特権的情人美食 村上龍料理&官能小説集

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584130292

感想・レビュー・書評

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  • すごい料理は、時として、女の肌や、セックスを思い起こさせる。



    村上龍 料理&官能小説集。
    所謂ショートショート型短編集。
    ブロードウェイの娼婦のような骨付き仔牛のカツ、情欲にまみれたキスのような生牡蠣、濃厚なセックスのようなパスタのパエーリャ…

    すごい料理は、口の中で舌を犯し、食道から胃へ、そして脳髄を侵食する。
    情熱的で、官能的で、
    そんな料理から生まれる物語や、そんな料理に行き着く物語を集めている。

    村上龍の味覚やセックスの描写は的確だ。
    生々しく、それでいて嫌味なくその快感が伝わってくる。
    そういった、甘美な情景に「気軽に」浸りたいときにはこの本を手に取ろうと思う。


    ただ、読みごたえのある彼の作品が好きな私としては、
    この短編集を読むと妙な飢餓感に襲われる。

  • 図書館で借りた本

  • おいしそうでない。

  • 20080425読了!

    大人になると舌が変わるっていいます。
    じっさい、わたしはあれだけ苦手だったピーマンやししとうが今では大好物になったし。

    で、美食話だからこういう話をしているのではなくて、わたしはかつて、村上龍が苦手でした。
    苦手、というより嫌悪にちかかったかもしれない。
    若い時のけっぺきさゆえか、時折あまりにもグロい表現で性をあらわす部分がうけいれがたく。

    しかし、久々に手にとってみたところ、まあおどろくほどするすると文章が体のなかにはいってゆく。
    うん、この人の文章は、読み解く、というより体感する、っていうのがちかい。
    場所も時間も人種もちがえた物語たち。
    それぞれの主人公たちは、いろいろなところで美味しいものを味わい、ときにエロティックな瞬間を迎えたり。
    そうすると、食事の匂い土地の匂い、夜の匂いがわたしの中からたちのぼってきて、さながら自分が体験しているかのようにリアルにかんじる。

    侵食される、みたいな感じ・・・ああ、若い時はそういうのがいやだったんだなあ。
    自分を保てなそうで怖かったんだとおもう。
    いまはもう平気。だってたいそう、おとなだもの。


    この短編集は、装いが感じいい。一編ごとに紙の色が違う。黄色と白が交互に来る。
    それが、妙なトリップ感を生み出して、この物語たちのムードをたかめてる。

    再編だった、ということで龍ファンの人たちはちょっとだけ肩透かしをくらっているみたいですが、
    ほぼ手をつけてこなかったわたしとしては1,2話程度しか読んでなかったのでおっけ。

    このひとにかぎっては、長編はまだ避けておきたいところ。
    短編を集中的によんでみようか、という気になった。

    ていうか。なげーよw
    書評じゃなくてごめんなさい。

  • 料理&官能小説。と表紙にあり。そこまで官能ではなかったなあとの印象。やたらワインとパスタが食べたくなった。他のどんな、逆立ちしても一生食べられなさそうな料理よりも、ワインとパスタ。スッキリした白ワインとオイルたっぷりのパスタ。美食家の道は遠かれど、好きな人たちと笑いあいながら食事をする。それだけでもう充分官能的ですよね、龍さん。それに勝る贅沢な卓は、ないでしょ?まだ子どもだから、ここに描かれた事柄、少し理解しがたくもあったけれど。

  • 村上龍がこれまで発表した、料理にまつわる短編を編集し直した短編集。全部読んでいるはずなのに、読み終わるまでそのことに全く気がつかなかった。

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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