僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話

著者 :
  • ベストセラーズ
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584139370

作品紹介・あらすじ

NHKのアナウンサーとして順風にキャリアを重ね、東京勤務になってからは夕方5時の帯ニュース番組を担当し、「さあこれからだ!」という矢先に違法薬物で逮捕。さらに違法という自覚も無く、自分自身で製造まで行っていたという。そんな氏が、そもそもなんで薬物に手を出したのか、依存するようになったのか。後悔と懺悔の独白および、底からのリカバリーなど、自身の経験をこと細かに独記し、薬物使用に対する警鐘本とする。

感想・レビュー・書評

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  • NHKのアナウンサーが薬物で捕まったというニュースはぼんやりと覚えていたが、顔も名前もよく知らない人だった。その塚本堅一さんが自身の経験を吐露しているのが本書なのだが、この本を手に取ったきっかけは毎日新聞の一面にドンと載った記事だった。なんとも普通な容貌の男性で、この人が薬物で捕まったとは思えないが…と記事を読んでいくと、自分をさらけ出し前に進もうとしていることが伝わってきた。さらに彼のことを知りたくなった。
    塚本さんはラッシュと呼ばれる近年危険ドラッグに分類されることになった薬物をたまの褒美に使っていたという。怪しげなサイトと思いつつも合法をうたっていることから手を出してしまい、結果的に逮捕されNHKを解雇される。逮捕から勾留期間の様子はとても具体的で興味深く、元アナウンサーの菊間千乃弁護士との出会いは勾留生活の原動力になったらしい。
    本書で何度も繰り返しているが、彼自身や医者も依存症ではないと言っている通り、読んでいてもそう感じる。そもそも逮捕に繋がったラッシュは「効果」もほとんどなかったそうだ。
    その後、彼自身は依存症でないものの、テレビでもたまに見かける松本俊彦医師の薦めで依存症回復施設へ通うことになる。依存症ではないのに…という葛藤や依存者への偏見を捨てきれないが、自助グループで自分をさらけ出していくことで塚本さん自身も救われていく。
    薬物報道ガイドラインでは注射器の映像を使わないなど定められているらしいが、現実に依存者がそうした映像でスイッチが入ってしまい再度手を出すことがあるのだという。塚本さんの逮捕時もラッシュとは全く関係のない注射器の映像が流れたらしい。
    依存症だとか違法薬物だとかということは他人事だと思っていたが、依存するモノが合法というだけで、飲み続ければ確実に身体を蝕む酒を止められないのだから、本書に書かれている話は決して他人事ではない。
    違法薬物に手を出して一発アウトという社会にあって「復帰」がこんなにも大変なのかと思ったし、厳しくするだけで更生する機会を与えないのは負の連鎖でしかない。
    そうした社会を少しでも変えたいと本書で全てをさらけ出した塚本さんには拍手を送りたい。

  • 人に話すことで救われるというエピソード、印象深い。同じ境遇の人にしか話せないということは確かにあるなと思った。

  • 内容は題名のその後について。
    NHKのアナウンサーだった人だから言葉や表現を大事にしているんじゃないか。
    何度も逡巡して推敲して書かれた本なんじゃないかと感じて大事に読んだ。
    人当たりがソフトで美意識が高くて素敵な人なんだろうなとちょっとうっとりしながら読み進めた。

    選ばれた企業、職業。プライドと向き合うのは大変だっただろうなあ。
    向き合ったからこそ今の素敵な塚本さんがいるんだろうなあ。

    ラスト1ページで涙が。NHKを辞めた後でも、夢だった仕事をやり続けている人生について想いを馳せて書かれている。
    喪失感でしんどかっただろうなあと失われた「あったはずの人生」を思って悲しくなった。応援しています。

  • NHKアナウンサーが違法薬物で逮捕された事件は大きなニュースになったことは覚えています。

    その当人である著者が逮捕されてから現在に至るまでを語った本。

    マスコミや世の中からの視点と本人から見た視点では起きた出来事が全く違って見えます。

    違法薬物そのものよりも、それを取り巻く社会環境の問題の方が強く感じた。

    人間はよく知らないことはなんとなくのイメージで理解してします。

    そしてそのなんとなくのイメージの大半はマスメディアによって作られている。

    色々と考えさせられる内容でした。

  • ラッシュと呼ばれる違法薬物の使用で逮捕された元NHKアナウンサーの手記。
    素直に率直に伝えてくれる文章で読みやすい。

    薬物をめぐる現状だったり、著者は依存症ではないけれど薬物依存のピアカウンセリング(互助会)に参加しての気づきだったり、アディクションを刺激してしまう報道の問題だったり、
    興味がないと知らないまま過ごしてしまう(でも知るべきこと)がとっつきやすい語り口で書いてある。

    ただ知識になるだけじゃなくて、当事者としての心情も書かれているそのバランスがちょうどいい。

  •  
    ── 塚本 堅一《僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話 20190826 ベストセラーズ》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4584139377
     
    …… 突然押しかけてきた黒スーツの集団。その日の朝がやってきました。
     Tsukamoto, Ken'ichi 19780301 千葉 /元NHKアナウンサー
    /20160111 危険ドラックの所持の疑いで逮捕。0129 再逮捕/懲戒免職
    https://mikarin1215.com/anaunsa/4396/
     
    …… 明治大学文学部卒業。2003年、NHK入局。京都や金沢、沖縄勤務
    を経て2015年に東京アナウンス室に配属。現在は依存症の自助グループ
    に参加しつつ、依存症予防教育アドバイザーとして、依存症関連イベント
    にて司会や講演活動を行っている。
    http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/nhk%e3%82%a2%e3%83%8a%ef%bd%a2%e9%81%95%e6%b3%95%e8%96%ac%e7%89%a9%e6%89%80%e6%8c%81%e3%81%ae%e7%96%91%e3%81%84%ef%bd%a3%e3%81%a7%e3%82%ac%e3%82%b5%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%81%ae%e6%9c%9d/ar-AAIfFrt?ocid=iehp#page=2
     
    (20191004)
     

  • NHKのアナウンサーが、違法という自覚も無く、違法薬物で逮捕された話。

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著者プロフィール

元NHKアナウンサー。明治大学卒業後、2003年にNHKに入局。京都や金沢、沖縄勤務を経て2015年に東京アナウンス室に配属。月~金の夕方5時の帯番組『ニュースシブ5時』のリポーターを担当し、全国5時台の顔になる。2016年1月に液体状の危険ドラッグ「ラッシュ」の所持・製造で逮捕され、翌2月に懲戒免職となった。略式起訴~釈放後は“社会的制裁”からうつ病になり、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦医師の勧めで、依存症からの回復施設「RDデイケアセンター」に通所。現在は自助グループに参加しつつ、依存症予防教育アドバイザーとして各種NPO主催の依存症関連イベントにて司会や講演活動を行っている。

「2019年 『僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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