65歳定年制の罠 (ベスト新書 397)

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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584123973

作品紹介・あらすじ

定年延長、再雇用に騙されてはいけない!生涯現役で働くために定年起業のススメ。

感想・レビュー・書評

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  • 戦後40年にも渡って経済成長を続けた日本ではサラリーマンの定年といえば55歳であったのが、「高年齢者雇用安定法」の改正とやらで1998年からは60歳に延長された。2013年にはさらに5年も延びて65歳になったのだが、「おかげで65歳まで働ける」などと喜んでいる場合ではない。これは1970年代から始まった少子高齢化と年金問題に対し何ら有効な方策を打てなかった政府が、財源の無い年金の支給開始を60歳から65歳に遅らせるために講じた苦肉の策なのであり、そのしわ寄せを受けているのが企業と社員の両方なのだ!・・・ 外資系の投資銀行を渡り歩いた経営コンサルタントが日本の定年制の矛盾を暴き、老後の破綻を避ける方策について提言する。

  • 65歳定年制が進む中で、今後高齢者がどのように仕事をしていくべきかという本。

    自分の会社も色々あるので、とても勉強になった。

  • 年金行政の無策は、労働者と企業双方に負担を転嫁することしかできない。これからの世代を第一に考えないとますます日本は低賃金でOKの三流国になってしまう。

  • 日本の高齢化社会で唯一の解決策は死ぬまで働くということ。そのためには、死ぬまで会社にしがみつくのではなく起業しようというのが著者の発想。

    ということなのだが、スティーブ・ジョブズや三浦雄一郎などの超大物を一例にあげられても、ピンとこない。逆に、参考になりそうなラーメン屋とかボランティアの一例は匿名なので、具体性がなくこれまたピンとこない。

  • 以前に読んだ『好きなことで70歳まで働こう!』と似通った主張の本。
    『70歳まで』と異なるのは、60歳以降の再雇用に対しての見方が厳しいこと。
    このため、シニア起業を推奨する内容。
    ただ、出てくる例が、マクドナルドの創業者や欧米の著名な投資家などのため、あまりしっくりこなかった。

  • 題を見てかったが、起業の話ばかりで騙された感じ。起業だけが、定年以降の過ごし方ではない。

  • 65歳まで会社にしがみつくか、早めに起業するか。。。しかし、起業に向く人、向かない人もいる。65歳定年制がもたらすもの、起業の落とし穴など、ざっくばらんな内容は好感がもてました。ただ、自分はどうすればいいか、あまり参考にはならなかったかも。起業には向かないことが分かったくらいかな?

  • 今年の4月から改正高年齢者雇用安定法が改正されて、事実上企業は65歳まで雇い続けることを前提とした制度を整備しなければならないくなりました。これによって60歳以降もそれまでと同じ企業で働き続けられることができるので一安心・・・ということにはなりませんよ、というのが本書の趣旨です。

    もっというなれば、会社に残るのではなく起業することや社会活動に身を投じるというような選択肢を示唆する内容です。

    僕としては、高年齢者雇用は私の仕事では今トレンドの一つで、会社側ではなく、労働者側の考えるべきことというのを知りたくて手にとったのでしたが、思ったより「起業」を推しているような内容でした。確かに社内に残っても定年鬱とか追い出し部屋とか、さらには高齢破綻とかいう言葉も耳にしますが、それでも起業に踏み切る人はごく一部なので、多数派の動きを知りたかった僕のニーズにはその意味では沿わなかったのですけど、しかし起業準備の仕方、ボランティアの参加の仕方とかは、当初の目的とは違いますけど、興味深く読ませてもらいました。

  • 年金問題はかなり前に議論されていたと記憶していますが、議論が終わり法律ができて実行されるのが今年(2013)4月となるようで、年金支給が60歳からではなくなり、順次65歳まで繰り下げていきます。これと共に、65歳まで働くことを考えさせられる時代に本格的に突入していくことになりました。

    この本の著者である岩崎氏は、60歳以降に大幅に減らされる給料に耐えてそれまで働いていた会社に残るよりも、起業をすることの魅力及びその留意点を述べています。私の知り合いは、定年前に早期退職して多めの退職金をもらって、それをベースに起業して年金支給の60歳までしのぐ方法をとっていましたが、これからは60歳で普通に退職して、65歳まで生活していくことを考えていく必要があるようですね。

    来年には50歳を迎える私も、子供の教育に加えて、自分の生活をどのように成り立たせるべきか真剣に考える必要を感じました。

    私がこの本で最も印象的なデータは、60歳から繰り上げ受給した場合、65歳からもらうのと受給総額が同じになるのは、77歳だ(p65)ということでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・老齢厚生年金の報酬比例部分が2013年4月1日までは受給できた、勤続40年の平均モデルで月額10万円なので、何とか生活が成り立っていた(p24)

    ・再雇用された後の給料は、通常は定年前の6-7割になる(p27)

    ・高年齢者雇用確保措置を実施済の企業の割合は、全体の97%だが、これは従業員31人以上の14万企業を対象に調査したもの、全国にはこの30倍の421万社ある(p33)

    ・90歳まで生きるとすると、夫婦二人で年間360万として、1億円必要(p54)

    ・平成3年以前の学生は任意加入、20歳で会社に入社した場合のモデルケースは、夫婦で月額23万円程度、不足分は7万円程度(p58)

    ・国民年金の未納者問題によって国民年金が財政的に成り立たなくなることはありえない、保険料を払っていない人は年金を受給できないので財政上の問題も発生しない(p60)

    ・年金積立金残高は、18年度は149.1兆円だったが、23年度は119.4兆円となった(p61)

    ・積立金がもらえないことが無いかを検証するために、5年毎(最近では2009)に行っている(p62)

    ・2004年の「改正高年齢者雇用安定法」により、企業は継続雇用の対象となる労働者を再雇用するに際して、基準に合わない人をはねることができたが、2012年8月の法改正により希望する社員全員を再雇用の対象とする必要となった(p71)

    ・定年起業のリスクを減らすためには、自分が良く知っている分野の仕事を選ぶべき(p115)

    ・いきなり会社組織にしないで、半年間は個人として事業を行う、事業用の口座を別に設けて資本金にあたるお金をそこに入れて、事業経費の収入支出を管理して、半年経過してから、そのお金の増減をチェックして事業継続を決める(p125)

    ・本を多く読むことで、仮想シミュレーションを繰り返すことが大事(p131)

    2013年4月20日作成

  • 定年が65歳まで延びたと能天気に喜んでいた自分がいたが、今は今まで以上に自分のキャリアを積んで、今の会社に頼らなくても生きていけるようにする必要性があることを強く感じ、今自分がやっている自己啓発をもっと真剣にやろうと心に誓った。

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、日本興業銀行へ入行。スタンフォード大学経営大学院で経営学修士(MBA)を取得。J・P・モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズの各投資銀行でのマネージング・ダイレクターを経て、経営コンサルタント会社「インフィニティ」を設立。著書に、『投資銀行』(PHP研究所)『気弱な人が成功する株式投資』(祥伝社新書)『残酷な20年の世界を見据えて働くということ』など。日経CNBCテレビでコメンテーターを務める。

「2016年 『不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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