都市の鳥: その謎にせまる (カラーブックス 861)

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  • 保育社
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784586508617

感想・レビュー・書評

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  • (2014.01.06読了)(2006.05.20購入)
    河川敷の散歩のついでに川辺にいる鳥の識別を始めました。10月の末からカモ類が増えてきました。写真を撮ってきて、図鑑で調べて名前を特定しています。そろそろ打ち止めかな、というところです。ちなみに、この本の表紙に移っている鳥は、オナガガモです。
    鳥をちょっと眺めるぐらいでは、鳥の習性までは、なかなかわからないので、ちょっとずつ鳥に関する本を読んでゆきましょう。
    この本は、都市に住みついた鳥の話ですが、ぼくの住んでいる田舎にも同じ鳥が結構います。そういう意味では、参考になりました。

    【目次】
    第一章 トキも昔は都市鳥だった
    第二章 都市を恐れない新鳥類
    第三章 林立するビル街の野鳥
    第四章 ツバメは商売繁盛の神様
    第五章 人の手に乗るスズメの不思議
    第六章 大阪にはなぜカラスが少ない
    第七章 繁華街で夜を過ごす鳥たち
    第八章 水鳥たちの大変身!
    さくいん

    ●カラスとキジバト(26頁)
    カラスは、子育て中には他の野鳥の卵や雛を頻繁に襲うが、雛が巣立ってしまうと縄張りを解消し、野鳥の巣を狙うことも減ってくる。
    キジバトは、こうしたカラスの習性を知ってのことなのか、カラスが繁殖する季節から時期をずらして、子育てをするケースが出てきた。
    ●上野不忍池(38頁)
    冬の上野不忍池といえば、カモ類の越冬地として有名である。岸辺から餌を投げると、数百羽のオナガガモが殺到して水面は水鳥で埋め尽くされてしまう。オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ヒドリガモ、ハシビロガモなど、お馴染みのカモ類が足元まで接近してくる。
    (岩手県・沿岸南部のこの地でも、ハシビロガモ以外は確認できました。マガモ、ホオジロガモ、スズガモ、コガモなどもいます。)
    ●ドバト(55頁)
    ドバトの個体数を抑制するためには、国体などの催し物の時にハトを放つ習慣を止めること、ハトレースの自粛、あるいは市民による鳩の給餌を中止する必要があろう。また、建物の構造を工夫し、すき間や止まり場所をなくして営巣しづらくすること。不妊薬や忌避剤などの開発も必要であろう。
    ●ツバメの営巣(70頁)
    日本では、人家やビルなどの建物に営巣する習性がある。もっと正確にいえば、人口構築物だけに営巣している。
    ●スズメ(87頁)
    スズメは森林の鳥ではないので、列島の大部分が照葉樹林や夏緑樹林でおおわれていた太古の日本列島にはスズメは生息していなかった可能性が大きい。
    ●カラスのクルミ割り(102頁)
    クルミや貝などを、上空から落として割って食べる行動は、北海道や秋田などでも観測されている。
    (岩手県・沿岸南部のこの地でも、カラスのクルミ割りを見ることができます。)

    ☆関連図書(既読)
    「カラスはどれほど賢いか」唐沢孝一著、中公新書、1988.05.25
    「小鳥はなぜ歌うのか」小西正一著、岩波新書、1994.05.20
    「カラスは偉い」佐々木洋著、知恵の森文庫、2001.05.15
    「カラスの早起き、スズメの寝坊」柴田敏隆著、新潮選書、2002.07.20
    「カラス なぜ遊ぶ」杉田昭栄著、集英社新書、2004.03.22
    「ひと目で見分ける287種 野鳥ポケット図鑑」久保田修著、新潮文庫、2010.04.01
    (2014年1月7日・記)
    (「MARC」データベースより)amazon
    都会を恐れない鳥、人の手に乗るスズメ、滑り台を滑るカラス…。都市環境に適応した野鳥(都市鳥)の最新情報にスポットをあて、興味ある生態や、様々な謎について述べる。

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著者プロフィール

唐沢孝一
NPO法人自然観察大学学長。1943年群馬県生。1966年、東京教育大学理学部卒業。都立高校の生物教師のかたわら都市鳥研究会代表、日本鳥学会評議員・幹事等を歴任。現在、NPO法人自然観察大学学長。野鳥をはじめ昆虫や植物の生態を研究するほか、自然観察会を主宰し講師をつとめる。都市鳥関係の著書に『カラスはどれほど賢いか』(中公新書、1988)、『スズメのお宿は街のなか』(中公新書、1989)、『カラー版 身近な鳥のすごい食生活』(イースト新書Q、2020)、自然観察の著書として、『カラー版 目からウロコの自然観察』(中公新書、2018)、『唐沢流 自然観察の愉しみ方』(地人書館、2014)。東京の自然誌に関する著書として、『江戸東京の自然を歩く』(中央公論新社、1999)、『よみがえった黒こげのイチョウ』(大日本図書)などがある。

「2023年 『都会の鳥の生態学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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