも、普段はなかなかスポットライトを浴びない人たち(審判や代理人、ホペイロやトレーナー)の話があり、むしろそちらの方が面白かった。
この20年で急速に力を付けて他国を驚かせた日本サッカー界を支えたのは間違いなく彼らの功績。
http://www.bottom-up.co.jp/ -
初心忘るるべからず、という瑞々しさに満ちた話題と前向きな文体。
私がサッカーに興味を持った時には、
すでにいくつもの成果が出た後で、
それを作り上げてきた人たちの情熱や感動の大きさを
残念ながら実感することはなかったけど、
もう一度思い出すべきことがたくさんあるような気がするなと思う今日この頃。
http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1316.html -
サッカー界の有名無名な人たちへのインタビューを中心としたお話。
-
2008/8/12 Amazonにて購入
2008/8/29~9/3
Jリーグが誕生して15年。この15年間に産まれたサッカーを職業とするさまざまな人々のインタビューを中心にまとめられたコラム。前会長、芝生職人、エキップメント、代理人、選手、ボランティアの人達など、それぞれがサッカーにかける思いが良く伝わってくる。芝生職人さんの話が一番良かったなぁ。 -
2008/8
Jリーグが誕生して15年。サッカー界にたずさわってきた11人の15年間の歩みと考えが凝縮されている。さすがスポーツ専門の出版社と思える、取材相手の選び方や掘り下げ方はなかなかのもの。サッカー好きには無条件でオススメできる。