- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784584124017
作品紹介・あらすじ
歩いて通院できるほど体力のある人間が、ある日突然「余命3カ月」と診断され、手術や抗がん剤治療の挙句、本当にあっけなく死んでしまう-このような悲劇を身の周りでも見聞きされていないだろうか。実は、余命宣告の多くはいいかげんである。治療が命綱の医者にとって、余命は短く言うほど「うまみ」が増すのだ。余命を告知される病気としては、圧倒的に「がん」が多い。がんの本質に迫り、余命宣告のウソを暴くことで、患者本位の治療を提言する。
感想・レビュー・書評
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主人の母は、スキルス性の胃がんで亡くなった。
見つかった時には、余命1年といわれ。。
新薬の治験に加わり、胃の全摘手術をして4年半でなくなった。
しかし、その4年半は、抗がん剤治療の副作用に苦しみ、
人工肛門を付けての苦しい日々だった。
一番初めに余命1年と宣告されたとき、苦しい治療と手術に
即答同意する父母と他の兄弟の中で、ちょっと待ったをかけた主人>>
しかし、治験を勧める医師!!抗がん剤治療後の手術が命を救うと
勧める医師に藁をもすがる思いの母の意志を尊重しての治療だった。
そして、義理母の死後、実母に大腸がんが見つかった。
ホームドクターの元の健康診断で、肺に影が見つかった
大腸がんからの肺への転移だった。
このままでは、癌の治療よりも先に、腸閉塞を起こし命への危険がと
言われ即手術してもらった。
担当医は弟の余命は??の質問に余命などはわからないとおっしゃり
手術して元気になってもらいましょうとおっしゃった。
(先生の本を読んで、余命宣告されなかった担当医を見直しました)
現在、抗がん剤の治療中!!義母ほどではないが、軽度の副作用に
悩み、助けてもらった命を大事にしたいと言いながら。。。
ほとんど外出することがなくなってしまった母。。
この本をまるまる鵜呑みにするのは、どうかと思うけれど。。。
もう、抗がん剤は飲まなくてもいいのじゃないかしら??
と思う日々です詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
放射線科医師、近藤誠さんの新著。読んだ事は無いけれど、「医者に殺されない47の心得」などは書店で見た事があり、読んで見たいと思っていた方の本です。
さて、本書は癌による余命宣告の真実を記した本。約その余命なるものが、非常にアバウトに、医師が治療を受けさせるためになされてるのではないかという事を、先行研究や著者の経験から暴き出します。
現在の余命宣告は手術、投薬、放射線治療を受けさせて医者が仕事をするため、お金が様々な業界に流れるように行われています。これは手術、投薬では癌によう死亡率が減っていない事から示されます。
新薬開発による余命延長は実際には癌の発見技術の向上により、見かけの死ぬまでの時間が伸びてる事が原因です。
さらに癌の正体について述べたあと、話は癌検診に移ります。学術的なデータからは癌検診を行った方が致死率が高いという結果になります。これは、非転移性の悪性度の低い癌にすら抗癌剤や手術による治療が行われていてその副作用のため。
結論は現在の科学、医療では根拠のある余命を下すことは出来ないということ。著者が進めているのは老化げんしょうの一つと言える癌を受け入れ、生活の質を落とさないような治療を行うこととしています。
様々な論文からデータを持ってきていますが、最後に参考文献一覧などあればなというのが感想です。 -
あなたはガンです、余命3カ月。
と医者に言われたら、さてどうしましょう。
論旨はきわめて明解で、「早期発見(ガン検診・ワクチン接種)」、「余命3カ月」、「摘出手術」、「抗ガン剤」、そのどれにも「ウソ」が含まれているから気をつけろ、というのである。勘三郎さんはあんなにも早く、新歌舞伎座のこけら落としも見ぬ間に死ぬ必要はなかったのだ、と。
要するにいまの世の中は、國にだまされ、役所にムシられ、医者に殺されるということなんだろうなぁ。
話があまりにも快刀乱麻なので、反対意見も聞いてみたくなったが(なにを読んだらいいかわかんないけど)、内容は十分に納得できる。
少なくとも自分がガンと診断された時にどうするか、肚は座ったような気がする。 -
氏の本は初めて読んだんですけれども、とても読みやすかったですねぇ…! かといって内容が浅薄なものかと言えばそういうわけでもないし…とにかく良い本でしたね!
僕らは「死」を恐れます…とにかく怖いものとして! そして、日本人の三人に一人はがんで亡くなる、と言われている世の中においてやはり気になるのはその「痛み」でしょう…。
しかし、この本を読むとがんに対する認識はかなり変わってですね、がんを無理やりに追い払うために行う手術・抗がん剤とかが尋常ではない痛みを生んでいるわけですね!
というわけで、手術も抗がん剤も百害あって一利なし、です…。医療と関わらない生き方が何気に一番長生きできるかもしれませんねぇ…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
ガン治療に関する治療や余命の考え方を著者の経験から書いた本。余命を宣告され治療をしないと死ぬと言われると手術や抗がん剤治療に一縷の望みにかけたい気持ちもわかるが、ガンと共存するという方法も良い余生を過ごす方法かもしれない。
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余命宣告の多くはいい加減なもので、治療しない方が長生きしやすいという。その根拠と余命宣告の内訳を患者のケースを交え、がんを治さず苦痛緩和のみを勧める今までのがん認識を大きく覆した本。治療=悪という方程式にさえ納めてしまわなければ非常に面白い一冊で、がん治療の痛い、つらいを知らずに人生の最後を迎えられる可能性があるというのは漠然とした恐怖を大きく和らげるものだった。新書としてはかなり軽く読めるが、勘三郎さんをはじめ治療を嫌悪するような方向に書かれているのが気になり、鵜呑みにせず選択肢の1つとしておく。お勧め
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がん治療の現場に居ながら、がんを治療しない。という医師のスタンスには始めちょっと驚く。仙人張りの態度で患者を諭し安心させて、余命いくばくもないと分かった時から緩和治療だけを行う。そういう治療を受け入れられる患者はどんな人だろうか?よほど精神的に強く、余裕のある人でないとがんのストレスに勝てないのではないか?著者はこれまでに多くの現場経験をされてきたからこその結果として、そのような方法に辿り着いたのだと思う。また、その実績とデータだけではなく、患者の立場で考えた場合に今の医療技術や制度ががん患者に対して優しいものではない、という状況も理解できる。それならば、なぜがん治療技術の開発や医療現場に多額の資金が集まるのか?結局、人は間違った方向に進んでいるのではないか?ひょっとしたら、地球上の人間活動の全てそのものを、個々の人間単位に置換した結果が、がんなのではないか?シュールだけれどそんな風にさえ思える。本来、人の正常な細胞は秩序正しく機能する。ただしがん細胞は秩序を無視して暴走し、腫瘍となって正常な細胞の邪魔をする。人の細胞の再生力ががん細胞増殖力と同じなのだから、がん細胞が暴れ出したら同じだけ生命力を消耗していく、ということは、治療なんてないじゃないかと思った。人は間違いなく死に向かって生きている。余命意識がなくてもあっても結果は同じ。末期に及んで宣告されるのではなく、人は生まれた時に余命が分かれば、その行動は変わるのではないだろうか。
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かなりショッキングな内容でした。
がんに対する現代日本の一般的常識を覆すような考え方が示されています。今、自分の身近に“がん”がある訳ではないですが、気になって読んでみて良かったです。
著者は医師にも関わらず、次のように、現代の一般的がん治療のあり方を真っ向から否定しているのがスゴイです。それも、当然相応の根拠や信念があってのことです。
・「がんが恐ろしいのではない。『がんの治療』が恐ろしいのです。」
・「病院に歩いてみえた患者さんに、初診や、初診から間もなく『余命3ヵ月』と宣告するような医者は詐欺師です。」
・「治療をしなければ、もっともっと長く生きられたはずです。」
・「固形がんの最善の治療法は『無治療』。息苦しい、食べられない、痛いなどの症状が出てきたら病院に行って、苦痛をやわらげる緩和ケアをしてもらう。これだけ。とてもシンプルです。」
・「効かないだけなら、まだいい。どんな抗がん剤にも、強い毒性による拷問のような副作用、そして急死を含む縮命作用が伴います。」
手術、放射線治療、重粒子線治療など、様々な治療に対しても、長短を説明していますし、色んな患者のケースも紹介されているのも説得力を増している。
本書を読むと、現代日本のがん治療の考え方が、患者の方よりも医者の方を向いている気がする。早期発見・早期治療を喧伝するのも、患者のためという看板を掲げつつ、それを広めようとする裏には医学界・医療界など業界のためという意図があるのではと疑いたくなる。
もともと、私としては医者・医療を過信しない考え方でしたので、割とスッと入ってきた。しかし、一方で本書で書かれたことも一つの考え方と捉え、盲信すべきではないと思う。逆の考え方もしっかり学んだ上で、もしそうした選択を迫られた場合には判断する必要があるでしょう。
本書の終盤、「がん、老化と共生する生き方」という節が印象に残りました。
「老化に抵抗するなんて、川の流れに逆らうようなものです。」とありましたが、現代日本は豊かになり、長寿や健康、美などへの欲求は以前よりも高まったと思う。そうした中、医療や技術が過信され、様々な負の側面が見えにくくされてしまったように感じる。
著者プロフィール
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