日本人の9割が誤解している糖質制限 (ベスト新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584125120

作品紹介・あらすじ

専門医が緊急提言!10年前の治療法(糖質制限)に執着するのは損!糖質とは何か、どう付き合うべきかに答えを出す!

感想・レビュー・書評

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  • 一年に一度、会社から健康診断を受けるように言われていて、半日コースの人間ドックを受診しました。検査項目も多く待ち時間があるのですが、その合間に読んだ本がこの本でした。

    会社の同僚で、糖質制限をして、2か月間で、ものの見事に体重を20キロ近く減量させた人がいます。専門のトレーナーについて、筋トレもしながらやっていたので彼は問題ないと思いますが、この本に書いてあるように、糖質を制限しつづけていると、余分な脂肪を使い切った後は、筋肉を減らすようになって、結果的に健康を害するということが書かれています。

    糖分と言っても、良い糖分と悪い糖分があり、良い糖分である「ご飯」はゆっくり消化されるので、血糖値もあがりにくく体には良いということも書かれていました。

    また、メタボの基準の一つとなっているBMI値ですが、メタボであるとされる、BMI=25程度が一番、健康的で寿命が長いという調査結果があるというのは興味深い内容でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・糖質制限の効果は、やせること・血糖値をコントロールできること、の2点(p21)

    ・勤務医は入院患者の治療などの仕事が多く、外来を担当する時間が短い、専門医と比べてはるかに臨床体験が少ない(p31)

    ・2015年、フランス議会で、かねてより審議されていた「やせすぎモデル雇用禁止法」が可決された(p38)

    ・ハードな糖質制限を続けていると、脂肪の底がついて、筋肉をエネルギー源とせざるを得なくなる(p44)

    ・過剰摂取の問題を引き起こしやすいのが、単糖類・二糖類である、一気に血糖値があがり、インスリンが分泌して、すい臓を弱らせて糖尿病になりやすい(p51)

    ・多糖類も最終的にはブドウ糖に分解されるが、分解に時間がかかるので、食べてからの血糖値上昇やインスリン分泌は穏やか(p52)

    ・ブドウ糖が酸素と反応して、水と二酸化炭素、ATP(アデノシン三リン酸)ができる、ATPをエネルギー源にすることで、脳や筋肉細胞を動かしている(p53)

    ・ブドウ糖がグリコーゲンに替えられ、肝臓や筋肉の細胞に貯蔵される、このストックがあるので、山で遭難して何も食べられなくても生き延びることができる、ブドウ糖を脂肪に替えることで、倍以上のエネルギーを効率的にストックできる(p55)

    ・体重70キロの人は、約16万キロカロリー分のエネルギーを持っている、一日1500キロカロリー使うとして、107日、なので1か月くらいは悠遊と生き延びることが可能(p57)

    ・AGE(終末糖化産物)こそが、糖尿病合併症の真犯人、悪さをする人類最大の敵である、糖化とは、たんぱく質がブドウ糖と結びついて劣化する反応のこと。人口甘味料はAGEを増やす(p59、108)

    ・日本糖尿病学会に属している医者の多くは、カロリー制限が間違いと気づいているが、管理栄養士は「カロリー制限が必要」という教育を受けてきているので、見直すのは難しい(p69)

    ・毎日砂糖だけを摂取する実験をすることで、「人はカロリーによって太るのではなく、糖質とくに砂糖が悪玉」ということを示してくれた(p71)

    ・2016年3月、イギリスでは、砂糖を加えた清涼飲料水を製造しているメーカ、輸入業者に「砂糖税」を課すことを発表した(p72)

    ・甘い飲み物は、急激に血糖値をあげて、また同じことを繰り返す危険があるので避けるべき(p78)

    ・成人290万人について分析したところ、BMIが25-30の肥満度Ⅰ度の人が一番長生きであったことをが明らかになった(p84)

    ・45-64歳までは、男性はBMIを30以下、女性は25以下を目標にする。超えた時だけ、糖質制限を行って体重調整をする。糖尿病以外の検査(がん、心臓病、脳卒中)もしておく。お酒は気にせず飲んでよい、お酒は太らないし血糖値もあげない、ワインは良い(p87)

    ・砂糖の入ったお菓子を食べるよりは、ご飯をたべたほうが良い、どか食いよりも、「ちびちび食い」の方が血糖値が上がりにくい(p94、99)

    ・糖質制限は、2-3日単位で考える、守れない日は仕方がない(p103)

    ・果物は太りやすい、ブドウ糖が先に使われて、果糖は後回しにされて脂肪に替えられやすい、夜に果物は禁物、朝なら良い(p106)

    ・尿アルブミンが300を超える前に適切な治療を受けることが非常に大事になる(p130、188)

    ・網膜症では、昨日まで綺麗に見えていたのが、突然目の前に墨汁が流れたように真っ暗になる(p131)

    ・沖縄県はかつて男女ともに平均寿命ナンバーワンを誇っていたが、男性は2000年では26位にまで転落した、肥満が増えたことが原因(p158)

    ・受けるべき3つの検査は、胸部・腹部のCT、胃腸カメラ、脳MRI、である。(p163)

    ・ナトリウム1グラム=食塩2.5グラムである、コンビニ弁当の場合、ナトリウム表記である(p168)

    ・食品中のAGEは、調理方法で含有率が大きく変化する、高熱で調理するほど増える。生が一番少なく、茹でる→蒸す→焼く→揚げる、の順に増えていく(p173)

    ・素焼きナッツには、食物繊維、各種ビタミン、抗酸化物質が含まれるものが多く、少量で満足感が得られる(p177)

    ・チョコレートは、カカオ75%以上のものはお薦め、吹き出物が出るのは、カカオではなく、添加されている砂糖が原因(p177)

    ・私達の体には、60兆個の細胞があり、その全てを覆う膜の成分が脂質である、どんな脂質をとるかが非常に大事になる。一価不飽和脂肪酸と、多価不飽和脂肪酸のなかの「オメガ6」が良い、オリーブオイルや青魚(p178)

    ・お酒は良いが、つまみ(フライドポテト、ピザ、焼きおにぎり等の炭水化物)は気を付ける(p181)

    2016年6月11日作成

  • 糖質制限について,丁寧な説明,特に糖尿病での体重を減らすとかに重点が置かれている.
    AGE(終末糖化産物)が悪いことをするなど知識が増えた.

  •  この本は現代人に必読の書といえます。現代人には炭水化物についてのキチンとした知識が必要だからです。

  • 糖質制限は、まだまだ確実なテクニックではない。

  • 痩せすぎると認知症の恐れが高くなる。脳に栄養がいかない。

    脂肪はβ酸化でエネルギーを作り出す。

    糖化でつくられたAGEが老化の原因。

    あまくない砂糖の話 [DVD]

    何回にも分けて食べるほうがインスリンは一定。

    ワインを飲んだほうが痩せる。

    糖尿病は腎症、網膜症、神経障害の3つが怖い。腎臓の濾過膜にAGEが付くと炎症がおきる。
    血清クレアチニンより先に、尿アルブミンの数値が悪くなる。

    糖質をとっても血糖値が上がらない薬 SGLT2阻害剤。

    ブルーゾーン=長寿地区=イタリアのサルデーニャ島中部、日本の沖縄北部、アメリカのカリフォルニア州ロマリンダ、コスタリカのニコジャ半島。
    豆、ナッツ類、カカオ(チョコレート)を食べる。
    夜遅くに食事をしない=インスリン抵抗性を引き起こしやすい。
    腹八分目。
    ワインを1日2~4杯。
    朝起きるときに今日一日を生きる理由をはっきり口にできる。

  • 10年前の治療法が、間違っていると、、、、
    「糖質制限」で、体重低下、血糖値コントロールと、うたっているが、、、、実際は、間違いであると、、、作者は語っている。

    砂糖が最悪の物質であると、、、
    しかし、糖尿病より怖いのは、痩せすぎの方である。昔は、バターよrも植物性マーガリンが、良いとされていたのだが、、トランス脂肪酸は、心筋梗塞を弾き冒す物質ともいわれている。
    アイスクリームも安いものもそうである。

    この作者のように、色々心配しないで、あすに起きることなど憂慮せずに今日を楽しむことが1番と、考えて過ごすことが大事だと、最後に書かれていて、その通り、あれこれ、悩む前に、身体を動かし、本を読み、皆と、会話を楽しみながら、イライラしないで生活をするのが一番だと、思いながら読み終えた・

  • 糖質制限は糖尿病に有効だよ。
    でも無理はしちゃだめだよ(原理主義的な)。
    糖質というより、やっぱり「糖」を取りすぎるのは体にとって最悪だよ。
    血糖値コントロールも一つの指標だけど、
    トータルに健康管理していくことが、人生大切だよね。

    糖質制限批判本かと思いきや、しっかり糖質制限派。ダイエットというより糖尿病患者に重きを置いている印象。

  • 最近多い、糖質制限の本。本書はダイエット志向の方ではなく、糖尿病の人向け。糖質制限だけでは病気は改善しない。むしろ、血糖値は気にせず、腎臓や血管など他の部位の検査を毎年しっかりと受けることが重要と警告されています。

  • ■糖質の種類
    ①単糖類:ブドウ糖と果糖がこれに当たり血糖値とは,これらが血液中にどれだけあるかを示す。
    ②二糖類:単糖が二つ結合したもので代表的なのが砂糖。乳糖も二糖類。
    ③オリゴ糖類:単糖が3~10個程度結合したもの。
    ④多糖類:単糖が10個以上結合したもの。ご飯,パンの糖質は多糖類。
    ■簡単に単糖類に分類される構造のものの方が悪い。ご飯やパンは分解に時間がかかるから糖質の中ではよい方。特に過剰摂取の問題を引き起こしやすいのが摂取すると速やかに腸から吸収される単糖類と二糖類。一気に血糖値が上昇しインスリンが分泌されるため過剰に摂取すると膵臓を弱らせ糖尿病になりやすいという危険性があり中でも佐藤は単糖類であるブドウ糖と果糖が結合した形になっており最悪と言える。
    ■カロリーでは太らない。
    ■血中にブドウ糖が余っていると血糖値が上がりすぎないように膵臓からインスリンが出てブドウ糖は細胞内にしまい込まれる。
    ①最初はブドウ糖がグリコーゲンに替えられ肝臓や筋肉の細胞に貯蔵される
    ②グリコーゲンとしてストックできないほど余ってしまう場合,脂肪として体内に溜め込む
    ■ブドウ糖1グラム当たりのエネルギー量は約4キロカロリーで,脂肪1グラム当たりのは約9キロカロリー。脂肪の方がエネルギーを効率的にストックできる。
    ■AGE(Advanced Glycation End Products)とは「終末糖化産物」と訳され,糖尿病合併症の真犯人である。
    ・体にあらゆる悪さをする人類最大の敵
    ・血液中の過剰なブドウ糖がタンパク質と結合することによっても産出される
    ・AGEは全身を壊していく
    ・全身のありとあらゆる部位に悪さをし,特に,血管,腎臓,筋肉,コラーゲンなどに大きな害を与える
    ・糖質を取り過ぎれば余ったブドウ糖がタンパク質と結びついてそれを劣化させ血中AGEが高くなる
    ■ブドウ糖と酸素は生命維持に必須であるがこの二つが人間を老化させる。老化現象の主たるものが「酸化」と「糖化」。
    ・糖化はタンパク質がブドウ糖と結びついて劣化する反応
    ・糖質を取り過ぎることは全身の老化を進めるということ
    ■清涼飲料水の砂糖含有量
    ・ファンタグレープ(350ml):45.15g
    ・コカコーラ(350ml):38.50g(ティースプーンで約9杯半)
    ・スプライト(350ml):38.15g
    ・ポカリスエット(250ml):18.40g
    ・オロナミンC(120ml):16.00g
    ・ヤクルト(65ml):11.90g
    ■「糖質中毒」~負のスパイラルを繰りかえす
    ①朝目が覚めると体がすごくだるく砂糖が欲しくなる
    ②砂糖を取った瞬間脳が幸せを感じ,その後,45分間くらいハイになる。(エンドルフィンやドーパミンが分泌される状態)また,子供っぽくなる
    ③ところがまた体がだるくなり集中力が低下してイライラする
    ④砂糖が強烈に欲しくなる
    ■初期糖尿病や境界型糖尿病の人は食後血糖値が急上昇した後,インスリンが過剰に出て低血糖が起きる(反応性低血糖症)
    ■ロコモティブ症候群(運動器の障害)
    ■白米と玄米のどちらを食べても大差ない。
    ■果物は太りやすい。
    ■糖尿病の診断基準(どれかに一つでも該当していたら糖尿病)
    ・空腹時血糖値が126以上
    ・ブドウ糖負荷試験の2時間後血糖値が200以上
    ・血糖値が200以上
    ・ヘモグロビンAlcが6.5以上
    ■血糖値より尿アルブミン検査
    ・尿アルブミンが300までくると最短5年ほどで6000に達し,透析になる
    ■食品中のAGEは調理法により含有率が大きく変化し,高熱で調理すればするほど増える。
    ・生が一番少なく,茹でる,蒸す,焼く,揚げるの順に増える
    ■どんな脂質を取るかが非常に重要。
    ・「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」のなかの「オメガ6」の摂取が推奨される
    ・「オメガ3」に分類される油は動脈硬化を進める
    ・古い油を体に入れない(小さな瓶を早めに使い切る)

  • ☆受けるべきは3つの検査
    ・胸部と腹部のCT
    ・胃腸のカメラ
    ・脳のMRI

    〇?ジューサーよりミキサー
    池谷氏の本ではジューサーを勧めていた。どっちが正しいのか?繊維質が残るからミキサーを牧田氏は勧めている。

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著者プロフィール

牧田善二(まきた ぜんじ)
AGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。1979年、北海道大学医学部卒業。
ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、『The New England Journal of Medicine』『Science』『THE LANCET』等のトップジャーナルにAGEに関する論文を第一著者として発表。
1996年より北海道大学医学部講師。2000年より久留米大学医学部教授。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。
著書は『決定版 糖質オフの教科書』『老けない人はこれを食べている』(ともに新星出版社)、『医者が教える食事術 最強の教科書』『医者が教える食事術2 実践バイブル』(ともにダイヤモンド社)、『糖質中毒』(文藝春秋)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎)などベストセラー多数。

「2023年 『医療に殺されない 病院・医者の正しい選び方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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