ユダヤの商法 (ワニの本 197)

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  • / ISBN・EAN: 9784584001974

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  • 某有名実業家が大いに刺激をうけた一冊。
    ということで自分も読んでみた。
    すでに廃版であり、オークションでもプレミア価格となっていたため、
    図書館を探しまわっての読了。

    1回読んだ印象では、色んな意味で普通の人とは違う考え方をされているなと思った。
    1章、6章は1読の価値ありと思う。


    以下、メモ


    ■PART1 これがユダヤの商法だ
    ・1 78対22の宇宙法則
     ※78対22の法則はユダヤの商法にも当てはまる。「貸したい人78」に対して、「借りたい人22」の割合など。

    ・2 金持ちから儲けさせてもらう
     ※金持ち22が78の資産をもっている。相手にするのは金持ちの方。ねらい目は"ちょっとしたぜいたく品"。

    ・3 生活の中に数字を持ち込め
     ※ユダヤ人は暑さ寒さも数字に換算する。数字に強くなることが儲けの基本。

    ・4 世界の支配者、その名は「ユダヤ商人」
     ※「資本主義と共産主義のにらみ合いも、いってみれば二人のユダヤ人の思想の対立にすぎません」

    ・5 「きれいな金」「きたない金」はない
     ※金には氏素姓も履歴書もついていない。つまり金に「きたない金」はないのだ。

    ・6 現金主義に徹しろ
     ※変わらないのはキャッシュだけ。

    ・7 利息目当ての銀行預金は損だ
     ※財産はキャッシュで保有しておいたほうが、遺産相続をごっそりもっていかれずにすむ。(この理論は??)

    ・8 貸し金庫は安全ではない
     ※日本の銀行の金庫は受付嬢が管理しているので、あまりにも危険がいっぱい。

    ・9 女を狙え
     ※「ユダヤ商法に商品はふたつしかない。それは女と口である。」
     →男は働いて金を稼ぐ、女はその金を使って生活を成り立たせる。よって古今東西を問わず儲けようと思えば、女を攻撃し、女のもっている金を奪え。

    ・10 口を狙え
     ※"口に入れるものを扱う商売"は凡人でも凡人以下の才能しかない人でもできる商売。(海外はそうかもしれませんが、日本は違うような・・・)

    ・11 判断の基礎は外国語だ
     ※英語ができないと金儲けができない。

    ・12 暗算を得意にしろ
     ※暗算が早いがために、ユダヤ人は常に迅速な判断ができる。

    ・13 必ずメモを取れ
     ※ユダヤ商法には、あいまいさはないし、思いちがいもない。面倒がらずにメモを取るべき。

    ・14 雑学に強くなれ
     ※雑学に支えられた広い視野に立ってユダヤ人は正確な判断を下している。

    ・15 今日のケンカは明日に持ち越さない」
     ※忍耐しながらも取るべきものは取る。

    ・16 辛抱よりは"見切り千両"
     ※手を引くと言うことろでは、これまで注ぎこんだ資金と人的努力をいっさい放棄する。

    ・17 社長は"売れる会社"をつくれ
     ※会社とは、愛の対象ではなく、利益をしぼり出すための道具にすぎない。

    ・18 契約は神様との約束である
     ※ユダヤ人はいったん契約したことはどんなことがあっても破らない。それだけに契約相手方にも契約の履行は厳しく迫る。

    ・19 契約書も商品である
     ※ユダヤ商法では、会社や契約書すらも"商品"。

    ・20 首吊り人の足をひっぱれ "バンザイ屋"はユダヤ商法ではない
     ※"バンザイ屋"はユダヤ商法とは違う。

    ・21 "国籍"も金儲けの手段だ
    スワロスキーのローエンシュタイン氏が築いた富の手元は"アメリカ国籍"だけ。

    ・22 税金分だけ余計に儲けろ
     ※ユダヤ人は税金をごまかさない。利益計算するときに、税金分をあらかじめ差し引いた利益をはじき、それで商売する。

    ・23 時間も商品 時を盗むな
     ※一分一秒といえでも他人の時間を盗んではならない。ユダヤ人は常に「一秒いくら」で仕事をしている。

    ・24 不意の客は泥棒と同じだ
     ※ユダヤ人はアポイントのない相手の不意の訪問には、絶対に応じない。

    ・25 アポイントメントを取れ
     ※「商談とは、急行列車のすれ違いを利用してのホンの瞬間的な逢瀬に成立させるようなもんだ」。

    ・26 「未決」書類は商人の恥だ
     ※有能なユダヤ人の机の上には「未決」の書類はない。その人間が有能であるかどうかは机の上をみれば分かる。

    ■PART2 私白身のユダヤ商法
    ・27 "ゼニ"の取れる名前をつけろ
     ※子孫に金儲けさせようと思うなら、外国人が呼びやすく、しかも覚えやすいという、ゼニを取れる名前をつける。

    ・28 差別には金で立ち向かえ ユダヤ商法との出会い
     ※ユダヤ人のたくましさを盗め。

    ・29 軍隊とは金儲けの場なり
     ※ユダヤ人が金銭で周囲の人々を支配していく過程を脳裏にきざみこんだ。

    ・30 勝負はタイミングで決まる
     ※タイミングの取り方しだいで大儲けもできるし、大損もしかねない。

    ・31 大損しても納期はまもれ
     ※大損しても納期を守り、買えるはずのないユダヤ人の信用を買った。

    ・32 悪徳商人は大統領へ直訴せよ
     ※飛行機をチャーターして納期に間に合わせたフジタ。大統領に直訴した最初のニッポンのユダヤ人フジタ。この2つの事件を通じて、本物の信用を得た。

    ・33 一手先を読め
     ※現代のテンポに合った商法など、一手先を読む。

    ・34 絶対にまけない売り方自信のある商品は絶対に負けるな
     ※いい商品だからまけない。まけないから利益が大きい。

    ・35 "薄利多売"はバカの商法
     ※「たくさん売って"薄利"だなんて、フジタのいう大阪商人っていうのはバカじゃないか。うん、きっとバカなんだぜ」

    ・36 金持ちから流行させろ
     ※金持ちを相手にすれば"厚利多売"もちゃんと成り立つ。

    ・37 厚利多売商法で儲けろ
     ※他人が持っていないものを自分だけが持っている。これほど人間の自尊心を満足させるものはない。

    ・38 文明の落差を売る
     ※輸入商は古い文明と新しい文明の落差に値段をつけ、文明の落差が生むエネルギーを利益にして商売をしている。

    ■PART3 ユダヤ商法のバックボーン
    ・39 働くために食うな、食うために働け
     ※ユダヤ人にとっては、金力を誇示する絶好の機会が、贅沢な晩餐である。

    ・40 メシの時に仕事の話はするな
     ※ユダヤ人はせっかくの食事の楽しみをぶちこわしてしまう話題には、けっして触れようとしない。

    ・41 お金のある人エライ人、お金ない人ダメな人
     ※ユダヤ人の価値観の基準はお金である。学問や知識がどんなに優れていても、貧乏であれば軽蔑され、下等視される。

    ・42 父親は他人の始まり
     ※父親といえど盲信してはいけない。あくまでも信じられるのは自分自身だけ。

    ・43 金銭教育は子供の時からやれ
     ※各地でユダヤ人の家庭を訪れたが、ユダヤ商法は、どの家庭でも、幼児教育の段階から実践されていた。

    ・44 女房を信用するな
     ※「たとえ、嫁でも婿でも"他人"に気を許してはならない」。

    ・45 女も商品に変わりはない
     ※プレイボーイ誌のヘフナー氏の場合は「女」を商品として売りまくって成功している。それもこれも彼が独身であったから、できたことかもしれない。

    ・46 一人合点して相手を信用するな
     ※商売の相手は一回一回すべて「初回」。二回目だから前回のようにうまくいくはずだ、と一人合点して相手を信用してはいけない。

    ・47 国家の主権なんかクソくらえ
     ※ジャーナリズムさえ黙らせてしまえば、国家の主権を侵すことをはじめ、なんでも思いのままにふるまえる。ユダヤ人はそれを知っているし、すでに実行しているのだ。

    ・48 納得するまでたずねろ
     ※納得してか取り引きする。

    ・49 敵状を知れ
     ※ユダヤ人は孫子の兵法すら、先刻ご承知なのである。

    ・50 休息を必ずとれ
     ※働いたら必ず休むことを忘れてはならない。

    ・51 恥垢とって病気を追放しよう
     ※ユダヤ人男性は入浴するつど、丹念に恥垢を取る。なのでユダヤ人女性は子宮がんになる確率が低い。(ユダヤの商法とは関係ないような…(汗)

    ・52 ボインは赤ちゃんのためにあるんやでェ
     ※ユダヤ人は人工栄養による育児が認められない。なので女性のバストのプロポーションがくすれることなどにはまったく意に介さない。(これまたユダヤの商法とは関係ないような)

    ・53 百点満点で六十点とれぱ合格だ
     ※神様や機械には百を求めるユダヤ人も、人間に対しては六十点しか求めない。

    ・54 ユダヤ教徒になれ
     ※ユダヤ教が一部の人のいうようにインチキな宗教であれば、五千年もの間、存在し続けるはずはないと思う。

    ・55 ダイヤモンドは一代ではダメだ
     ※人品いやしい、無教養な相手とはけっして取引はしない。

    ・56 儲けはイデオロギーを超越する
     ※儲かる相手なら国籍など問う必要はまったくない。

    ・57 寿命を計算せよ
     ※自分の寿命を冷静に計算できないところに、インチキな話がまかり通る日本式商法の温床がるといえよう。

    ・58 ユダヤ人にダマシは通用しない
     ※自分自身の致命傷となって跳ね返ってくる。

    ・59 時間の使い方を考えろ
     ※「商人は金を作ろうと思ったら、まずヒマを作らなくてはダメです」。


    ■PART4 銀座のユダヤ人語録
    ・60 ユダヤ人を食え
     ※ユダヤ人を食って生きている人もいる。上には上がいるものである。

    ・61 金儲けのできん奴はアホで低能だ
     ※頭さえ使えば、金の儲かることはゴロゴロしている。儲かるタネはいくらでもある。

    ・62 法律の欠陥をつけ
     ※法律の欠陥や法律の隙間には、キャッシュがぎっしりつまっていると思え。

    ・63 "根まわし商法"は蹴っ飛ばせ
     ※根まわしとは何か。ムダ以外の何者でもない。そんなものは蹴っ飛ばすにかぎる。

    ・64 エライ奴こそ働け
     ※おエラ方はカゼのひく暇がないほど働くべきだと思う。その間、ペエペエはのんびりとゴルフでもしてりゃいい。

    ・65 ユダヤ人のペースに乗るな
     ※ユダヤ人の歴史の古さには敬意は表しても、ペースには巻き込まれないこと。

    ・66 懐疑主義は無気力の原因だ
     ※「ノー・エクスプラネーション(説明不要、いいわけ無用)」。

    ・67 日本人はケツの穴が小さすぎる
     ※日本人は全般的にスケールが小さいからアカンのや。

    ・68 東大出は役人にするな
     ※一生、国民の税金で暮らすことは、大変恥ずかしい、寄生虫行為だと思うべきである。それをいっこうに恥ずかしいと思わないところに、東大卒の人間のあつかましさがある。

    ・69 病欠とはズル休みのことだ
     ※"病気"というのは"気"の字がついていることからでもわかるように、あれは"気のやまい"である。

    ・70 休むヤツは金を返せ
     ※社長たるもの、勉強しないヤツからは、遠慮なく給料の返済を要求すべきだ。

    ・71 女は最大限に活用しろ
     ※ユダヤ商法では、女は最大の顧客であるが、同時に、最大のパートナーでもある。最大限に活用すべきである。

    ・72 週五日制で儲からない商売はやめてしまえ
     ※五日制には五日制で対抗すべきである。外国は五日制でもこっちは六日制だ - これでは外国相手に商売なんかできない。

    ・73 ゴルフする奴は発狂しない
     ※アメリカ財界あたりでも、ゴルフの効用はちゃんと認識されている。ゴルフをやるヤツは発狂しない、といって信用がある。

    ・74 大会社はボンクラだ
     ※大会社の社員は自分の力を過大評価し、他人を過小評価する。それがなによりボンクラである証拠だ。

    ・75 金を持ってもデカイ面するな
     ※社長と呼ばれて鼻の下を伸ばしていたり、金があるからといって、デカイ面すれば、その金をユダヤ人に狙われて、たちまち、巻き上げられてしまうのだ。

    ・76 金と女は同じだと思え
     ※女をものにする要領で、金をこちらが追いかけるのではなく、金を呼び込む。その呼吸がのみこめたら、しめたものだ。そうなりゃ、必然的に儲かる。

    ・77 政治家を利用せよ
     ※金儲けには、政治やイデオロギーは無用であり、無関係だ。利用して帳尻が黒字になるなら、せいぜい利用すべきである。

    ・78 ソロバンが合えば共産党へも金を出せ
     ※私が松本君に説得されて共産党バンザイ、と軍門にくだったわけではない。それもこれも、あくまで、ソロバンづくのことである。

    ・79 金儲けにイデオロギーはいらない
     ※商人は利益をあげればいい。イデオロギーなど無用の長物にすぎない。

    ・80 低能政治家は国賊だ
     ※日本の政治家は、日本が後進国であるという見本みたいなものである。どうせ悪いことをやるなら、国のためになるような悪いことをしてもらいたい。

    ・81 話があるならそっちが来い
     ※人に教えを乞うのに相手を呼びつけるような神経だから、日本の政治家は国際社会に出ると恥ばかりかかなければならないのだ。

    ・82 最初の日本人がダメなんだ
     ※商売をする上では、まず第一印象は大切にしなければならない。

    ・83 定石を知れ
     ※ユダヤ商法の定石は、全世界に通用する唯一の『商法』である。定石を知らずに、貿易の世界に飛び込むことは、水泳を知らずに水に飛び込むようなものだ。

    ■PART5 「円」を吸うユダヤ商法
    ・84 商人はまず売れ
     ※なにかを狙った場合、まず「買う」のはシロウトである。クロウトはまず売る。売ってから儲けるのである。「買い」よりも「売り」のほうが、はるかに利幅は大きいのである。

    ・85 厚利も商法なら損をしないのも商法
     ※私は、儲け話にも耳をふさいだ。そして、じっと、損をしないことを徹したのだ。

    ・86 無能は犯罪である
     ※こうした状態(ニクソンショック時のユダヤ人のドル売り)を、ただ手をこまねいて見ていたのが無能な"政治家"と称する輩だ。私に言わせるならば"無能"は立派な"犯罪"である。

    ・87 労せず儲かる"キャンセル商法"
     ※異常なドルの流入を「異常」とは思えず、外貨が溜まったと喜んでいたのも、私はすべて島国民族ニッポン人の舶来コンプレックスの現れであると思う。

    ・88 赤信号は止まれ
     ※「我々は赤信号が出たらとまりますよ。日本人はそんな簡単な常識すらないのですか」。

    ・89 柳の下は二度狙う
     ※ユダヤ人は、二匹目のドジョウを柳の下に求めている、そんな商人なのだ。

    ■PART6 ユダヤ商法とハンバーガー
    ・90 天下の公道を活用せよ
     ※天下の公道(銀座の歩行者天国)は、マクドナルドのハンバーガーのレストランに一変する。一銭の権利金も払わずに自分の店舗として活用し、しかもそのあがりが一日百万円となると、愉快さを通り越して踊りだしたいほどである。

    ・91 脳みそには柔軟性を持たせるべし
     ※脳みその中は、常に柔らかくしておいて、既存概念など吹っ飛ばしてしまうことが、先見の明につながる近道。

    ・92 信用を得る宣伝はロコミに限る
     ※外国人の自慢のおかげで、ハンバーガーは売れてくれるとは、ありがたいことである。宣伝は口コミが、信用を得るためにはもっとも効果的な方法だろう。

    ・93 人間の欲求をつかめ
     ※人間の欲求を的確につかみ、ユダヤ商法の定石を守ることが、大切。

    ・94 いつでも女と口を狙え
     ※私は意図的にハンバーガーで"女"と"口"を狙ったのである。

    ・95 きらいなものを売れ
     ※対象が好きなもの、となると、ついつい溺れてしまう。本当の商人はきらいなものを売る。自分がきらいなものだと、どうやれば売れるか、を真剣に考える。

    ・96 私はあなたに巨億の富を保証する
     ※こういうふうにしたら、金が儲かりますよという見本として、自分自身をこの章で登場させてみたのである。

  • 商人ならば、これを読め。
    言葉は強烈。ただ、非常に猛々しく、本能的。

  • アインシュタイン ひとつの山
    ベルグシュタイン 山石
    ゴールデンバーグ 金山
    ローエンシュタイン 獅子岩

    シリア系
     マッソーバー、パウル(高い)、カタン(木綿)

  • 初版発行は1972年。1971年に起こったニクソン・ショックの実体験が生々しく語られていた箇所が印象的だった。月ごとの外貨準備高の推移から異常なドルの流入を見抜き、円を切り上げざるを得ないことを予想して、先手の対応策を打つ。まさに、機を見るに敏。藤田さんは万事がこんな感じなのだろう。

  • 孫正義さんが読んで感銘を受けまくったという本だけあって、素晴らしい内容だった。公理は5000年の歴史が証明する。これに尽きる。

  • 何故この本が今頃2万円もの値段で売られているのか。
    それが知りたくて図書館で借りて読んだが、案の定さっぱりわからないという結論だ。

  • 恐るべしユダヤ人。彼らが陰で世界を支配している

  • 最高のバイブル。営業スタイルの基本はここから学んだ。何よりも相手との約束を守ることがビジネスの基本。顧客では無く相手としたのは自分だけで無く顧客に対しても然りだからである。約束を平気で反故にする客は信用をしない。信用しない相手には提供するもの(商品、金、情報)のレベルは必然的に低下する。
    ビジネスは信頼関係、信用無くしては今は良くても相手のメリットが無くなればそれで終わりとなる。

  • 商いに五千年もの歴史のある「ユダヤ商法」をユダヤ人から学び、ユダヤ人から「銀座のユダヤ人」と言われた日本マクドナルド創始者、藤田田氏の著書。

    本書は苦労話みたいな内容ではなく、あくまでもユダヤ商人と折衝をつづけ吸収した”金儲けのノウハウ本”として、ユダヤ商人の特性や考え方をノウハウとして得ることができる。

    今みても”目からウロコ”と思えるような視点がいくつもあり、なおかつ藤田田氏の若かりし日の商売(マック以前にはGHQの通訳、貿易商として雑貨、宝石等)からスタートし、どういう経緯で日本マクドナルドを始めたのかもわかる。
    しかも、戦後間もなく商売を始めた頃は、ミスター珍として日本人ではなく中国人として商売していた(その方が商売に都合がよいからという理由で)なんていうツワモノ。

    ユダヤ人とのエピソードで個人的に面白かったのは、
    ユダヤ人は「今日のけんかを明日には持ち越さない」ということ。翌日ケロリとグッドモーニングなんていうらしい。しかしそれは、別に仲直りしましょうという意味ではない。
    「人間の細胞は日々刻々と変化し、新しくなっているからきのう喧嘩したときのあなたの細胞は、今朝はあたらしい細胞と入れ替わってる。だから考えもまた違うでしょ、私はあなたの細胞が変わるのを待っていただけ。」
    そんな風にして、気がつけば心理的に彼らにに主導権を握られてしまうというエピソード。

    よく「好きなことを仕事に」と世間ではいうけれども、藤田田氏はその逆で、むしろ冷静になれるから「嫌いなことのほうがよい」といっている。そのほかは商売の基本はユダヤ商法(=五千年の歴史ある法則、定理)に則って商いをしてきたというところは、愚直であったりする。(実際にどのくらい愚直かは読むとよくわかる)

    また藤田田氏の語り口や視点は、ああどこかで読んだ感じに似ているなあと思うところで、「ヨーロッパ退屈日記」などを書いた伊丹十三氏にも似ている。
    皮肉と愛嬌がたっぷりで、初版(1972年)から41年経った今も、読んでいて面白い1冊。絶版してプレミアの価値がついているのも納得です。

  • たぶん昨年秋に買ってから積読になったままだった本書でしたが、読んでみて大後悔。こんな面白いものを知らずして、無下に33歳も半ばを迎えてしまったことに。そう思わせる一冊でした!! 文句なしの★5つ!!

    72年初判の非常に古い本ですが、日本マクドナルドを作った藤田田さんがその垂涎のビジネスのネタを注ぎ込んでいて、今でも圧倒的な深さ。というか、そもそも存在が圧倒的に面白いんでしょうね…。

    まずマクドナルド自体が「日本人を全員金髪にするために作った」というのがものすごいビジョン過ぎる。パンと肉を1000年食べ続ければ日本も強くなるとw 滔々と日本の累進課税を批判し、現金で溜め込んで子供に渡せば相続税は逃れられると書いちゃうところなんかもかっこよすぎる。その他の数々の指摘を含め、今やっとグローバル化の中で日経ビジネスやら東洋経済やらダイヤモンドなんかで言われるようなことをバシバシと書いてある…。そりゃ、すげーわw 取り急ぎ、藤田田さんの本を片っ端から読む事を決意しました。ルノアールは一旦お休みして、マックで読もうかなーw(2013.4.16読了)

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著者プロフィール

藤田田(ふじた・でん)
1926(大正15)年、大阪生まれ。旧制北野中学、松江高校を経て、1951(昭和26)年、東京大学法学部卒業。在学中にGHQの通訳を務めたことがきっかけで「藤田商店」を設立。学生起業家として輸入業を手がける。1971(昭和46)年、世界最大のハンバーガー・チェーンである米国マクドナルド社と50:50の出資比率で「日本マクドナルド(株)」を設立。同年7月、銀座三越1階に大第1号店をオープン。日本中にハンバーガー旋風をまき起こす。わずか10年余りで日本の外食産業での売上1位を達成し、以後、トップランナーとして走り続ける。1986(昭和61)年、藍綬褒章受章。1989(平成元)年、大店法規制緩和を旗印に米国の玩具小売業トイザラス社との合弁会社「日本トイザらス(株)」を設立し、全国展開した。社団法人日本ハンバーグ・ハンバーガー協会初代会長。創立30年にあたる2001(平成13)年7月26日、日本マクドナルドは店頭株市場に株式公開を果たした。2004年4月21日逝去(満78歳)。著書に『ユダヤの商法--世界経済を動かす』(小社刊)など多数。

「2022年 『漫画版ユダヤの商法 君たちはどう稼ぐか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤田田の作品

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