少年探偵江戸川乱歩全集〈33〉黒い魔女

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591001424

感想・レビュー・書評

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  • 蜥蜴より魔女派!?



     そう、三島由紀夫の手で脚本化され、美輪さま(美輪明宏)の舞台で評価を不動のものにした、あの『黒蜥蜴』の少年版です……!

     珍しいのでしょうね、『黒蜥蜴』と呼ぶより『黒い魔女』のほうに思い入れがある人間というのは……★ 子どもっぽいかな? と我ながら恥ずかしくもありますが、私は『黒い魔女』がしっくり来ちゃう派です。蜥蜴より魔女のほうがよくないですか……??

     あらすじは既に知られるところでしょうが、ざっくりまとめておくと、
     美しいものに目がない魔性の女賊・黒蜥蜴が、宝石王の「エジプトの星」を手中におさめようとたくらみ、我らが名探偵・明智小五郎と宿命の対決を演じるのです!


    ↓以下、さらなるネタばれ突入★







     その「宿命」の意味も、濃ゆく妖しく美しい☆
     明智と犯人の知恵比べは何度も見てきたけれど、これは何かが違う。この対決にぴしりとはりつめている緊張の糸! 黒蜥蜴は、自らを捕らえようと迫ってくる探偵・明智を愛してしまったのでしたーー


     この『黒い魔女』、なかなか侮れない魅力を秘めているのですよ★
     少年向けにリライトしたものですから、恋の妖しい胸苦しさで迫るわけにもいかなかったのでしょう。二人の関係について、わりとあっさりした扱いに留まっているのです。(それでも、当時のポプラ社ではこういう大人の小説を、少年少女に紹介してくれたのです☆)
     すると、わずかに匂わせる程度で引き上げたがために、かえって想像力を喚起するっていうのかな……? もしかしたら元の本より衝撃はないのかもしれませんが、はっきり書かれているより感じがいいのです☆
     大人版は、この品のいいイメージで終わってくれているのでしょうか? そこが分からないために、未だ『黒蜥蜴』に手をつけられずにいる私。何度か読んでみようかと迷いつつも……、『黒い魔女』に魅かれすぎていて成長止まってます(苦笑)。

  • (1999.12.05読了)(1999.08.24購入)

    ☆江戸川乱歩さんの本(既読)
    「少年探偵14 夜光人間」江戸川乱歩著、ポプラ社、1964.11.05
    「少年探偵16 仮面の恐怖王」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.06.
    「少年探偵23 悪魔人形」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.09.20
    「少年探偵25 黄金の怪獣」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.11.20
    「少年探偵26 二十面相の呪い」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.10.20
    「少年探偵27 黄金仮面」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.08.
    「少年探偵30 大暗室」江戸川乱歩著、ポプラ社、1970.10.
    「少年探偵38 白い羽根の謎」江戸川乱歩著、ポプラ社、1972.05.05

  • 1957年発表

  • (メモ:中等部1年のときに読了。)

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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