廃墟のなかの大学 (叢書・ウニベルシタス 661)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588006616

作品紹介・あらすじ

〈エクセレンス〉を競う現代の大学は,国民文化の砦としてはとうに廃墟と化している。そのなかで迫られる改革を論じて〈不同意の共同体〉としての再生を展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 大学に対する著者の分析は厳しい。大学を思考実践が構造的に不完全な場:歴史的存在理由を喪失した機関と見なさざるを得ない立場にある。理想的条件下で思考されるのではなく、現実的に同意を求めない共同体と結論づけた。

    また、国民国家の終焉の時代と言い切るには、まだ時間が必要だろう。グローバル化が強調されるほど、国の存在・概念を常に考えるようになる。大学が国における社会機能の一部である限り、その経営は国に連動せざるを得ないのではないか。

  • (推薦者からのコメント)現在の大学の『いやらしさ』を再確認するために。

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著者プロフィール

(Bill Readings)
1960年イギリス生まれ。ミルトンに関する博士論文によりオックスフォード大学で学位取得。以後、スイスのジュネーヴ大学、アメリカのシラキュース大学を経て、カナダのモントリオール大学の比較文学担当助教授となる。ド・マンやリオタールに関する著作・論文で文学理論・現代思想の研究者として認められ、また本書にまとめられた大学の理念と機能を鋭く問い直す諸論文が欧米で反響を呼び、激しい論議を巻き起こすなど注目されていたが、1994年10月アメリカン・イーグル機の墜落事故で不慮の死を遂げた。本書のほかに、『リオタール入門』(1991)、『時代を超えたポストモダニズム』(共著、 1993)『ヴィジョンとテクスチュアリティ』(同、 1995)などの著書がある。

「2018年 『廃墟のなかの大学 〈新装改訂版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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