- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588008917
作品紹介・あらすじ
世界中で聖書についで有名とされるグリム童話集。しかし兄弟自身の研究に関しては、わが国ではあまり紹介されていないのが現状だ。本書は彼らの口承文芸論を時代別、ジャンル別に編集・翻訳して一冊にまとめたものである。二人は昔話や伝説などの魅力をどうとらえていたのか。どのような視点でその真髄に迫ろうとしていたのだろうか。
感想・レビュー・書評
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読み始めてすぐに「失敗した」と思った。翻訳物である上に、本書はグリム兄弟が各童話の背景にある文化や宗教、風俗等々を論じた「論文」なので、読みにくい要素がダブルパンチたった。あとがきで訳者自身が「語学的にも難解だった」と語っているくらいだった。
グリム兄弟は作家というより、学者だったんだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<閲覧スタッフより>
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所在記号:940.26//クヤ
資料番号:10186724
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借りたもの。
グリム童話編纂者による、各童話のメルヘン論集。
個々の話の内容に対する解説ではなく、メルヘンがあらゆる国、あらゆる地域に存在し、それらに共通項があることを見出している。
バジーレ『ペンタメローネ「五日物語」』( http://booklog.jp/item/1/4469243698 )やペローの童話集( http://booklog.jp/item/1/4003251318 )に関しても言及。
イタリアとドイツ、方言の誤訳?や置き換えの可能性も含めて、メルヘンを多角的に検証していることが伺える。
“メルヘンとは何か”を体系化する試みの布石ともいえる本。
それはJ.R.R.トールキン『妖精物語の国へ』( http://booklog.jp/item/1/4480038302 )、ジョーゼフ・キャンベル『千の顔をもつ英雄』( http://booklog.jp/item/1/4150504520 )、そしてミヒャエル・エンデのファンタジー論に続くのだろう。