シミュラークルとシミュレーション (叢書・ウニベルシタス)

制作 : 竹原 あき子 
  • 法政大学出版局
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本棚登録 : 77
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588001369

感想・レビュー・書評

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  •  シュミラークルと言う切り口で、現代の様々な事を捉えた本。基本的には、広告、商品、メディア、政治など、個々にシュミラークルが関わっているかを解説しているので、シュミラークルと言う考え方が分かってしまえば後は応用と言う感じです。
     情報化が進み、あらゆる物事は原型の模倣や重ねたものになっていき、そこにリアリティが生まれると言う話。
     ブランド、とか、コードとか、色んな言い換えも出来そうだけれど、何か表現しようとする人が考えない訳にはいかない話。何でも、過去の出来事の上に立っている。凄く実感を持って読み進められた。

     共同幻想と言う言葉と重なる所もあるけれど、共同幻想論は巫女や宗教などから入るのに対して、シュミラークルは本当に現代的な、具体的な出来事に対して、全ての実在とシュミラークルは境界が無くなり内破していく。と言う所は表だった入口の違いとしては感じます。

     特に、前置きを入れてですがボードリヤール自身も自分をニヒリストと言っていて、シュミラークルの世界に対して消滅、葬る、死、など、ネガティブな単語は多く使われていて、悲観的にも取れる語り口なのも印象深かった。(シュミラークル化自体、予測不能でネガティブに捉えるべきではないとは言っていますが)

     論文集ですが、最初の頃の原稿は自分が生まれるより早い。けれども、ネット社会やSNSなど、今取り囲まれている多くの物を参考にすると理解が早くて、正に彼が予想した状況が見事に進んでいるのだと思う。
     
     そう言うなかで、どう振る舞い、考えていくかと言うのは全然過去のものでないと思った

  • 映画「マトリックス」に影響を与えた書として有名。
    シミュラークルが氾濫しハイパー現実化した社会を、具体的事例にそって論じているため、
    『象徴交換と死』第二部におけるしミュラークル論を理解した上で読むことをオススメ。

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著者プロフィール

【著者】ジャン・ボードリヤール :  1929年生まれ。元パリ大学教授(社会学)。マルクスの経済理論の批判的乗り越えを企て、ソシュールの記号論、フロイトの精神分析、モースの文化人類学などを大胆に導入、現代消費社会を読み解く独自の視点を提示して世界的注目を浴びた。その後オリジナルとコピーの対立を逆転させるシミュレーションと現実のデータ化・メディア化によるハイパーリアルの時代の社会文化論を大胆に提案、9・11以降は他者性の側から根源的な社会批判を展開した。写真家としても著名。2007年没。著書に『物の体系』『記号の経済学批判』『シミュラークルとシミュレーション』(以上、法政大学出版局)、『象徴交換と死』(ちくま学芸文庫)、『透きとおった悪』『湾岸戦争は起こらなかった』『不可能な交換』(以上、紀伊國屋書店)、『パワー・インフェルノ』『暴力とグローバリゼーション』『芸術の陰謀』(以上、NTT出版)、ほか多数。

「2015年 『消費社会の神話と構造 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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