本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (285ページ) / ISBN・EAN: 9784584393666
作品紹介・あらすじ
衝撃とともに伝えられたヤンキース黒田博樹の日本復帰。
メジャーで日本人ナンバーワン投手とまで言われた男は、なぜその絶頂期に広島カープに戻ってきたのか。
決断までの苦悩、名門・ヤンキースで出会ったプロフェッショナル、ロビンソン・カノーからの言葉……。カープ復帰までの心中を40ページに亘って大幅加筆。
黒田博樹の生き様とその人生哲学を読む。
名門ニューヨーク・ヤンキースが欲しがった日本人は「元補欠の野球選手」だったー。挫折を知り、両親の死を乗り越え、
広島への愛に悩んだ男が、繰り返してきた「決断」の道。そこには、現代にこそ見習うべき、静かで熱い「本物」の男の姿がある。
感想・レビュー・書評
-
(2015/12/18)
今年の春、ヤンキースから広島カープに戻ってきた黒田投手。
メジャーに残れば年俸20億だったところを、4億しか払えないカープに戻ってきた。
普段ラグビーばかり見て、野球はニュースを見る程度で大した関心はなかったが、
松井のいたヤンキースがらみ、メジャー日本選手の復帰となれば少し興味を持ったのは事実。
まして7年のメジャー実績を元に築いた20億のオファーを蹴って4億の古巣へ。
理由がわからなかった。
選手生命の最後を古巣で迎えたいのかな、くらいな認識だった。
が、この本を読んでよくわかった。
黒田という投手、エリートではなく、自分を謙虚に、客観的に見据え、
周囲との関係性を築きつつ、自分の実績を積み重ねてきた男、侍、もののふなのだ。
お金で示される期待にはしっかり応えなくてはいけない。
常に自分にプレッシャーを与え、応え続けてきた。
体力の限界を精神で補い続けてきた。
しかし今季メジャーで20億の期待にこたえるだけの気力がない。
カープに、自分を熱く送り出してくれたカープの応援を受ければ、
またその気力、精神力を取り戻して1シーズンやっていけるかもしれない。
その思いでカープ復帰を決めた、という。
カープからドジャーズに移るとき、4年契約を求められたのに3年契約を自ら申し出た。
それも同じ思い。
シーズン途中で優勝を争うメジャー球団から移籍のオファーを受けた時、
ヤンキースに移るとき、
その都度彼は悩む。
自分の実績を過小評価しつつ、期待にこたえられるかを必死に考え、判断する。
今回のカープ復帰の1年前も、ヤンキースに残るか、カープに戻るかの決断を迫られ、
いったんは復帰を決めながら、心がすっきりせず、1週間悩んでヤンキース復帰を決めたという。
とにかく悩み、考え、決めるのだ。
彼はプロなのだと思う。
陸上競技でいえば、100mではなくマラソン選手。
そしてこの1年カープのローテーションを守りぬき、2億アップの6億で契約を更改するという。
引退の思いもあったが、そうさせなかったのは前田のメジャー移籍だったのかもしれない。
エース二人が抜けてはカープがガタガタになる。
前田を送りだすためにも、もう1年だけ頑張ろう。
そんな黒田の思いが読めるようだ。
澤が引退し、大野がサンウルブズ入団を決意、、、アスリートの生き方は様々。
体力と精神力の狭間で闘っているのだとこの本を読んで認識。
来シーズン、黒田は追いかけてみたくなってきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そうそうできることではないです。
正直な方
実力があってこそです。
凡人は影響受けて真似しないよう、、、
-
加筆前2012年バージョンを読破。カーショーとの絡みのくだりは面白く、羨ましい関係性と思った。
-
黒田選手がどういった基準で自分の進む道を決断していったかが詳細に書かれている本。
まず、そもそも黒田選手が野球を苦痛に思いながら続けていたということに驚いた。
また、本書に書かれている、様々なシーンでの決断の根拠が、基本的には金ではなく、ファンや同僚の思いや本人の感謝の気持ちから生まれているのが、なんとも黒田選手らしいなという感じがした。
ビジネスの場面においても、参考になる考え方が書かれていた。 -
2015年5月刊行の「決めて断つ」に加筆したもの。
黒田の高校から、プロ入り、渡米してカープに帰ってくるまでの自叙伝となる。
全体を通して、黒田の謙虚な(自信がなさすぎる?)人柄が伝わってくる。
本書で気になったフレーズは以下の通り。
・自分の目の前の枠の中でナンバーワンを目指す
・1勝で自信が持てるなら、その自信は1敗であっという間に失われてしまう
・目の前の目標にこだわる
・「断つ」ことや「捨てる」勇気というのはなかなか出ないものである
余り、タイトル通りの内容ではないのが少し惜しい。 -
職場の先輩から、勧められて読みました。
黒田投手の1つ1つ目の前のことをクリアしていく継続する姿勢、向上心は言うまでもなく、自身が野球を続けていくうえで携わった方々への深いリスペクトも感じた。
私も1人の社会人として、一つ一つステージを駆け上がっていけるように、今の目標をクリアできるよう日々頑張りたい。 -
過去の報道を鑑みても、情熱的で勝負事に妥協しないイメージがあったが、この本を読んで、割と繊細な一面もある印象を受けた。そして何よりプロとしての責任感をものすごく重視している。結果や評価に独特なこだわりがあり、今までに見たことないアスリートの感じがした。
◯名投手への道のり
意外なことに高校時代は補欠選手だったという。大学時代から急成長に至った一因としては、小さな目標を立てそれクリアし、また小さな目標を立てるというサイクルができるようになったこと。あまり高すぎる目標や理想を掲げると、クリアできなかった時に心理的なストレスとなりうる。渡米してからもそのような課題アプローチは一貫していた。
また適応能力の高さも凄まじい。メジャーに入ってから、シンカー系の球種が増えるようになるなど、プレースタイルの変化などもあるが、NPBと環境が全く異なることも大きな壁だった。日本流ではやっていけないと判断した黒田は、「郷に入っては郷に従え」をモットーに練習方法やルーティーンをアメリカ式へ完全に変えたという。日本時代に長い期間を経てスタイルを確立させてはずだが、このように柔軟に適応できるのは素晴らしいの一言。
◯野球は楽しくない
大谷とかを見てると野球を楽しんでいるなあと感じるが、黒田はプロの世界で野球をを楽しんだことは一度もないと述べるほど、プロの厳しさを語っている。ドジャースに移籍する際も、4年契約を3年にしてくれと本人から申し出て、球団を驚かせたくらいだ。契約満了後は単年契約を好むなど、かなり珍しい性格。ただこれはプロとしての責任感、結果に忠実である姿勢の裏返しなのだと思った。
◯移籍の裏側
ドジャースからヤンキースへの移籍、ヤンキースからカープへの移籍の際、ものすごく悩んだと語っている。特にカープに復帰した時は、「20億のヤンキースを蹴って、4億の広島を選んだ」などと報道され、男気ある移籍みたいな口調で書かれていたのを鮮明に覚えているが、本人にしてみればお金の問題では全くなかった。それは1年契約を重ねてきたことからも明白だろう。実力からしても、もう数年はメジャーでプレーできただろうが、黒田にとって大事だった点は、結果に忠実であり責任感が強かったことが大きい。その前年の去就の際もそうだったが、ヤンキースで挑戦することは、それなりの覚悟が必要だっただろうし、それを踏まえての「決断」だったに違いない。
◯チームメイトとの友情
カーショウとの友情ストーリーは心にグッとくる。最高のピッチャーから絶大な信頼を置かれているのは、姿勢が評価されいてる証拠。カーショウと黒田が投げ合った試合は本当に痺れる。
カノからシーズン終わりに感謝の気持ちを伝えられたシーンも印象的。何気ない一言だが努力が報われたと言わしめるほど、目頭が熱くなる言葉だったという。 -
参考にならない。
黒田選手は好きだったが、期待値が高すぎたのかもしれない。 -
購入本。黒田博樹の本を読むのは2冊目。はたから見れば不器用と思われるが、本人はいたって真剣に場面場面を考え抜いて決断している。”決めて断つ”とはなるほどと感心。断つことが出来ないと、大事な決断は出来ないのだろう。プロ野球選手の父と、ハンマー投げ選手の母。二人ともプロ野球選手となった黒田の姿を見ていないとは、。。。
一流の選手は、人格も一流との見立ては当たっていると思う。