日本サッカーを救う「超戦術」 (ベースボール・マガジン社新書 40)

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  • ベースボール・マガジン社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784583102573

感想・レビュー・書評

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  • マンデーフットボールの解説などで人気のサッカー解説者風間さんの書籍。
    戦闘力と言うあやふやな言葉を多用するなど、彼らしくない気がするんだが…

  • 戦術というより、個人戦術の本。

    思ってたよりマリーシアの塊のような人っぽいなと。

    俺の指示を全部無視して良い、
    俺の言った事の逆をやってみろ
    そうすれば俺がいい指導者といわれる。

  • 筑波大監督当時のヤッヒーが書いた本。
    とりあえず、必要なものは戦闘能力。

  • ドイツ人みたい。

  • フジテレビの解説でおなじみの風間八広氏のサッカーエッセイ。2012年のシーズン途中から川崎フロンターレの監督に就任し、その独特のサッカー理論が賛否両論、ずいぶん話題になった。フロンターレサポーターの自分としては読まないわけにはいかない、と購入したものの積ん読になっていたがようやく読了。
    本書は風間氏が筑波大学の監督時代に書かれたエッセイで、氏のサッカー理論がコンパクトにまとまっている。一見すると「理想論」としか思えないのだが、氏の主張は(より現実的にならざるを得ないだろう)プロのクラブを率いている今でも全くぶれていない。本書で何度も登場する「システム云々よりもまずは個人の力」「技術力より判断力」「場所でなく人を攻略しろ」といった印象的なフレーズは今でも監督インタビューなどで耳にする。これらのフレーズをより深く知るという意味でも、本書を読んだ価値は十分にあった。

    正直、風間氏が監督として成功するかどうかは現時点では全く未知数だ。「理想主義すぎる」「バルサじゃないんだから」という批判、あるいは風間氏が縁故を重用することに対する批判、バッシングは一部のサポーターから激しくわき起こっている。
    理想論という批判に対しては、僕の解釈では、理想と現実は「0か1か」ではなくて、理想に近づけるための努力や考え方が現実を確実に進化させると思っている。実際に2012年のフロンターレは過去数年の中で一番面白いサッカーをしているし、選手個人個人の変化も目を見張る。サッカー選手というのはここまで短時間で変わるのかと驚くばかりだ。(ただし、それがイコール「勝てるチーム」になっているかというのは別問題なのが難しいところだが・・・。)

    最後に読書レビューとは関係ないが、風間監督バッシングについて。バッシングのほぼ99%は縁故起用に対する嫌悪感と昔ながらのフロンターレの雰囲気を壊すことへの抵抗という「昔は良かった」的な情緒反応だ。前者は確かに僕でも受け入れがたいこともある。しかし選手起用への不満は別に縁故でなくても常にあるもので、オシムが日本代表監督だったときにジェフ千葉の選手を重用したように、縁故採用は一流の監督でもビッグクラブでも日常茶飯事だ。コーチ陣を身内で固めるのはむしろそうでない方が珍しい。さらに、サポーターが監督以上にチームや選手のことを理解しているわけはないので、僕らはそれを含めてサッカーを楽しむしかない。後者については、フロンターレはもう昔のような強力FW頼みサッカーはできないことを素直に受け入れるべきだろう。縁故採用によって生え抜きが追い出されたというが、監督が変われば求められるプレースタイルも変わり、それに対応できない、あるいはどうしても受け入れられない選手は移籍する。まったく当然の話だ。
    そういった現実を受け入れられずに、掲示板で我らが正義とばかりに風間氏の失脚を願う人々には哀れみの情を禁じ得ない。しかしそのネガティブなエネルギーは莫迦にできないし、そのエネルギーがチーム全体の雰囲気を悪くするので、風間氏は彼らを「見返す」必要がある。2012年度はシーズン途中からの指導という言い訳ができたが、2013年シーズンはそうはいかない。ぜひ、結果を出していただきたい。

  • システム、戦術、自分達のサッカー。僕らは安易に語りたがる、それも自分の知っている範囲と、自分のやってきたサッカーの範囲で。風間さんが選手に求める「戦闘力」は、まさにこの本を読んでいる自分がいかにサッカーに対して自分で規定した考え方を持っていたのか痛感させられる。まだまだ可能性を信じたくなった。日本のサッカー、そして自分のサッカーにも。社会を生きていく上でも必要となる「戦闘力」。立ち止まらず、進もう。そして考えることをやめてはいけない。ありがとう!

  • 風間氏が考えるサッカーの本質をもとに、勝つための能力(戦闘能力)、日本代表選手、指導の仕方、サッカーの能力の構成要素について述べている。面白い事が書いてあるが、少しテーマが雑然としているのが惜しい。

    ■第一章 日本サッカーに足りない「戦闘能力」とは
    ・勝つために、工夫をしていけるか。
    ・ボールを失ったら、殺気立ってボールを奪い返せるか。

    ■第二章 「目的」と「方法」を間違えてはいけない
    ・目的が、サッカーをうまくなることでなくて、練習をうまくなることに変わってしまうことの怖さ。

    ■第三章 日本代表はワールドカップで戦えるのか
    ・ドイツWCの日本代表に2チーム存在したこと(戦った選手、そうでない選手)
    ・遠藤は、そのときの最適な選択が出来る(戦闘能力が高い)選手
    ・長谷部は、勝つ為の役割を全うできる選手
    ・中村俊輔は、状況でないのに、決定的な仕事をやろうとし過ぎる。高い技術をどう発揮するかで、出来が大きく変わってしまう。いい時は世界レベル。
    ・中田は、考えることができ、感情をコントロールでき、技術をピッチに表現できる選手。

    ■第四章 目的と方法を正しく伝える指導法
    ・目の前(育成年代での勝利)に囚われて、サッカーをうまくなることを放棄してないか?
    ・練習でしていないことを、試合で求めない。
    ・ボールを貰う前に、たくさんの選択肢を持っておけ。
    ・選択肢がないなら、持っているフリしてないで、持っている奴に渡せ。
    ・攻撃の時に、場所でなく、人を攻略する。結局人を攻略しないと点が取れない。

    ■第五章 戦闘能力を高める「四つのスピード」
    選手の良し悪しを分ける要因。選手も指導者も、その意識を持たないと伸びない。
    ①身体を動かすスピード
    ②技術のスピード
    ③考えるスピード
    ④考えないスピード

  • 見て考えるを読んで考える。

  • 戦術とかの前に個。
    数字や布陣でしかものを語れないにわか通にはこの本を読んでもらいたい。

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著者プロフィール

1961年10月16日、静岡県生まれ。清水商業高校時代に日本ユース代表として79年のワールドユースに出場。筑波大学在学時に日本代表に選出される。卒業後、ドイツのレバークーゼン、レムシャイトなどで5年間プレーし、89年にマツダ(現サンフレッチェ広島)に加入。日本人選手Jリーグ初ゴールを記録。1stステージ優勝にも貢献。97年に引退後は桐蔭横浜大学サッカー部、筑波大学蹴球部、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。サッカークラブ「トラウムトレーニング」の代表を務めるなど、独特の技術論とメソッドでサッカー選手が楽しく伸びる指導に心血を注ぐ。2021年よりセレッソ大阪アカデミーの技術委員長を務める。

「2022年 『サッカー外す解剖図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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