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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784584139370
作品紹介・あらすじ
NHKのアナウンサーとして順風にキャリアを重ね、東京勤務になってからは夕方5時の帯ニュース番組を担当し、「さあこれからだ!」という矢先に違法薬物で逮捕。さらに違法という自覚も無く、自分自身で製造まで行っていたという。そんな氏が、そもそもなんで薬物に手を出したのか。後悔と懺悔の日々から人前に出るのが怖くなり、うつ病を発症。そして、自分の罪と真摯に向き合いリカバリーするまでを、こと細かに独記。重くなりがちな内容ではあるけれど、誰でもが簡単に読めるよう、ご自身の言葉でなるべくライトに書いて頂いた。
第1章 逮捕前日
何も知らずに温泉へ/ずっとマークされていた
第2章 湾岸署勾留30日間
あのマトリがガサ入れに!/あの液体はクロだった/勾留生活はじまる/マスコミが押し寄せた送検/ようやく弁護士とつながる/テレビで見た菊間弁護士が!/マトリの取り調べと再逮捕/気が重い面会室/留置場での暮らし/雑居房に救われた/罰金50万円!勾留生活が終わる/シャバの空気は……
第3章 NHK懲戒解雇
13年のアナウンサー生活が終わる/離れていく人もいれば……/引越し! 姉と同居へ/明るくない新生活が始まる/ヨーロッパへ逃げる
第4章 進行するうつ病
菊間弁護士との再会/逮捕から丸一年、台湾に逃げる/偶然見つけた記事/自分一人じゃ解決できなかった/ようやく言えた「助けて」/“ギャン妻”田中紀子さんとの出会い/初めての精神科/依存症の回復施設を勧められ
第5章 依存症回復施設通院
依存症の回復施設ってどんなところ?/ここは私の居場所なのか?/共感が私を変えた/毎日自助グループに通う/ガイドラインは本当だった/人生の棚卸しをしよう/還る場所ができた
第6章 どん底からの立て直し
私にどんな仕事ができるのか/不安だらけの2年ぶりの司会/サプライズは大成功/楽しむことを忘れていた/ラッシュ裁判で裁判を!?/恐れていたゲイコミュニティからの反発/本当はどうなの?ラッシュの現状/私なんかが学校で教えていいのか/ライフスキルが大切な依存症予防教育
第7章 違法薬物と報道
薬物事件を起こしたものとして伝えたいこと/地の底に差し伸べられる手を/やめ続けている人の邪魔はしないで
特別対談
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
薬物依存症センターセンター長
松本俊彦×塚本堅一
薬物依存のレッテルから社会的に回復できる世の中に
あとがき
感想・レビュー・書評
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NHKのアナウンサーが薬物で捕まったというニュースはぼんやりと覚えていたが、顔も名前もよく知らない人だった。その塚本堅一さんが自身の経験を吐露しているのが本書なのだが、この本を手に取ったきっかけは毎日新聞の一面にドンと載った記事だった。なんとも普通な容貌の男性で、この人が薬物で捕まったとは思えないが…と記事を読んでいくと、自分をさらけ出し前に進もうとしていることが伝わってきた。さらに彼のことを知りたくなった。
塚本さんはラッシュと呼ばれる近年危険ドラッグに分類されることになった薬物をたまの褒美に使っていたという。怪しげなサイトと思いつつも合法をうたっていることから手を出してしまい、結果的に逮捕されNHKを解雇される。逮捕から勾留期間の様子はとても具体的で興味深く、元アナウンサーの菊間千乃弁護士との出会いは勾留生活の原動力になったらしい。
本書で何度も繰り返しているが、彼自身や医者も依存症ではないと言っている通り、読んでいてもそう感じる。そもそも逮捕に繋がったラッシュは「効果」もほとんどなかったそうだ。
その後、彼自身は依存症でないものの、テレビでもたまに見かける松本俊彦医師の薦めで依存症回復施設へ通うことになる。依存症ではないのに…という葛藤や依存者への偏見を捨てきれないが、自助グループで自分をさらけ出していくことで塚本さん自身も救われていく。
薬物報道ガイドラインでは注射器の映像を使わないなど定められているらしいが、現実に依存者がそうした映像でスイッチが入ってしまい再度手を出すことがあるのだという。塚本さんの逮捕時もラッシュとは全く関係のない注射器の映像が流れたらしい。
依存症だとか違法薬物だとかということは他人事だと思っていたが、依存するモノが合法というだけで、飲み続ければ確実に身体を蝕む酒を止められないのだから、本書に書かれている話は決して他人事ではない。
違法薬物に手を出して一発アウトという社会にあって「復帰」がこんなにも大変なのかと思ったし、厳しくするだけで更生する機会を与えないのは負の連鎖でしかない。
そうした社会を少しでも変えたいと本書で全てをさらけ出した塚本さんには拍手を送りたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人に話すことで救われるというエピソード、印象深い。同じ境遇の人にしか話せないということは確かにあるなと思った。
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NHKアナウンサーが違法薬物で逮捕された事件は大きなニュースになったことは覚えています。
その当人である著者が逮捕されてから現在に至るまでを語った本。
マスコミや世の中からの視点と本人から見た視点では起きた出来事が全く違って見えます。
違法薬物そのものよりも、それを取り巻く社会環境の問題の方が強く感じた。
人間はよく知らないことはなんとなくのイメージで理解してします。
そしてそのなんとなくのイメージの大半はマスメディアによって作られている。
色々と考えさせられる内容でした。 -
── 塚本 堅一《僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話 20190826 ベストセラーズ》
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4584139377
…… 突然押しかけてきた黒スーツの集団。その日の朝がやってきました。
Tsukamoto, Ken'ichi 19780301 千葉 /元NHKアナウンサー
/20160111 危険ドラックの所持の疑いで逮捕。0129 再逮捕/懲戒免職
https://mikarin1215.com/anaunsa/4396/
…… 明治大学文学部卒業。2003年、NHK入局。京都や金沢、沖縄勤務
を経て2015年に東京アナウンス室に配属。現在は依存症の自助グループ
に参加しつつ、依存症予防教育アドバイザーとして、依存症関連イベント
にて司会や講演活動を行っている。
http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/nhk%e3%82%a2%e3%83%8a%ef%bd%a2%e9%81%95%e6%b3%95%e8%96%ac%e7%89%a9%e6%89%80%e6%8c%81%e3%81%ae%e7%96%91%e3%81%84%ef%bd%a3%e3%81%a7%e3%82%ac%e3%82%b5%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%81%ae%e6%9c%9d/ar-AAIfFrt?ocid=iehp#page=2
(20191004)
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NHKのアナウンサーが、違法という自覚も無く、違法薬物で逮捕された話。