おとなの男の心理学 (ベスト新書 166)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584121665

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  • 自我を確立するための諸要素 能力、地位、肩書き、評価、家族

    男性は地位や肩書きにプライドを持ちアイデンティティを求める→定年後も「部長」として振舞いたがる。

    対照的に女性は肩書きでなく「存在そのもの」を評価されたい→専業主婦への憧れ
    『主婦って○○会社に勤めているからとか英語が話せるからとかではなくて、ただその人であるだけで夫や子供から愛され、必要とされているわけですよね』

    一見幸せそうな専業主婦の不満の原因
    『仕事を持っている女性は、家庭で夫とのコミュニケーションがうまくいかなくても、職場で自分の存在価値を確認することもできるが、専業主婦は夫から関心を持たれなければ誰にも振り向いてもらえないということになり、自信を失い不満が高まる』

    老い、衰えと自己実現。病気との向き合い方について。

  • 人生の半分が終わり私も中年の仲間入り。最近、疲れが取れづらくなったり、ハゲてきたりと肉体の衰えは自覚症状も十分ある。健全な精神は、健全な肉体に宿るという。健全でなくなった体をもつ中年の心には健全らしからぬ精神が宿っている。この本は、そのような中年特有のこころの問題を扱っている。オッサンの揺れる男心?を理解するにはまずまずの内容である。オッサンに関わらずに生きていける人はまず居ないだろうから、多くの人に有用な本に違いないと思う。

  • 電車やバスなどの公共機関で、若い人のマナーが悪いとの異見を聞くことがありますが、個人的には若い人よりも、お年寄りの傍若無人ぶりに出くわすことの方が多いような気がします。
    そのほとんどが男性です。
    会社や家で偉いまたは偉かった態度が出ているんだろうと、「勝手な想像」をしていましたが、この本を読んで私の「勝手な想像」もまんざらではないと思いました。

  • 男は自尊感情を収入とか肩書きで満たすが、女は妻とか母といった「存在」で自尊感情満たすらしい。という事は男は独身だろうが、既婚・子持ちだろうと関係なく、定年退職により自尊感情を失うだけだけだが、独身女というのは永遠に自尊感情が持てず、非常に厄介で問題があるのではと思った。要するに、夫・子供がいる女性だけが永遠に自尊感情を持ち続ける事ができるのかと。(もちろん相手次第なんだろうが)
    P95の結婚の満足度変化の図はちょっとイガイで面白い。男女共に10年目ぐらいが満足度のピークで、男の下降は緩やかで結婚当初よりも高い満足を維持しているが、女は10年目ぐらいから急激に下降していく。たぶん夫が中間管理職ぐらいになって仕事が大変になり、家庭を顧みなくなるし、子供は小学校高学年になり面倒も少なくなるので妻・母としての満足を感じられないのだろう。やはり女は「存在」が重要という事か。女は結婚しても(よほどいい夫・子供が居ない限り)総じて満足を得られない。かといって、独身でも自尊感情は満たされない。これって、かなり厳しいよなあ。まあ、満足って最終的には状況環境云々より自分の考え方次第なんだろうけど。
    題名が「大人の男」とあるが、中身は「定年退職した男」である「老年の男」が対象になっており、「男の老後の心理学」という感じで、ちょっと題名に偽りアリって気もするが、内容的には女性の不幸話も多く、50を超えた独身女性である著者のボヤキ・嘆きにも思えてしまう。

  • 老いを楽しむ男になるか、老いを恐れる男になるか。。。

  • 中高年の男性の心理をメインにして書いている本。共感できる部分はあった。おじさん達を見てるとそういうもんやろって思った。

  • カッコつけず、虚勢張らず、見栄張らず、等身大、自然体で勝負できる男が、「おとなの男」ということになろうか。
    また、「以心伝心」「阿吽の呼吸」に頼らず、思いをきちんと伝えることが、夫婦、家族のコミュニケーションの基本だと感じた。

  • [ 内容 ]
    「おとなの男」が精神医学の対象として浮上したのは、ごく最近のことである。
    平均寿命が伸び、定年後の人生が長くなるにつれて、これまで成熟や達観の年代とされていた「老年期」に、中年期の危機(ミッドライフ・クライシス)がずれ込んできた。
    目まぐるしい社会の変化と、日進月歩のテクノロジーがそれに拍車をかけ、かつてなら人生の完成期に権威顔をしていた男たちが、実は、いちばん変化に弱い心性の持ち主であることがわかってきたのだ。
    老いを愉しむ男(フィロバット)になれるか、反対に、恐れる男(オクノフィル)にしかなれないか、それは日々の暮らしの中の、ちょっとした気のもち方にかかっている。

    [ 目次 ]
    第1章 おとなの男の心理学
    第2章 壊れる自尊心
    第3章 ちょいモテオヤジか更年期男性か
    第4章 なぜ妻に逃げられるのか
    第5章 親を“卒業”できない
    第6章 老い方を知らない男たち
    第7章 健康との上手なつきあい方

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  老いを楽しむ男(フィロバット)になるか、反対に、恐れる男(オクノフィル)にしかなれないのか…。と言われても、現在の社会情勢は男に厳しくなってきていて、簡単には老いを楽しむ男になれそうにない。
     自らの矛盾した行動に気づかないの章は参考になる。こんな人、いそうな気がする。それも、地位も名誉もある人が。
    2019年9月に、図書館で借りる。読んだ記憶が無かったが内容はうっすら覚えていた。
    今の所、フィロバットになれている。

  • 10018

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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