アドラーに学ぶ よく生きるために働くということ (ベスト新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584125205

作品紹介・あらすじ

本書の第一章では、「なぜ働くのか」という根本的な問題を考え、第二章では、「働かない」「働けない」という事例をもとに、「働くことの意味」をどう見るかについて考察します。続く第三章では、職場での対人関係の問題を取り上げ、風通しがよくなるための具体的な方法を提案します。最後の第四章では、幸せになるためにはどんな働き方をすればいいかについて考えてみます。どの章においても、働くことの意味を職場で働くという狭義ではなく、活動、さらには生きることと同義で考察します。

感想・レビュー・書評

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  • アドラー心理学における第一人者、岸見一郎氏が働く意義について書いたものです。
    アドラーをはじめとする心理学者や哲学者の教え、そして著者の実体験を織り交ぜながら話は展開されています。
    仕事をする上で大切なのは、その仕事で自分が貢献できているという感覚を持てるかどうかにあります。勇気を持って臨む、すると勇気は伝染していくのだ。現状と向き合って行動することが大切なのである。
    また、人間関係を上下で捉えるのではなく、横並びで考えるところもポイントになっており、職場での人間関係を考えるうえで参考となる一冊。

  • 現在、働かないと人は経済的に暮らしていけないため、働くか働かないかという選択肢は事実上ない。したがって、なぜ働くのかということを考える意味はあろう。
    アドラーは、「誰かが靴を作るとき、自分を他者にとって有益なものにしている。公共に役立っているという感覚を得ることができ、そう感じられるときにだけ、劣等感を緩和できる」と述べている。すなわち、人は働くことで他者に貢献すれば貢献感を持つことができ、そのことで自分に価値があると思えるため、働くことは自分のためでもある。その意味で、自分から働くことに意味はあり、働くことは生きることと密接な関係にあると言えよう。
    自分が仕事をすることで共同体(職場)に役立っていると感じることは、自分に価値があると思うことになる。上司は部下に〇〇すべき、〇〇すべきでないという様々な主張がなされているが、そのことを踏まえれば、上司は部下が貢献感を持てるように援助することが大切なのである。この貢献感は、誰かから与えられるものではないので、部下に貢献感を持たせようとするのではなく、あくまで自発的に持てるように援助すべきである。
    一般に、仕事が楽しくないと考えられるのは、第一に、自分が取り組んでいる仕事の遂行に必要な知識・技術が十分に身についていないとき、第二に、その仕事に貢献感を持てないときである。自分には不向きと思うような仕事でも、その仕事を極めることで、自分の力に自信を持てるようになったり、貢献感を持つことができるようになったりする。一見、自分に向いていないような仕事であっても、全力を尽くすことで、自分に価値を生み出すことがある。したがって、まずは、目の前の仕事に前向きに全力で取り組むことが大切なのである。

    全体を通して著者は、働くことを通じて、貢献感を持つことの大切さを説いている。貢献感を持つことができれば、自分に価値があると思うことができ、価値があると思うことができれば、対人関係の中に入っていく勇気が持てるし、その分プライベートも豊かになるという流れである。
    確かに社会人として働いてみて、自分がその組織に役立っているという満足感が働くインセンティブになっているときもあるが、著者はその貢献感を絶対視しすぎているようにも感じられた(その意味で本書の内容は、理想論のようにも思われた)。
    また、儲かる仕事か好きな仕事かどちらかを選ぶという問いに、著者は当然、好きな仕事を選ぶべきであると主張している。しかし、仕事は、自分に合っているか合っていないかで決めるべきであり、その仕事の好き嫌いを気にしすぎない方が良かろう。好き嫌いだけではなく、自分の性格、能力、得意不得意に適合した仕事を選ぶべきではなかろうか。

  • 「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」を熟読し、岸見一郎先生の解釈によるアドラー心理学にとても興味を持った。岸見先生の本は、いろいろと読んでいきたいと思っている。まずはこの本を読んでみたが、これもとてもよかった。「仕事」がテーマ。生活するうえで、働くことは避けて通れないので、いろいろと有意義な内容だった。これからも、読み続けていくつもりだ。

  • 「貢献感」がキーワード。

    アドラー曰く、人生には「仕事の課題」「交友の課題」「愛の課題」の3つの課題がある。
    それぞれ独立して解決はできず、各々の課題を解決するには他の2つの課題も解決する必要がある。

    働くことで「貢献感」を得られれば、自分に価値を感じることができ、対人関係の中に入っていく勇気を持てるというロジック。

    以下、メモ書き。
    ・自分に価値があると思えない仕事に意味はない
    ・自分で仕事のあり方や職場の環境を変えていく
    ・「誰が」言ってるかでなはく「何を」言ってるかに注目する
    ・仕事が楽しいとは、仕事に習熟してこそ言えること
    ・周りの人間は敵ではない

  • ボディーブローと、寛大な抱擁を繰り返しされているようでした。
    目的論にしばられ言い訳をし、人間関係には常に上下関係を想像し、ストレートな発言をする人を蔑み、がんじがらめであることで逃げていた自分を直視するのはなかなか堪える体験でした。
    しかし体験を経験に変え、天職に気付きました。

    あと5分で命が尽きるとしたら、
    逆に時が無限なら。

    いま読めて良かったと思える本です。

    図書館で借り一読しましたが、購入します。

  • 仕事をする上で大切なのは、その仕事で自分が貢献できているという感覚を持てるかどうか。自分の思いがどこにあるのかによっても、この感覚は変わってくるのだと思う。勇気は伝染する、らしい。今と向き合って行動することが大事なんだな。

  • 働くとはどういうことなのか、改めて考え直してみたいと思い、読んでみました。一番共感したのは、働く=貢献感という話です。
    これに照らし合わせれば、家事や子育て、自宅介護もれっきとした仕事です。
    会社勤めだけが仕事ではないんですよね。
    アドラーの教えの重要なポイントととも言える、人間関係を上下で捉えるのではなく、横並びで考えるところも押さえられていて、仕事上の人間関係を考える上でも参考になります。

  • なんのために働くのか?働く意味とは?

    「リルケ」がキーワード

    怒りの感情とは?

    失敗を恐れるな、怒られてもいい。

    子供を褒めたり叱ったりしてはいけない理由を説明できますか?

  • 岸見さんの本は6冊目。
    自分を楽にしてくれるところと、向き合わなければならないもの。この2つの切り分けがクリアになっていく。

  • アドラーに興味を持ったので読んだ1冊。著者はアドラー心理学の第一人者。著者自身の人生、考え方を交えながら、働くこと、生きることについて書いた1冊。働くを考えるときに、働けなくなることも視野にいれ考察。仕事をする意味、他者との関係性。How to本のような明確なわかりやすさはないが、深くていろいろ考えさせられる言葉が多かった。アドラーや哲学について、他の本を読んでみようと思う。

    ⚪仕事の課題を、解決する最善の方法は交友の問題を解決することです。分業を可能にする。
    ⚪エーリッヒ·フロム
    愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮のないところに愛はない
    ⚪アドラー
    私は自分に価値があると思えるときにだけ勇気をてる
    すべての悩みは対人関係の悩みである
    ⚪仕事も、それに合わせて自分が受動的に入っていく場所ではありません。自分もまた仕事のあり方や職場の環境を変えていくことができますし、そうする責任があるわけです。会社という組織に自分を合わせなければならないわけではないのです。
    自分にしかできない仕事はないが、どんな仕事であれ、自分にしかできない仕方で取り組むことができます。
    ⚪精神科医 神谷美恵子
    愛に生きる人は、相手に感謝されようとされまいと、相手の生のために自分が必要とされていることを感じるときに、生きていくはりあいを強く感じる
    ⚪叱る上司の屈折した承認欲求
    叱るときに怒りの感情を介在させるのは、上司が理不尽な怒りを爆発させてでも、部下に承認されたいと思っているからなのです。部下を押さえつけることで自分が優位であることを誇りに思う。
    世の中に強制できないことは2つ。愛と尊敬
    ⚪いつも何が一番大切なのかを見極めることが必要です。君はお友達に会いたいの?それとも洋服を見せに行きたいの?
    ⚪母が病に倒れ、お金に加え名誉心すら意味がないと知ってしまいました、人生のレールから大きな音をたてて脱線したように思いました。生きることの意味は何か、幸福とは何かと考え抜いた結果、哲学の歴史ではなく哲学そのものを学ぼうと思いました。
    ⚪アドラー
    結婚はつまるところ人類のためになされる

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著者プロフィール

哲学者。1956年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、89年からアドラー心理学を研究。著書に『アドラー心理学入門』『アドラー 人生を生き抜く心理学』『NHK「100分de名著」ブックス アドラー 人生の意味の心理学』『今ここを生きる勇気』など、共著に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』など。

「2021年 『アドラー 性格を変える心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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