放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書)

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  • ベストセラーズ
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レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584123584

作品紹介・あらすじ

福島第一原子力発電所の事故以降、10ヵ月以上が経つが、状況はいまだ予断を許さない。「内部被ばくは、外部被ばくの600倍危険だ」「福島の野菜は食べてはいけない」「西に逃げろ」…。様々な「専門家」たちの意見が飛び交い、私たちを不安に駆り立てる。本書の著者は、長年にわたり放射線医としてがん患者の治療に携わってきた。被ばくと発がんリスクの問題について語るに最も相応しい人物といえよう。さらに事故後、福島で行った調査や、広島・長崎、そしてチェルノブイリのデータ分析も踏まえて導いた結論は、大きな説得力をもつ。福島と日本の将来に希望が見いだせる一冊である。

感想・レビュー・書評

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  • 当たり前の内容すぎて、この人ってなんで叩かれてるのかよくわからなくなります。
    まっとうなことが書かれていると思うんですが・・・何故か御用学者扱いされてますよね。不思議。

    別にセシウムがりがり食え!ふぐすまの魚も食え!て言ってるわけではなく「正しく知って正しく怖がろう」と言ってるだけなんで、内容的には正直面白くはない(笑)のですが、おセンチに危険をあおっている自称ジャーナリストさんの語りよりは「面白い」と思います。

    この後小出氏の本も読ませていただきましたが特に食に関する危機意識は中川氏とそう変わらない記述で、共著の方も「プルトニウムは重いので遠くには飛ばない」と記していましたので、彼等の「人気」がどこでどうこうもわかれたか、そっちの方に興味を持ちました(苦笑)

    • edward0812さん
      本棚拝見させていただきました、ちょこちょこ覗きますのでよろしくお願いします。
      本棚拝見させていただきました、ちょこちょこ覗きますのでよろしくお願いします。
      2012/05/14
  • 論旨が明解でわかりやすく、メッセージもダイレクトに伝わりました

    御用学者呼ばわりする人もいますが、私はこの人の言うことは信用できると思いました

    被曝量よりも、避難や過度な恐れから受けるストレスや生活習慣の変化が発ガンの危険性を高める、との主張は、私がモヤっと思っていたこととマッチしたからです

    徒に不安を煽る人々への怒りも共感しました

    個人的には長期の低線量被曝の影響はよくわからない(くらい小さい)と理解しました

    現在の放射能のリスクは他の色々なリスク(事故・病気・災害)と同じように恐れればいいと思ってます

    冷静になれる一冊だと思います

  • 東大放射線科准教授の著書。著者は1960年生まれ。1999年の東海村の臨界事故の治療チームの一人。原発事故直後からTwitterで医学・疫学的な立場からの発言をしている人物。本書の主旨は、今回の原発事故を原因として福島でガンの発生が増えることはない、というもの。論理的な説明であり、納得できる。

  • 思想として信じるところは人によって様々だが、医学的な事実にぜひ目を通してほしい。
    そして、正しい情報の理解は、政治不信と切り分けて考えたい。

    以下、要約。
    ・広島・長崎、チェルノブイリの研究から、100ミリシーベルト以下ではがんは増えない。
    ・いま福島で検出される放射線量は数ミリ~数十シーベルトの話であり、発がんリスクはあるいかないか、わからないくらい小さい。
    ・がんは生活習慣病でもあり、むしろ、住み慣れた地域からの避難を強いられたり、放射能の恐怖を必要以上に吹きこまれたり、差別をうけたりするストレスによる影響が大きい。


    ただ、平常時1ミリシーベルト(自然放射線、医療によるものを除く)というICRPの基準については、安全に配慮した”ポリシー”として尊重しているので、で、結局どっちなの?と聞かれた時に、歯切れが悪いのは否めない。数兆円かかると言われる除染作業も必要なこととされている。

    医者にかかって、ほっとするのは具体的な病名や細かい病状説明ではなく 「ほっときゃ治ります」という一言であったりする。
    しかし真摯な医者や科学者であればあるほど、それを期待するのは酷かもしれない。
    これは政治の仕事であろう。

  • 福島以来、放射線内部被曝についていろいろ不正確な情報が飛び交っているので、その本とのことを知りたいと読んだ。
    期待に応えたところもあるが、やや期待外れもある。結局、問題の低線量被ばくの影響について、筆者はほとんど影響がないと言い切っているが、その根拠についてICRPとか、国基準とか、外部の権威にに頼っているようなところもあり、本とのところはどうなんだという不安に答えきれるのかがやや問題。
    被ばくの問題はなかなか奥が深いというのが実感。

  • 冷静になることを勧めてくれる貴重な本。データに基づいており、放射線自体だめとうい原理主義にならないよう心がけたい。

  • 被ばくに恐れおののいている人は、まずは、この本を読み、冷静になるのが良いと思う。マスコミの煽り報道に惑わされることのないよう頭を働かせ、どうしていくかを考えていきたいと思う。

  • 放射線の専門家として、放射線被ばくと発がんリスクとの関係を解説した書。結論を言えば、福島に放射線による発がんリスクはほとんどないばかりか、発がんリスクを殊更に連呼し、不安を助長させ、避難生活を長引かせることこそが、寿命を短くすると警鐘を鳴らす。

    中川恵一氏の名前をぐぐると「原発業界御用学者」というトンでもないレッテルを貼り、Amazonレビューでも誹謗中傷のレビューが相次ぐが、私は、本書以外に、放射線被ばくと発がんリスクを全うに扱った書を知らない。

    チェルノブイリの原発事故の経過、広島・長崎の原発の経過も分析しており、その分析結果から、福島においては、発がんリスクがほとんどないと言える。2011年に出されたロシア政府によるチェルノブイリ事故の報告書では、放射線による発がんリスクそのものよりも、放射線リスクの閾値を下げ避難対象者を増やしたことによって、住民がかえって精神不安になり、寿命を短くしてしまっていることが報告されており、ロシア政府自ら、避難対策が間違いであったことを反省している。

    しかし、現在、日本もチェルノブイリと同じ轍を踏んではいまいか?

    「専門知識もないのに堂々と発言し、人々の「恐怖」や「不安」を煽ったものもの多く、この無責任さには放射線の専門医として、怒りを感じます」と著者は言うが、まさに同感である。

    福島県の行政・議会関係者の方、ぜひ一読した上で、正しく判断してもらいたい。

    <目次>
    第1章 放射線の真実
    (1) 放射性物質の正体とリスク
    (2) 内部被ばくの真実
    第2章 発がんリスクの真実
    (1) 発がんの原因とは
    (2) がんを防ぐためには
    第3章 広島・長崎の真実,
    (1) 広島・長崎のデータが語ること
    (2) 被爆都市のもうひとつの真実
    第4章 チェルノブイリの真実
    (1) 事故の概要
    (2) チェルノブイリの教訓
    資料 ロシア政府報告書『チェルノブイリ事故25年 ロシアにおけるその影響と後遺症の克服についての総括および展望 1986〜2011』より、最終章「結論」
    第5章 放射線の「国際基準」とは
    (1) 放射線被ばく問題にかかわる国際組織
    (2) 被ばくから人々を守るための国際ルール
    第6章 福島のいま、そしてこれから
    (1) 福島の現状
    (2) 飯舘村を訪れる
    第7章 非常時における被ばく対策
    第8章 「被ばくと発がん」の疑問・不安に答える。

  • 読了。

  • なるほど、放射線の健康影響という観点で信頼できる一冊であると感じた。チェルノブイリなどを含めて、専門家の立場でしっかり答えてくれていた。規制値などの設け方など、知っておくべき事柄も多く、参考になった。

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著者プロフィール

中川 恵一(なかがわ けいいち)
1960年生まれ、東京都出身。私立暁星高等学校卒業後、東京大学教養学部理科Ⅲ類に入学し、同大学院にて博士号を取得。専門は放射線医学。
スイスPaul Sherrer Institute客員研究員を経て、東京大学医学部附属病院放射線科准教授、東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部長(兼任)として活躍するほか、がん対策推進協議会委員、がん対策推進企業アクション議長(厚生労働省)、がん教育検討委員会委員(文科省)を務める。
『がんのひみつ』(朝日出版社)、『最強最高のがん知識』、『がんの時代』、『がん専門医が、がんになって分かった大切なこと』(海竜社)など、著書多数。

「2020年 『コロナと日本人(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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