幕末維新史もう一つの読み方 (ベスト新書 28)

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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584120286

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  • 20項目にわたり歴史のifを想定し、幕府再生による近代国家の可能性を模索する。自分では考えてもみなかった想定が次から次へと繰り出されるので非常に刺激的で頭の柔軟体操になるし、あらためて幕末維新を考え直すきっかけにもなる。多少史実認識に主観的な部分も散見されるが、そもそもシミュレーション本だしあまり気にはならず、これまで硬直的に歴史を捉えていた事を痛感させられる良本である。
    総じて言えば、徳川慶喜と孝明天皇が重要なキーマンであり、2人の言動の迷走によって、多くの無駄な血が流され、貴重な人材を数多く失ったのではないか?という気にさせられる。尚、著者的には維新三傑に関しては、大久保が高評価、西郷は低評価、木戸はどちらでもない評価を下している印象。
    結局、薩長政権が誕生した事は良かったのか悪かったのか?公武合体が上手くいって、違う形の近代化が実現していれば、アジア太平洋戦争に突き進んで敗北する事もなかったのではないか?等々更なる歴史のifへの想像も膨らんでしまうのだが、そこまで因果を求めるのはヤリスギなのだろうか。

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著者プロフィール

外川 淳(とがわ・じゅん)
歴史アナリスト・作家
1963年、神奈川県生まれ。早稲田大学文学部日本史学専修卒。歴史雑誌の編集者を経て歴史アナリストに。戦国から幕末維新までの軍事史を得意分野とし、徹底した史料の調査と、史跡の現地検証によって歴史の真実を再構築しながら、わかりやすく解き明かす手法が歴史ファンの支持を集める。
現在は、歴史ファンとともに城郭・台場・城下町を巡る「歴史探偵倶楽部」を主催するほか、書籍や歴史雑誌を中心に執筆活動を行う。主な著書に『江戸・東京 幕末・維新の「事件現場」』(SBビジュアル新書)、『愛蔵版 地図から読み解く戦国合戦』(ワック)、『早わかり戦国史』『城下町・門前町・宿場町がわかる本』(以上、日本実業出版社)などがある。

「2019年 『明智光秀の生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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