- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784585291848
作品紹介・あらすじ
日本SFが、かつての空想科学小説というジャンルからアウフヘーベンして、あらたに確立したのは、1960年代の初頭からである。当時、日本の出版界では、ひとつのジンクスが語られていた。西部小説とSF小説を出版すると、その出版社は倒産するというものである。SF小説は、いわば未知の文学ジャンルだった。
多くの同志とともに、日本にSFを広めていく過程は、いわば一種の文学運動だった。これは、ひとつの文学ジャンルを確立するまでの、SF作家たちの苦闘と、哀愁と、歓喜の交友の物語である。
今、日本SFが根を下ろすまでの事情を、いわば遺言として書き残すことが、馬齢を重ねた同志としての使命かもしれないと考え、あえて語ることとした。もともと書誌学のようなものには疎いほうだから、年譜的な記録を残すつもりはない。いわばSF作家交遊録と言った体裁になるが、これまで書かれていない破天荒なエピソードなども紹介しながら、筆を進めていきたいと思う。筆を進めると、書いてしまった。今ならキーボードを叩くと書くべきだろうが、あれから半世紀以上、科学の進歩は、われわれSF作家の想像を超えるテンポで進行した。
感想・レビュー・書評
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個々のエピソードの内容は薄いけど、貴重な証言ではあるなあ。
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豊田有恒さんが、日本SF界の黎明期の思い出を語っている本でした。内容は軽めですが、日本SFの先駆者たちの仲の良さが伝わってきて、ほっこりしました。
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大好きな日本SF黎明期のあれこれ。
いろんなところで読んだエピソードがまた読めるのも、野田昌宏の名前が登場するのも嬉しい。 -
電子ブックへのリンク:https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000078465(学外からのアクセス方法:1.画面に表示される[学認アカウントをお持ちの方はこちら]をクリック→2.[所属機関の選択]で 神戸大学 を選んで、[選択]をクリック→3.情報基盤センターのID/PWでログイン)【推薦コメント:日本SF文学の誕生と浸透を知る上で有益な書物です。】
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面白みに欠ける。
聞き書きなら、もうちょっと違ったのかな、聞き手大森さんとかで。
まぁ、小松御大のような座談の名手という訳でもないのだろうし、大して違わないかもしれませんが。
さて、アトム、ヤマト、黎明期日本SFときて、あと売り物にできるのはパラクリぐらいですか、先生… -
著者豊田有恒さんの個人的な体験を中心にした日本SF界の歴史なので、必ずしも全体像が客観的に語られているかわかりません(私にはそんな知識がありません)。とはいえ、個々の作家達のエピソードは大変面白いものが満載です。星新一が夜に豊田へ電話を掛けてきて、「豊田くん、世界三大Q
というものを発見した。」というジョークは絶品です! -
SF界の大御所がゴロゴロ出てくる。
何もないところから手探りで日本にSFという分野を定着させたリジェンドたちの裏側。
子供の頃ジュブナイルで読んだ人たちが後から後から。
SFに興味のない人には、なんのことだか判るまい。 -
【新着図書ピックアップ!】日本のSFは、1960年代から始まった。そして、日本人を宇宙の果てまで、ロボットや人工知能のある未来社会まで、超能力や異世界次元まで、時には、仏教やキリスト教の世界まで、つれていってくれた。輝かしい胸躍る時代であった。
まさに、空想と科学 サイエンス フィクションの世界に、無限の世界を我々を導いてくれた。素晴らしい時代だった。その誕生の出来事が、ちりばめられている。日本SFの誕生の瞬間である。 -
過去のエッセイでも取り上げられている話が多い。感情を抑えた筆致になっている。
著者プロフィール
豊田有恒の作品





