大落語 下

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  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (570ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588410161

作品紹介・あらすじ

桂文楽,志ん生,馬生,志ん朝から勝新太郎まで,個々の芸人たちのアイデンティティーを遺伝子レベルまで掘り下げ,魂の深淵に迫る大落語マンダラを描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • クレイジーキャッツを思い浮かべてしまった。
    確かな「(音楽の)技術」を持つからこそ
    「おもしろおかしく」アレンジできる。
    ジャズ、映画、哲学、江戸戯作、タンゴ、明治演歌
    あれやこれやが縦横無尽に登場し、
    ちゃんと オチがついていることが
    いと をかし。

  • 平岡正明が落語を大いに楽しんで記した本。同時期に書かれた『志ん生的、文楽的』の方は、ターゲットを絞っているだけに、素直に落語論として読める(それでも遊びは多いけれど)。しかしこちらの作品では大いに遊んでいる。もちろん基調は「落語」ながら話はジャズになり筒井康隆になり、ときに中国古典となる。平岡正明と同時代、あるいはその歴史を追体験した人にはすごく楽しめる本だと思う。

    ちなみに上巻の方がより「遊び」の要素が多く、「落語」から読み解こうとするならば下巻の方がわかりやすい。

    以下、下巻目次より。
    江戸がゆるむ、「てれすこ」と「長崎の赤飯」
    「樟脳玉」のヴァルネラビリティー
    「星野屋」と「庖丁」
    「年枝の怪談」、汽車と畳の感覚
    「按摩の矩健」、幻視者文楽の神髄
    「麻のれん」
    桂南天「口合あんま」
    座頭市的落語
    「天狗裁き」
    さかさ邯鄲
    枝雀怪談「幽霊の辻」、天から落ちてきた穴

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。早大文学部中退。1963年『赤い風船あるいは牝狼の夜』刊行し猥褻図画頒布容疑で指名手配。1964年、現代思潮社から『韃靼人宣言』刊行。1970年代後半より新左翼退潮後は辺境に位置する文学・芸能の評論分野で活躍。主な対象は筒井康隆、五木寛之、山田風太郎、山口百恵、河内音頭、三波春夫、大山倍達等。1993年『浪曲的』で斎藤緑雨賞受賞。1992年~94年まで「ハマ野毛」を編集・刊行、荻野アンナ・田中優子・種村季弘らが参加。「野毛大道芸」にプロデューサー的参画。後年、落語論を連続刊行し『快楽亭ブラックの毒落語』(彩流社)が遺著となる。最高にグルーブする平岡節は永久不滅、まさに批評界のヘラクレスである。 

「2012年 『人之初 平岡正明自伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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