「最高のチーム」の作り方

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584137666

作品紹介・あらすじ

苦しむことには意味がある。日本一、二刀流、采配、大逆転…非常識を実現し、感動を呼び込む栗山イズム。栗山英樹が体感した二度とない1年。5年を経て考えた「監督とは何か」

感想・レビュー・書評

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  • 心に残った所メモ

    「批評家はいつも対岸を歩いている」
    批評は誰にでもできるが、どこまでいっても彼らは批評するだけだ。批評家になるな、いつも批評される側にいろ。

    「意見がぶつかることを恐れ、主張を取り下げることはチームにマイナス」
    優勝のためにという目的は同じだが、立場が違えば当然のことながら考え方や主張も少しづつ異なってくる。それを擦り合わせるために日々議論が行われ、ときには意見がぶつかることも出てくる。むしろ意見がぶつかり合うことを恐れ、みんなが簡単に自分の主張を取り下げるようになってしまったらチームにとってマイナスだ。現場でケンカが起こるということは、それだけ真剣に、必死になって考えているということ。

    「言葉にすることか逃げない」
    言葉では表現できないものってやっぱりあると思う。人の魂とか、そういう言葉にできない熱いものは必ずある。それを言葉にしようとすることで、自分が伝えようとしているものがだんだん軽くなってきているような感じがして、それが葛藤の原因になっていた。
    ただ、最後はやっぱり言葉にしてあげなければ相手にはわからない。伝わらないこともあるが、魂で感じていることをあえて言葉にするから余計にその魂が伝わるということもある。ただ、あえて黙るということの強さというのとあるから、ケースバイケースで言葉と向き合っていかなければならない。

    「監督っぽくなってはいけない」
    僕のようなタイプの人間が監督っぽくなってしまうと、他の人が考えないようなことができなくなってしまう。だんだん普通になってしまう。それじゃダメ。普通になってしまったら、能力のある監督にはかないっこない。

    「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」
    勝ちたいと思うのではなく、勝つためにやるべきことをやるから勝つ。

    指導者になるといことは、自分のことはどうでもいいから、人のために尽くしきれるかどうかということなのだ。自分にとってプラスがマイナスか、そういった考えがほんの少しでも浮かぶようではいけない。選手に何かを伝えようとする時、その意図は正しく伝わっているのか、ということはやはり気になる。だが、それを言った自分はどう思われているのか、ということを考え始めては、間違った方向に行きかねない。よく思われていようが悪く思われていようがどっちでもいい。大切なのは、相手のことを思って伝えるべきことを伝え、より正確に受け止めてもらうこと、その一点に尽きる。そのためにも、そこには「自分」を持ち込まないほうがいい。監督はチームの勝利が全て、選手が良くなったらそれがすべてなのだから。

  • 日本ハムはよく、最初に栗山さんに白羽の矢を立てたなぁ。
    2016年日本シリーズ第7戦見たかった………

  • リーダーとしてどうあるべきか。
    振る舞いや考え方など栗山監督は参考になる事が多い。
    組織論的なビジネス書を読んでから、実際にどう行動すべきなのかという部分で勉強になる。
    野球好きだから共感しやすかった。

  • 最大11.5ゲーム差をひっくり返して日本一に上り詰めたファイターズの監督が今シーズンを振り返る。シーズン〜クライマックスシリーズ〜日本シリーズの回顧,これまでの3冊の著書で自分の書いた言葉を振り返る,今シーズンを戦った主要選手に向けた言葉。野球に対する思い,選手にかける期待,それらを伝えるために言葉をどのように使うか。栗山監督はいつも考えている。

  • 20180531

  • ちょうど谷元選手がトレードに出されたタイミングで読みました。
    去年日本シリーズもCSも観てましたし、いいチームだな。と思っていました。今年は下位になってますが。
    ですが、そこはプロ。素人である私なんかが読んでも実際野球についてはよくわからない。
    だけれど、選手に対する監督の思いや接し方など一般の会社員にとっても部下との接し方等にも役に立つのではないかと思います。

  • 4冊目の栗山本。2016シーズンの回顧録。
    でも、その本編よりも過去の自身の著作を抜粋し、
    今ならこう考える、という自分との対話は面白い。
    当たり前だが過去の自分と今の自分では考え方も
    変わるし、変わって当然だ。そういう意味では
    監督・栗山英樹の変化や成長が見れる一冊とも言える。

    大事なのは、その選手らしさが出ているか、
    そして、チームが前進できているか。

  • 毎年、僕がオフシーズンに楽しみにしている一冊で、栗山監督が著した2016年シーズンの回顧録です。例年通り、シーズン中に起こった様々な気になるシーンの裏側や監督がその時にどう考えていたのかなど、詳らかに著されています。特に第4章では、栗山監督が大事にしているいくつかの事柄について、過去の栗山監督の著書の言葉と現在の考えと比較しているのですが、これは野球人ではない人にも通じるものがあり、感銘を受けました。最終章の個々の選手へ綴った想いも監督らしくて好感が持てました。

  • 栗山監督の今年一年を振り返る総括本。野球の結果からだけでは見えてこなかった裏側が垣間見える一冊となっている。

    本書はペナントレース、クライマックスシリーズ、日本シリーズと、その要所要所で何がありどう考えてきたかを直接言及している。また、それと同じく一試合一試合、そして選手一人一人に思い入れがあることも伝わってくる。

    とりわけ、最後の頂に立って見えてきたものがチームの課題や、自分が野球が好きでそのことを日本一になった後も考えているというのは面白かった。

    自分の判断は正しくないとしつつも、最後の最後は覚悟を決め勇気を持って決断していく姿は、これから先も変わることはないだろう。これまで積み重ねてきた経験を元に、どんな野球を今後見せてくれるか、これから先もその手腕に注目していきたいところである。

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著者プロフィール

1961年4月26日、東京都小平市生まれ。小平二中時代はバレーボールに熱中。その後、創価高校時代にかけ、野球でエースかつ主砲として活躍。東京学芸大学進学後、教職を目指して教員免許を取得。学芸大卒業後、入団テストを経てヤクルトスワローズに入団。1984年には1軍に昇格し、1989年に外野手としてゴールデングラブ賞を受賞。しかし、1990年のシーズンを最後に、怪我や病気のために引退を決意。引退後は野球解説者やスポーツジャーナリストとして活動する一方、白鴎大学の教授も務めた。2011年11月には北海道日本ハムファイターズの監督に就任し、監督1年目でパ・リーグ優勝。2016年には2度目のリーグ優勝と日本一を達成、正力松太郎賞を受賞した。2021年4月10日には球団監督歴代最多となる632勝を達成したが、2021年シーズンで日本ハムの監督を退任した。2021年12月からは野球日本代表監督に就任し、2023年には14年ぶりに日本をWBC優勝に導いた。

「2023年 『栗山英樹29歳 夢を追いかけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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