下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書 192)

著者 :
  • ベストセラーズ
2.78
  • (4)
  • (17)
  • (65)
  • (20)
  • (16)
本棚登録 : 288
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584121924

作品紹介・あらすじ

大学はみずからの保身のためにバカ学生を大量生産して社会に送り出し、社会の活力を阻害している。としたら、大学行政というのは、不要な高速道路を大量に造って国民の借金を増やしてきた、あの悪名高い道路行政と同じではないか?本書では、ひよわで、甘えん坊で、自己愛の強い学生、新入社員の実態を探り、さらに、そういう若者を生み出す入試制度、教育制度にメスを入れ、まともな人間を生み出すための処方箋を示す。プロイラーとして育てられた若者は、流れてくる餌を横一列に並んでついばむだけである。それでは社会で通用してない。その意味では現代の子ども、若者も社会の犠牲者なのだ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の愚痴が並べられている。調査し裏づけがあり、インタビューをして、証言として得ているものの、これは親の世代の愚痴ではないのか?
    多くの若者たちが、大学に行くようになり、あらゆることが変わってしまったのだろう。学ぶためではなく、目的意識もなく、また、手に職をつけるということもなく、社会に出る前の大いに遊べる時間が大学となってしまった(幼稚園と同じ)。子供が少なくなっているので、選ばなければ誰でも入学できる。
    親たちも、子供の環境と共に変化して、モンスターペアレントになってくる。(大学の)教育が悪い、ということになる。ゆとり教育が原因か?

    本書に出てくる例(証言)は極端な例であるとは思うのだが、親世代の常識からは、ちょっと、かけ離れていると思う。友達つくりに大学に行く。

    大学側の要因には気がつかなかった。(講義では)タレント教授、人気スポットに集まる、ゲーマー世代の子供たちには、ゲームのような展開が必要であるようだ。

    著者の提言で良いと思うところ。
    ・職業大学を作る。
    ・オンライン大学(格差が縮小、時間に縛られない、教授、大学を減らせる)履修ではなく習得を重視。

  • 現役受験生として、筆者の上から目線な物言いにちょっと苛ついたり…
    でも一番苛つくのは、ひどい学生の例を見て、私はまだマシだと安心する自分自身に対してかな。

  • 大学全入時代となり大学生のレベルが全体的に下がったというのは人口に膾炙しているハズだが、なぜ改善されないのか?というのはよく考えると不思議な問題ではある。
    イチバン手っ取り早いのは大学の数を減らして、どうしても大学に入って勉強したい意思と学力がある者のみを入学させる(著者の提言では進学率を20%にするとの事なので定員6割減)ことなのだが、大学を減らすと権限・勢力範囲が減少するので文科省が嫌がる、普段はアレコレ物言う大学の先生達(特任教授を名乗る著名人も含む)は職場を失ってしまうので大学削減の具体的な提言をしないし問題視しない(ゆとり教育のせいにする)、といった構造的問題がありレベル向上への改革が進まず、マスコミレベルで「大学生はバカばかり」と揶揄して終わりになってしまうという事に気が付かされる。
    よって、政治の力でどうにかするしかないのだが、6000億以上の公金が投入されているにも関わらず国民の関心がいまひとつなのはなぜなのか?それは未成年を持つ親にとっては減らして欲しくないし、学費も減らしたいのでもっと公金を出せという事になるし、卒業してしまえば関係ない話になってしまうからだろう。しかし、大学教育のあり方はあらゆる面において日本の将来を左右するものであり、全国民がもっと関心を持つべきテーマではある。
    本書は最後に提言があるのだが、そこに「オンライン大学の推進」がある。現在でも放送大学や通信制の大学はあるが、今回のコロナ騒動によって、各大学が一斉にオンライン化を始めた。これをきっかけに大学のあり方が変わるか否かに注視してみたい。

  • 著者があとがきで「語りおろし」と書いているように、のっけから著者の語りが大暴走、完全に居酒屋でクダをまいているオヤジと化してトバシまくる。言いたい事は分からなくもないがこれをそのまま書籍にしてしまうのは果たしてどうなのか。出版社と著者のモラルが問われる。

  • 大学について知りたくて読書。

    本書を読むとしまむらへクレームつけてスタッフに土下座させた写真を公開して逮捕された女性クレーマーや大手FC店のアルバイトたちが不衛生で不適切な写真を公開して問題なったなどのニュースを思い出す。

    本書の趣旨はともかく、日本の教育問題の根幹は大学であることは同感。職業として教育に携わったことがある多くの人の共通認識だと思う。教育は上が変わらないと下は変化しない。

    大学側の都合で作られたようなAO入試は不要だし、推薦入試自体さえも不要だと思う。さらに私立の付属校からの大学への進学ももっと厳しくするべき。同じ私立大学卒業であっても学力、経験格差が広がっている。

    本書で取り上げる統計の根拠はともかくとして、大学貧乏は非常に問題だ。大学のランクに比例して親の所得が上がることやシングルマザー家庭だと大学進学は現実的に難しいことも知ることができる。

    オンライン大学の拡充や早く社会へ出すは賛成。一流大学と呼ばれる大学ほどオンライン化を進めると効果がありそうだ。

    学歴による弊害は日本では以前と比べると小さくなってきてきており、大卒だろうと専門卒だろうと高卒だろうとそれほど影響はなくなりつつあるかもしれない。しかし、海外で就労ビザ取得条件に学歴を設ける国もあり、就業機会を狭める現実もある。たとえば、シンガポール、香港は、ほぼ大卒以外では就労ビザは許可されない。中国も原則大卒以外は就労ビザは許可されず、近年は原則に基づくように強化されている。

    この学歴の大卒規定の興味深い点は、東大、早稲田卒でも地方の3流大学卒でも同じ扱いという点。将来を機会を失わないためにも、どんな大学でもいいので、資格として大卒資格は持っておいた方がいいとも言える。こうなるともはや身分証明書代わりの運転免許証に近いのかもしれない。

    読書時間:約1時間35分

    • びあしん慶次郎さん
      だいさん、
      コメント有り難うございます。

      企業の採用基準で大卒以上と学歴規定を設けている日本企業ってまだまだ多いんでしょうか。
      だいさん、
      コメント有り難うございます。

      企業の採用基準で大卒以上と学歴規定を設けている日本企業ってまだまだ多いんでしょうか。
      2013/10/16
    • だいさん
      どうなんでしょうね?
      規定はなくても、現実は大卒じゃないと、という感じはしますが。
      私のまわりは、くすりや、なので普通の大学のことが分かって...
      どうなんでしょうね?
      規定はなくても、現実は大卒じゃないと、という感じはしますが。
      私のまわりは、くすりや、なので普通の大学のことが分かっていないのかも知れません。
      2013/10/19
    • びあしん慶次郎さん
      だいさん、
      いつもコメント有り難うございます。

      なるほど、業種による部分はありそうですね。僕は元教師だったので、大卒以上しかない職場でした...
      だいさん、
      いつもコメント有り難うございます。

      なるほど、業種による部分はありそうですね。僕は元教師だったので、大卒以上しかない職場でした。
      2013/10/20
  • 下流社会の著者だったんで期待していたんだが…
    前著にもましてのご都合主義なデータの引用とデモと不明のインタビューで埋め尽くされていて、あとは飲み屋で効いているようなひどい批判のオンパレード。こんな内容でもお金をもらえるのが羨ましい。
    ちゃんと調べれば、良い題材だと思うだけに残念。

  •  正直読み終えるのがしんどかった。最後に処方箋があるというから読んでみたんだけど……まぁ察してくだされ。
     語り下ろしで書かれているせいか、非常に言いっぱなしの本である。簡単に言うと「いまどきの若者は」といいたい大人たちが「ああそうだよね!」と笑顔になる本。

     でも、この著者が言うところの「下流の人が(バカなのに)いっぱしに上流になろうとして大学に入ろうとするから、大学はバカばかりになる」というのは、非常につらい。
     うーん。正確に言うならば「教養のある大学卒」である著者が、こういう、人の心を傷つけるような本しか書けないならば、大学は不要かもしれない、と思ってしまう。
     教養ってものを知っているだけではないと思うんだけど……。

     それから、今の子供に対しては対策は打てているけれど、いわゆる「ゆとり世代」に対してはまるっきり放置だよね。
     日本の未来を憂えるならば、ここの教育、育てなおしについても、きちんと考えていかなければならないことなのではないのかしら。

     この本で、匿名で意見を言ってる先生方も、きちんと名を名乗って建設的に進めましょうよ。教養のある大人なのだから。居酒屋で愚痴ってるみたいな噂話を主な意見だと思いたくはありません。

     いまどきの大人たちが、若者たちに、どれだけ厳しい目を向けているのか、がよくわかる本でした。疲れた。

  • なかなか実態を調査していると思う。学生の例でも、こういう学生さんはたしかにいるなぁというものばかりだった。こんなのはいないよという例はなかった。
    今の日本では大学全入という異常な事態になっていて、社会がおかしくなっている。これを解決するには、大学全入でないようにするのが一つの解決方法であることは間違いないだろう。できれば、そのような対策が取られることを望む。
    著者の文章スタイルなのだろうが、馴染めない文体の文章であった。それが残念である。

  • 大学全入時代の弊害。

    我が家にも受験生がいるので、考えさせられる…(汗)

    12/06/10-63

  • 納得する部分いっぱい。普段大学生とかかわる仕事をしているだけに、「たしかに!」と思うところはたくさんあった。著者の極論やきめつけも多いけど、嫌いではない。

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三浦展(みうら・あつし)
1958年生まれ。社会デザイン研究者。カルチャースタディーズ研究所代表。家族、若者、消費、都市、郊外などを研究。著書に『 「家族」と「幸福」の戦後史――郊外の夢と現実』 (講談社現代新書) 、 『ファスト風土化する日本――郊外化とその病理』 (洋泉社新書) 、 『東京は郊外から消えていく!』 『首都圏大予測』 (光文社新書) 、 『愛される街』 (而立書房)などがある。

「2022年 『中央線がなかったら 見えてくる東京の古層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦展の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ロバート キヨサ...
スペンサー ジョ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×