私は若者が嫌いだ! (ベスト新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584122075

感想・レビュー・書評

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  • 格差社会というタームが声高に語られるようになってからも積極的に若者擁護論を展開してきた"新人類"代表の精神科医による「若者への戦闘宣言」。

    プラトンの「最近の若者は…」と言う言葉が示しているように、人類は常に若年層を理解を超えた手に余る者として扱い嘆いてきた。

    本書を著者が挑発しているように"ババァの戯言"と片付けてしまうのは簡単だ。

    ITの革新によって誰もが自分の意見を世に公開できるようになった。
    それと平行して世界をアメリカ型資本主義=グローバリズムが覆い、金本位主義ならぬ金が市場であるというムードが世界のモードになっていった。

    産業革命以来の価値観の転換が目まぐるしく起こったことによって、常に世にある世代格差の溝も深くなったのではないか。

    若年層がなっていないと嘆くのもそうだが、それ以前に大人の不在が続いたことによってこの状況はもたらされている。

  •  著者は必ずしもヘイト(憎悪)している訳ではない。「時代という舞台の一番前にいる」とされる精神患者の事例を前に、どう考えても理解できない最近の印象を語るという。
     そこにはすぐ根を上げて逃げ、キレて甘え開き直る姿、他人に厳しく、すぐ傷つきやすい若者像がある。
     背景を、経済や教育の格差の拡大による弱さと推察し、ゆとり教育で学力向上したフィンランドや、フランスの若年貧困層との比較も示される。新型うつの増加や無差別殺人、ネット社会で増幅される若者の弱さについても考察する。
     将来を見込む時間感覚、他人の痛みへの想像力欠如? 自分が歳を取ったせい? 著者の逡巡は続くのである。

  • 爽快なタイトルをみて思わず手に取ってしまった本。

    若者の立場から若者論を語ってきた精神科医香山リカ先生。
    この本では、若者から一歩はなれ、若者の「得体の知れない弱さ」が何に基づくものなのかを分析し、それに対して大人は社会はいったい何ができるのか、という処方箋を呈示する。

    ちなみに、著者が嫌いな「若者」とは
    1)すぐ音を上げて逃げる若者
    2)居場所がない、とさまよいすぎる若者
    3)「キレた」「落ちた」「真っ白になった」といえば許されると思っている若者
    4)大人を信頼しすぎる若者
    5)大人に甘えすぎる若者
    6)学力がない、知識がないのに開き直っている若者
    7)自信がありすぎたり、なさすぎたりする若者
    8)自分のことしか考えられない若者
    9)簡単に傷つきすぎる若者

    よくもここまで言えたなぁという内容。
    納得いく部分もあれば、本論からずれてしまっている内容までさまざま。
    若者のネット利用似ついては偏見もあるのかも知れないなと、古谷経衡(著)『若者は本当に右傾化しているのか』を思い出した。

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    ネトウヨ、弱者いじめ、シュガー社員、うつ病セレブ、誰でも殺人…自己責任か、社会の犠牲者か。
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    【著者略歴 (amazonより)】
    香山リカ(かやま りか)
    1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。『知らずに他人を傷つける人たち』『おとなの男の心理学』(ベスト新書)、『親子という病』『なぜ日本人は劣化したか』(講談社現代新書)、『「私はうつ」と言いたがる人たち』(PHP新書)、『キレる大人はなぜ増えた』(朝日新書)、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』『イヌネコにしか心を開けない人たち』(幻冬舎新書)、『いまどきの「常識」』(岩波新書)など著書多数。
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    【目次】
    第1章 経済格差が生んだ若者の弱さ
    第2章 教育格差が生んだ若者の弱さ
    第3章 弱い若者を襲う新型うつ病
    第4章 「誰でもよかった」殺人と気遣い型の親殺し
    第5章 ネット社会で増幅される若者の弱さと甘さ
    第6章 若者はなぜ想像力を失ったのか
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  • 新型うつなどもとりあげられる。経済格差や教育格差で生まれる若者の弱さを臨床経験からあぶりだしていく。

  • あるある的な感想。ちょっと読んでいて疲れるけれどなるほどとは納得する。読後感はあまりよくないし、建設的な内容ではないと思うけれど、日頃多くの患者さん、若者に接している筆者ならではの本。

  • 香山リカなんで、読んでみた。それほど新鮮味とかはないが、バランス良く、わかりやすい。

  • 若者の味方だと思いきやいきなり突き放してきました。ただ中身はそんな辛辣な内容ではなかったです。さすが香山さん。

  • 無理してバブリーな生活を続ける人、ケータイとコンビニの空間に引きこもる人、競争と自己責任の世界でかろうじて糊口をしのいでいる人。個々人それぞれで、社会はチリヂリになったようにみえます。(p110) http://www.yobouigaku-kanagawa.or.jp/kenkana/443-2.htm 印象に残ったのはここかな(著者の意見ではなく引用だけど)。新書にありがちなキャッチーな題名への批判も多いが、内容的には概ね納得できる。ひとことで言えば、「文句言う前に努力しろよ」って事なんだけど、そう言われると反発しちゃう人も居るのかな?と。若者に限らずね。

  • いわゆる「最近の若者」に

    ・精神的に傷つきやすい
    ・プライベートでは元気なのに、仕事となると無気力
    ・ネットの世界に引きこもる
    ・想像力が欠如している(ex.筑紫哲也氏の死を喜ぶ2chの書き込み)

    といったような特徴が見られ、だからこそ若者が嫌いだと主張する本。タイトルからも分かる通り、かなり感情的な内容。

     中には確かに共感できるものもある。特に筑紫氏が死んで「メシウマ」と書く行為は醜悪だった。死んだ人が誰であれ「死屍に鞭打つ」のは日本人にそぐわない行為だと思っているので。

     でも「統計的な裏付けあるのか」、「若者に対する偏見ではないのか」という批判に対して「印象論でも事実だからいいじゃないか」と開き直る様は見苦しい。自分の見聞きした範囲内だけで「今の若者はこんなにダメな連中だ!」という著者の主張に説得力はない。

     この人は主にネット上のナショナリズムの高揚を批判したり、9条擁護を主張したりすることから、リベラル派のはずなのに、若者観は「最近の若者は情けない」、「自分の若い頃はもっとマシだった」と悪い意味で保守的。年をとるとこうなるものなのか…

  • キャラ化する/されると重複するような問題点を多く取り上げ、本書は若者を批判的に書いてある。読んだ感じ、同意するところもあるけど、稀なケースを取り上げている気もする。と思ったらあとがきにそのような断りがあった。
    今の若い人は、コミュニケーションの仕方が良くも悪くも変わったんだろうなと思う。同質的な人としか集まらないけど、それはその中でのコミュニケーションが繊細である必要があり、その労力の多大さから他の関係の無い人達へ関心を向けられない。
    昔は日本国内でも地域や年齢によって差があったけど、メディアの普及で均一化されてきた。そういう面からも差異のある他者への関心が向けづらいのではないか。

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著者プロフィール

精神科医・立教大学現代心理学部教授。
 1960年7月1日北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒。学生時代より雑誌等に寄稿。
 その後も臨床経験を生かして、新聞、雑誌で社会批評、文化批評、書評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、テレビゲームなどのサブカルチャーにも関心を持つ。

「2018年 『身近な人が「うつ」になったら読む本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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