全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】

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  • / ISBN・EAN: 9784584139066

作品紹介・あらすじ

経済学者・官僚がこっそり読んだ『奇跡の経済教室』待望の第2弾。政治家に読ませたい本№1!世界で起きている変化、日本がとるべき戦略が面白いほど見えてくる!全米騒然・日本上陸のMMT(現代貨幣理論)がよく分かる特別付録つき

第1章 基礎知識のまとめ
日本経済の長期停滞
「合成の誤謬」
デフレ対策とインフレ対策
貨幣についての正しい理解(現代貨幣理論)
財政に関する正しい理解(機能的財政論)
財政赤字は削減できるか
グローバリゼーションの真実
主流派経済学の非現実性

第2章 二つの成長戦略
「アメ型」成長戦略
制約こそが成長の源泉
「ムチ型」成長戦略
「ムチ型」では成長できない

第3章 「ムチ型」成長戦略の帰結
アメリカの「ムチ型」成長戦略
日本の「ムチ型」成長戦略
「女性の活躍」「人生百年時代」そして「外国人材」
平成の改革の評価

第4章 富を増やす二つのやり方
デフレで得をする人々
「ポジティブ・サム」と「ゼロ・サム」
規制緩和の虚実

第5章 レント・シーキング活動
失敗に終わったPFI
沼のワニ
ルサンチマン
既得権益
アメリカの金融業界によるレント・シーキング活動
レント・シーキング活動の疑い
日本人であることも既得権益

第6章 大失敗した行政改革
なぜ行政はレント・シーキング活動を放置しているのか
官僚主導という誤解
調整型官僚と族議員
「改革派」官僚の登場
「改革派」官僚が考えた内閣人事局
レント・シーキング活動と行政改革

第7章 諸悪の根源
税制とレント・シーキング活動
財政健全化が招くレント・シーキング活動
財政健全化から移民政策へ

第8章 エリートたちの勘違い
元大物次官の述懐
自己実現的予言
国民の品格?
財政を精神論で語ることの危険性
財政赤字と民主政治
民主政治とインフレ
財政規律?
エリート意識の倒錯

第9章 なぜエリートたちは考え方を変えられないのか
認識共同体
財務省の認識共同体
グローバルな認識共同体
回転ドアと認識共同体
留学と認識共同体
排除の論理

第10章 なぜ保守派は、新自由主義が好きなのか
保守派と新自由主義
インフレ=民主主義の過剰
平成の保守派

第11章 なぜリベラル派は嫌われるのか
リベラル派の変質
不毛な選択肢
枝野幸男氏の大演説

第12章 世界を読み解く新たな座標軸
イデオロギーの四元構造
トランプ大統領の登場
英仏の混乱
ポピュリズム

第13章 滅びゆく民主主義
グローバル化と民主政治
EUは反民主的な制度
国際条約と民主政治

第14章 歴史の大問題
経路依存性
イデオロギーの経路依存性

特別付録
①よくわかるMMT(現代貨幣理論)入門
②MMTは、インフレを制御不能にする?
③MMTが受け入れられない心理学的な理由
④MMTと認識共同体
⑤MMTと民主政治

感想・レビュー・書評

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  • 【政治・経済】
    よく政治経済といいますから経済と政治は密接に絡んでいるということです。

    しかし、われわれ賃金労働者は無知であるが故にいいように扱われています。

    資本家の論法は、
    景気がよくないから賃金を上げることができない。
    会社が潰れたら給料を払えなくなる。それは困るでしょ。
    だったら会社を存続させるために、少しの減給は我慢できるはず。

    このような論法になっています。

    ー デフレ ー
    デフレとはお金の価値が上がる状態です。
    お金を持っている富裕層、資本家、企業はデフレでそれほど困ることはありません。しかも、コストとなる労働者の賃金は抑えることができます。
    発言権を持つ人がデフレで困っていないのであればデフレは続くことになります。
    お金を持たない労働者はますます貧困な状態に追い込まれることになります。

    ー 不換紙幣 ー
    不換紙幣の仕組みは理解しておくべきですね。
    常識を覆すものです。
    まだ、ふぁっとした感じでしか理解できていません。
    勉強します!


    『奇跡の経済教室』是非読むべき本です。

  • 政策が間違ってるから財政赤字が改善しないとせず、国民の努力が不足してるからとか国民の品格が落ちたからと精神論にすり替えて論じてる感じが戦時中みたいだなと感じた。著者の理論が正しいとしても、私達国民に出来ることってあるのかな。

  • 財政赤字は、同額の民間貯蓄を生み出す。
    自由貿易が経済成長を生み出すということは自明ではない。

    新自由主義経済学は、DSGEモデル(動学的確率的一般均衡モデル)に寄っている。これはセイの法則を前提としている。

    政府が国債を発行するのは、金利を調整するため。

    賃金主導型成長戦略と利潤主導型成長戦略。
    労働組合が強いという制約が、イノベーションを生む。
    単に工場移転やリストラ、自社株買いで利益を生み出そうとしない。
    株主に還元されるだけで、トリクルダウンは起こらない。
    ゼロサムとプラスサム社会の違い。

    デフレ時は、レントシーキングが盛んになる。他人の利益を収奪する。

    強すぎる官僚から、弱すぎる官僚に大変化した。
    調整型官僚から吏員型官僚=改革派と呼ばれる人たち=新自由主義の認識共同体。

    MMTでは、就業補償プログラムも提言している。
    むしろ問題は、財政支出を拡大してもインフレにならないこと。
    MMTを受け入れられない心理学的な理由=センメルヴェイス反射=医師のセンメルヴェイスの名前から、少数意見を拒否することを言う。脳が多数派に同調し、知覚にすら働きかけて少数派の意見を拒否する。

    P253


    思想決定説と政治決定説。
    租税とは、国民経済を調整するために必要なもの。財源確保の手段ではない。

    賃金主導型と利潤主導型の成長戦略。
    賃金主導型は、インフレ型。労働組合が強く賃金が上昇するので、技術革新が進む。
    利潤主導型は、デフレ型。グローバル化によって賃金を抑えて利益を出す。新技術は、おカネを出して買う。
    女性労働力の活用、人生100年時代、移民政策は、賃金を抑える手段になる。

    新自由主義的改革は、アメリカでも景気改善効果はない。
    単に規制緩和や民営化するだけでは、ゼロサムなので成長はない。ゼロサムなのにルールが変わるのは、利益誘導団体がいるから。
    PFIは公共サービスを効率化するとは限らない。民間のほうが資金コストが高い、独占は変わらないので効率化するか、いったん受注すれば固定化しがちなのが、公共サービスの特徴、不正を監視するのは、公共部門にコストがかかる。

    ルサンチマンを利用したレントシーカーの活動。既得権益に対するルサンチマンを利用して、自分に利益誘導する。
    新たに登場した改革派官僚は、新自由主義的改革に陥りやすい。

    戦後の先進国で、財政赤字の拡大でハイパーインフレになった国はない。インフレになるのは、資産バブルだけ。1980年代の日本、2000年前半のアメリカの例。
    むしろ財政赤字を拡大させただけでは、インフレは起きないかもしれない。

    ローマ―が主流派経済学を批判した。過剰な自信、一枚岩の共同体、グループの一体感、がある。これが新自由主義として結実して、他の意見を聞かない。

    赤字、債務、という言葉に対する嫌悪感、抵抗感が、MMTを認めさせない。
    センメルヴィス反射=通説にそぐわない見解を拒否する傾向。
    MMTによれば、消費税増税は最悪の手段である。
    リカーディアン均衡にはまっている日本には、中央銀行が赤字を補填するというコミットメントが必要。

    本来、保守主義と新自由主義は相いれないもの。
    保守主義では、民主主義が行き過ぎると社会秩序が崩壊する、と考えるのが本筋。
    民主主義にするとインフレがとまらなくなる、これと結びついて、新自由主義と保守主義が結びついた。
    反対に、リベラル派は、大きな政府を唱えるべき。しかし自ら新自由主義に傾いていった。

    社会主義の崩壊により、階級から個人の解放へ軸足が移った。その結果、国家や社会の制約から解放することが目的となり、小さな政府、規制緩和に反対しなくなった。ビルクリントン政権は、リベラル派だがグローバル化を推し進めた。トニーブレア政権も労働党伝統の政策ではなく、新自由主義を取り入れた。日本の民主党政権も、政府支出の抑制を掲げた。女性の活躍、マイノリティの活躍を応援するだけで、構造的問題は、新自由主義そのもの。

    その結果、リベラル派は、進歩的新自由主義、保守派は、保守的新自由主義、といえる。
    小泉政権のころ、財政再建派と、上げ潮派があった。どちらも財政赤字を削減しようとしている点で同じ。

    女性の活躍、移民政策などは、新自由主義的政策だが、リベラル派も個人のアイデンティティを守る立場から、賛成している。これでは賃金は上がらない。

    イデオロギーの4元構造=保守とリベラル、グローバルと反グローバル。

    ポピュリズムの正体は、怒り、ルサンチマンによるもの。
    財政健全化、グローバル化、自由貿易、規制緩和で成長、などはフェイクニュース、それを信じている層への不信感から、ポピュリズムの政治家を支持するようになった。専門家や権威ある機関への信頼がない。
    ポピュリズムはフェイクニュースに踊らされる、新自由主義がフェイクだったら、その種をまいたのは新自由主義者。

    グローバル化、国民国家、民主政治、の3つはトレレンマ状態。
    憲法は民主政治から基本的人権を守るもの、これが立憲主義の基本。

    主流派経済学では、不換紙幣がなぜ流通しているか説明できない。インフレに対する恐怖症がある。MMTでは、税金の支払いのため、との説明。
    財政民主主義により、民主政治に徴税権があるはず。しかし民主主義は信頼が置けないので、中央銀行が通貨を管理すべき、と考える。主流派経済学は、反民主主義的で、エリート主義的。

    正しい貨幣論からは、経済政策を民主化すべきとなるが、完全ではないゆえに賢明な判断ができるかはわからない。

    経路依存性=一度決まったことは変更しにくい。
    タイプライター、軽水炉、労働者派遣事業、移民政策、デフレもその可能性がある。
    イギリスのEU離脱が難しいこともこれで説明できる。
    財政健全化路線、グローバル化も同じ。
    グローバル化は、民主政治とは相いれない。民主政治の破壊に至る。自分のことは自分で決めることができず、世界と歩調を合わせる必要がある。

  • 【星:4.0】
    前作の「基礎知識編」ほどのインパクトはなかった。
    また、本書もMMT理論全面推しなのかと思ったが、そうでもない感じである。

    言っていることは一貫していて、財政赤字が増えても日本は通貨発行権を持っているので、自国国債でのデフォルトはない。このデフレ時代には緊縮財政ではなく積極財政でといった論調である。

    ただ、この本の面白いところは、経済の話を中心に据えつつ、経済の観点から国際情勢、政治情勢など幅広い内容となっているとことだと思う。

    そして、視点の中心をMMT理論という新しい経済学に置いているので、色々な物事に対するこれまでとは異なる見方を見につけられた気がする。

    ただ、このMMMT理論が正しいかどうかは、また別の話である。

  • 成長戦略にはアメ型(賃金主導型、労働者への賃金の上昇をアメにし、国民経済全体を上昇させようとすること)と、ムチ型(利潤主導型、解雇や賃下げによる労働者への人件費抑制、企業の利潤を上昇させて経済を回そうとすること)がある
    アメ型はインフレ気味になる
    ムチ型はデフレ気味になる(成長できない)

    定年延長・女性進出・移民受け入れが、賃金を低く止まらせる
    規制緩和、自由化、民営化によって、個人や企業は政府の規制や介入から自由になれるが。。。(注意)

    PFI...政府や地方自治体が行ってきた公共サービスを民間事業者に委託する→非効率
    ①民間企業が長期にわたりサービスを行う際の資金調達は、公共部門が借りるよりも高くなるため
    ②公共サービスを受注した企業は、事業を独占するため
    ③不正や汚職を防ぐための監視のコストがかかるため

    レント・シーキング活動→自分の利益を増やすため、ルールや政策の変更を行うよう、行政にはたらきかけること
    既得権益の撤廃をめざして新しいプロジェクトを始めるが、そこがすでにズブズブ

    日本は官僚主導ではない、与党審査が表すように、政党の意向を忖度した法案づくりをしている
    調整型官僚から吏員型官僚への変換、調整に重きを置かず、言われたことを迅速に意思決定できればいい官僚の登場→改革派の出現
    内閣人事局にすべてを抑えられた官僚には、官邸と結びついたレント・シーキング活動に対抗できない

    人手不足→労働力を根本から増やすための少子化対策とインフレ誘導に舵を切れ(移民を受け入れると、賃金が下がりデフレが進む)

    保守派(右派、国家主義)は、インフレを過剰な民主主義のせいと位置づけ、民主主義に対する慎重な態度を示してきた→市場主義の新自由主義へとなった
    リベラル派(左派、反国家主義)は、経済社会を階級闘争として考えるのを辞め、アイデンティティ(女性、LGBTの解放)を重視し始めた→集団から個人を解放する理想を
    かかげる→新自由主義へと歩み寄った
    平成の政治は、保守的新自由主義と進歩的新自由主義の内ゲバ
    ポピュリズム(人気取り政党)の台頭は、既存エリートへの不信感から来るもの

    国際条約は、グローバル化と引き換えに各国の民主政治に縛りを入れる→非人道兵器の撤廃などはよいが、ムチ型成長戦略のために使うべきではない

  • 高い知性と勇気とユーモアを併せ持つ中野剛志さんの本を全て読破するつもりでいます。

  • ゼロサムになってないか考える

    レントシーキング活動をしてないかチェックする

    MMTが日本のデフレから脱却に繋がるかもしれない

  • ものすごい!MMT(現代貨幣理論)に立脚しながらなぜそれが受け入れらないのかを、合成の誤謬、認識の共同体、予言の自己実現、経路依存性等の概念で読み解く。ここまで言えるにはかなりの自信が必要だし、単に経歴だけでなく相当の研鑽があればこそ。

  • 感想や読書メモが残してなかったため、再読。
    基本編に引き続きとても分かりやすい文章で、MMTや新自由主義、インフレとデフレ、レントシーキングなどについて、「アメ型成長戦略」「ムチ型成長戦略」を軸に書かれている。
    ただ、筆者の思想というか特定の人への批判が強いので盲目的になるのもなあといった印象を受けた。
    そこを差し引いても、新たな視点をわりと容易に得られるのでおすすめ。

  • 信州大学職員の皆さんにおすすめの本を掲載しています。

    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB28556082

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著者プロフィール

中野剛志(なかの・たけし)
一九七一年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。九六年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。二〇〇〇年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。〇一年に同大学院にて優等修士号、〇五年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(ベストセラーズ)など多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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