日本は誰と戦ったのか

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584138298

感想・レビュー・書評

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  • ソ連、コミンテルン、秘密工作員、ルーズベルト大統領、スターリン、ゾルゲ、オーウェンラティモア、ヤルタ会談、あたりがキーワード。アメリカの民主党政権ですらソ連の秘密工作員に牛耳られていたようだ。太平洋戦争の始まりはソ連の謀略ということか。

  • 中身はむしろ「日米は誰に戦わされたか」ではないか。

    昨今の例を見ても、民主国家は他国勢力によるプロパガンダに弱いということを自覚する必要がある。

  • ヤルタ会談のチャーチル、ルーズベルト、スターリンの3ショットは、正義である彼らがドイツと日本にほぼ勝利の状態を喜ばしく思っているように見えます。
    私はずっと、そう思っていました。
    日本はスターリンの影響を受けなくて良かったとも、つい最近まで思っていました。
    そんな私、この本を読むと驚くことだらけです。

    1995年、アメリカ政府が戦時中のソ連と在米スパイの秘密交信記録を傍受・解読した文書、
    いわゆる「ヴェノナ文書」の公開に踏み切りました。
    この情報公開を契機に、アメリカの保守派の間で「第二次世界大戦の責任は、ルーズベルト民主党政権とその背後で暗躍したソ連・コミンテルンにもあるのではないか」という問題意識が再浮上し、第二次世界大戦を再検証する本が相次いで出版されているそうです。

    もちろん評論家江崎道朗さんは「ソ連・コミンテルンの工作だけが日米戦争の要因だ」「日本は正しかった」ということを主張しているのではありません。
    これまでの日米戦争論は、ソ連・コミンテルンという要因や、秘密工作というインテリジェンスを意図的に排除しており、あまりにも視野が狭いのではないかと、疑問を投げかけているのです。

    安全保障、インテリジェンス、近現代史研究を専門とする江崎さんが、
    たくさんの資料をもとに、とってもわかりやすく解説してくださっています。
    大東亜戦争は何だったのでしょう?
    近現代史の見直しは始まったばかりです。

  • アメリカにはソ連の工作員多数いて、ソ連の為に日米戦争を仕掛けた!ルーズベルトは病気の進行もあり判断能力が殆どなく、政権中枢に食い込んだソ連工作員の操り人形と化していた!

    憲法九条があるから戦争しないで済んでいるという頭の中がお花畑の連中に一度読ませたい!

    スターリンは酷いことをしたが、その事自体よりも、これが現実の国際政治であることを認識すべきである!
    日本にとっては悪であるが、ソ連にとっては善であった。それだけのこと。

    このような現実を本来教科書にも載せて近代史を学ばせなければ、日本は、呆けた国に堕ちてしまう!
    特に若者にとって必読の書!

  • うーむ。

    かの戦争の背後で共産勢の動きがあったことは読んだことがあったが、ここまでとは。
    日本の脅威はもともとソ連だったわけで、それが南進に向かわされたと知ってはいたけども、そもそもアメリカも含んで、ここまでとは。

    アメリカではすでにそういう研究や見方も進んでいるのに、日本ではどうか。「戦勝国」に都合のいいレジュームに疑問を投げかけると、歴史修正などと叫ばれる。

    今の日本に某隣国や共産勢が根っこまで入り込んでいるのは判るけど、これじゃお隣とあんまり変わらない。

    いずれにしろ、検討すること、考えること自体を狂犬的に排除しようとする一群は胡散臭いとしか言えない。

    この流れの本をちょっと追いかけてみよう。

  • M・スタントン・エヴァンス/ハーバート・ロマ―スタイン著「Stalin's Secret Agents:The Subversion of Roosevelt's Government(スターリンの秘密工作員:ルーズベルト政権の破壊工作)」(Threshold Editions,2012,未邦訳)の紹介本。孫引きが多く、読者をミスリードさせる記述が多い。
    →「昭和史講義(1)、(2)」、「消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い」、「アレン・ダレス 原爆・天皇制・終戦をめぐる暗闘」参照

  • EM2a

  • 人類愛を説くキリスト教が最も人間を殺戮し、経済的合理性を追求した新自由主義が最も人間を貧困化させ、理想社会を説く共産主義が最も不幸な政治体制を作り上げる。

    共産主義者=コミンテルンとは何者なのか。答は単純で「特権階級になりたい者」ただそれだけである。「能力に応じて働き、必要に応じて取る」などと小学生でも気がつく誤った主張に「理想」の美名を被せ、「理想」であるがゆえに反論ができない性質を相手を論破するための根拠として悪用し、「誰も批判できない」地位に就いて王侯貴族でもなしえなかったやりたい放題をやる。人間として最低最悪の部類が集まった「絶対悪」。これこそが共産主義者の正体である。

    「絶対悪」だけあってコミンテルンはまさに「敵ながら天晴」と言うしかない周到さで、第二次世界大戦に「一人勝ち」した。アメリカ大統領史上最低の愚か者ルーズベルトを籠絡して日本を敗戦に追い込み、ドイツを破壊してヨーロッパの東半分を支配下に置き、支那を乗っ取って現在まで続く戦争の火種を残した成果を「アメリカの力を使って」実現した手腕は本当に恐れ入る。「悪事」に能力を全振りしたときの人間の能力はここまでの力を発揮できるものかと感心する。

    アメリカはマッカーシーのレッド・パージによって九死に一生を得て、破滅をかろうじて回避した。
    コミンテルンとの情報戦に敗れた日本は敗戦国となり、大義を失い、南鮮の汚泥を被ったことで伝統も美徳も発展も失われつつある。

    「ソ連の謀略が明らかになったところで、日本の汚名が晴れるわけではない。国際社会では騙された方が悪である」という単純だが冷酷な事実を国民一人一人が受け止め、これからの世代に誤った価値観を残さないように努めなければならない。

    歴史の真実云々の前に「理想」を掲げる輩をまずは疑い、「平和」「人権」「環境」といった美名を掲げながら内実の腐りきったマスゴミとサヨク・リベラルの駆除こそが我々が実践しなければならないことである。

  • 東京裁判史観 自国のことを非難するだけで他国の動向を見ようとしないという意味で辺境史観とよぶべきだと思っていた


    長谷川 毅 暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏

    ソ連の参戦は日本を降伏させるために必要だと誘導されていた トルーマン大統領の側近たちが無条件降伏にこだわっていたので想起終戦が実現しなかった

    ルーズベルトが作り出したニューディール連合連合という政治勢力による、言論の自由や学問の自由の圧殺と歴史の捻じ曲げ

    日米両国に共通する歴史観の欠陥 中国大陸をめぐる日米対立において大きな役割を果たしたもう一つの国、ソ連についてまったく触れていないということです

    日米それぞれの内部に入り込んで、お互いをいがみ合わせて、戦い合うように仕向けたソ連という存在に目を閉ざしたままでは、日米開戦に至る過程の全体像はけっしてみえてこないというのがエバンスの主張

    ソ連は極東の軍備を充実させることだけでなく、秘密工作を仕掛けることを考えていた。秘密工作とは、アメリカをつかって日本をたたき潰そうという戦略

    スターリン三方面の秘密工作
     対日工作 ゾルゲ機関により、対ソ警戒の北進論でなく、英米と対立する南進論に誘導
     対米工作 雪作戦 日米の和解を徹底的に妨害
     対中対米工作 日米交渉を妨害

    日米和平交渉を決裂へと追い込んだハル国務長官の対日政策の変更、この変更に決定的な影響を与えた蒋介石のメッセージを作成し、アメリカに送ってきたオーウェン・ラティモア

    IPR 太平洋問題調査会 始めは中立 1033 カーターが事務総長に就任すると急速に政治化 偏向

    ヤルタ密約 ソ連はドイツ降伏後、2,3ヶ月で対日参戦する約束 ドイツの降伏 1945/5/8 ソ連の対日宣戦布告が8/8

    ソ連が参戦するまで日本を降伏させなかった

    ヤルタ密約 ソ連にとって濡れ手に粟 一つの大国が別の大国に対して成し遂げた、最も驚くべき外交的勝利

    共産主義勢力の勝利は多くの場合、通常の軍隊が国境をこえて進軍してきたことによってではなく、標的となった国の内部にいる破壊分子によって達成された

    明確なことは、日本は早期停戦の望んでいたし、アメリカの軍の幹部たちも国務省の穏健な和平派も、早期停戦を懸命に模索していた
    ところが、その早期停戦をルーズベルト政権内部にいて懸命に妨害していたのが、ウィークジャパン派、過酷な和平派といわれるオーウェン・ラティモアらであった。彼らは、無条件降伏、皇室維持を認めないという対日強硬案を提示することで、早期停戦を潰し、結果的にソ連は対日参戦に踏み切り、満州や千島列島がヤルタ密約の通りソ連の支配下に落ちることになった

    国際政治の世界では騙されたほうが悪いのです。そして先の大戦で日本はインテリジェンスの戦いで敗北したのです。自戒をこめて申し上げるのですが、その痛苦な反省の基づいて必死に学ぼうとすることが、日本にインテリジェンスの戦いの勝利をもたらすことになるのです。

  • ルーズベルトぐらい評価が分かれる人はいないという事か・・・初めて知ったことばかりでクールダウンしなきゃ興奮が収まらない

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著者プロフィール

江崎道朗(えざき みちお)
評論家・情報史学研究家、麗澤大学客員教授。1962(昭和37)年東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務めたのち、現職。安全保障、インテリジェンス、近現代史などに幅広い知見を有する。2019年第20回正論新風賞受賞。オンラインサロン「江崎塾」主宰。
著書に、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』(以上PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ、第1回アパ日本再興大賞受賞)、編訳書に『米国共産党調書』(育鵬社)など多数。

「2023年 『ルーズヴェルト政権の米国を蝕んだソ連のスパイ工作-ー「米国共産党調書」を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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