ジェルメーヌ・ティヨン: レジスタンス・強制収容所・アルジェリア戦争を生きて (叢書・ウニベルシタス 982)

制作 : ツヴェタントドロフ 
  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588009822

作品紹介・あらすじ

アルジェリアの民族学者として出発し、第二次大戦中には対独レジスタンスに身を投じたティヨンは、ナチス絶滅収容所の地獄を生き延びた戦後も、母国フランスのおこなう植民地戦争への抵抗をつづけた。家族や仲間を失いながらも、全体主義・植民地主義のもたらした暴力と憎悪に尊厳をもって立ち向かった歴史家の断片的自伝を再構成し、二十世紀の人間的経験を伝える証言の書。

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ占領下のフランスと、その抵抗活動の様子がよくわかる。逮捕者が牢獄に移送中の列車から小さく折りたたまれたメモを投げ出したりしたが、そういったメッセージの大半は宛名人に届いたらしい。沿線の人々がメモを集め、読み、必要な宛名にわざわざ切手を貼って届けてくれた、ということらしい。こういう形のレジスタンス活動もあったのだ。(p196)
    民族学者、レジスタンス活動家、アルジェリア戦争へのかかわり、というそれぞれに過酷な状況下で、できることはすべてやる、という態度は感動的で、美しい。おそらく本人は現実的なことの処理に忙殺されていたのだろうが、行動によって世界の、人々のありようが決定されることを確信しているようだ。
    フランス、いや、ヨーロッパの凄さを感じる書でもある。

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著者プロフィール

(Germaine Tillion)
1907-2008。フランスの女性民族学者、レジスタンス活動家、人権活動家。マルセル・モース、ルイ・マシニョンの下で民族学研究を始め、第二次世界大戦直前の時期にアルジェリアのオーレス山塊地方で、二十代から三十代にかけてほとんど単独で四年にわたりフィールドワークをおこなう。帰国時にナチスドイツのフランス占領に遭遇し、ただちにレジスタンス活動に入り、パリにおける初期レジスタンス活動に指導的役割を果たす。ドイツ警察に逮捕され、ラーフェンスブリュック女子強制収容所に収容され、同収容所で母親を亡くす。終戦直前にスウェーデン赤十字によって救出され、戦後はレジスタンスと強制収容所についての調査・研究をおこなうとともに、世界の他の国々になお存在する強制収容所を告発する運動に加わる。アルジェリア独立戦争の際には、フランス政府側がおこなう現地人の処刑、アルジェリア独立戦線側がおこなうテロ行為の連鎖を止めるべく活動する。その後は高等実習院でマグレブ地方を対象とする社会学講座の主任教員を務めながら、さまざまな人権活動に従事する。主著に『イトコたちの共和国』『ラーフェンスブリュック』『アフリカは未来へ向けて進路を変える』がある。

「2012年 『ジェルメーヌ・ティヨン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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