形而上の中世都市: 散歩の文化学中世篇 (〈思想・多島海〉シリーズ 18)

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  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588100185

作品紹介・あらすじ

古代都市の制度的自壊を超えて、都鄙の全面的な流通の自生から生み出されてくる中世都市と都市経験の系譜。中世の散歩人は、世界認識の身体性、特に滅びの位相を芯とする時間性、形而下の世界を超えたコスモロジーに世界の意味を見出そうとする形而上性、をその特性とした。彼らが歩いた中世的界隈と、〈見える・裡なる〉都市のコスモロジーを記号論的に捉え、〈中世〉とは何かに迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 知人から献呈された本を一部譲っていただき、その日の夜に素読。中世の日本、ヨーロッパの文化・歴史を縦横無尽に歩き回る論評。形而上の抽象概念がバンバン出てきますので、決して読者に優しい本ではないです。中世の文化史や美術史のコンテキストを理解していないと何が何だかわからないかも。残念ながらわたしは、中世の文化史や美術史、また抽象概念にあまり強くないので、理解しきれなかったことも多々ありますが、中世ヨーロッパのジョットという画家の存在やラピスラズリのエピソード、日本では白拍子の話などはこの本で初めて知りました。

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著者プロフィール

1953年福岡県生まれ。74年東京大学法学部中退。79年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、80~84年シュトゥットガルト大学・ロンドン大学付属ワールブルク研究所に留学。84年シュトゥットガルト大学哲学部博士学位(Dr.phil.)取得。現在、博士後期課程大学院生を中心に〈文化記号塾〉主宰(http://bunkakigoujyuku.org/index.asp)。著書:Der Begri der Kultur bei Warburg, Nietzsche und Burckhardt(博士論文、Königstein/Ts., Hein Verlag bei Atenaum, 85)、『東洋的専制と疎外──民衆文化史のための制度批判』(私家版、87)、『言語記号系と主体── 一般文化学のための注釈的止観』(言叢社、06)、『散歩の文化学1・2』(法政大学出版局、09)、『事件の現象学1・2』(同)、『形而上の中世都市』(同、10)、『中世的修羅と死生の弁証法』(同、11)。訳書:W.ブルケルト『ホモ・ネカーンス』(法政大学出版局、08)、フランセス・イエイツ『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』(工作舎、10)、ヤーコプ・v・ユクスキュル『動物の環境と内的世界』(みすず書房、12)。

「2014年 『加入礼・儀式・秘密結社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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