やまんばのにしき (むかしむかし絵本 2)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591003756

感想・レビュー・書評

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  • 怖くないどころか、実はステキなやまんばさん登場!
    こんなやまんばさんとママ友になりたい!

    〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜

    「ちょうふく山のやまんばが子どもを産んだ!餅をついて持ってこなければ、食い殺すぞ〜」

    突然、そんな恐ろしい声が聞こえてきたものだから、村人たちは震え上がった。

    相談した結果、いばり散らしている若者2人と、道案内役のあかざばんばが、餅を持って山に登ることになったのだが…

    〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    タイトルが「やまんばのにしき」だったので、錦が大活躍のお話かと思いきや、後半にちょこっと登場しただけでした(笑)
    不思議な錦ですが、織物自体が大変な昔の人にとってはまさに宝ですね。


    はじめこそ怖そうな雰囲気でしたが、後半に登場したのは怖くないどころか、自分の主張はしっかりしつつも相手を思いやった言動ができる素敵なやまんばさんでした。
    「餅もってこい」という恐ろしい声の正体もわかります。(やまんば本人ではなかった)

    餅を持ってきたあかざばんばに「21日ほど手伝ってね」とお願いするということは、産後が大変なのはやまんばもおなじなんでしょうね。
    食われるかもとビクビクしながらお手伝いをしているあかざばんばは、ちょっと不憫でしたが、、、

    初版はなんと1967年!
    優しげな絵柄で、やまんばが怖い子でも読める絵本です。
    巻末には「うしかたとやまんば」という、こちらは怖いやまんばのお話も字がメインの3ページ、載っていました。

  • 子供の頃にものすごく好きで繰り返し何度も読んだ 昔話。 大人になった今読んでも結構懐かしくて楽しかった。 こんな錦私も欲しい。

  • 絵がすごくきれい。どうぶつがかわいい。ぜんぶのページにサルがいるか、じーっと見ちゃった。ことばはむかし風のことばで、時どきなんていういみかわからなかったけど、ゆっくりなかんじがすきだった。やまんばってこわくないんだな。おまけのお話がついているのもすごくいい。(小2)

  • ちょうふくやまのやまんばに子どもが生まれて、村人たちはもちをついて持っていくことになります。いつもおおいばりの若者ふたりとばあさまの三人で届けに行くことになりますが、若者ふたりは途中で怖くなり…。方言で語られるお話と、色あざやかで迫力ある絵に、物語の世界が広がる秋田県の民話です。5.6歳から

  • ちょうふく山には山姥が住んでいた。
    あるとき、雷が鳴り、嵐になったかと思うと山の上から子供が生まれたから赤飯を持って来い、持って来なければみんな食ってしまう、という声が大声で響いた。
    農民はお米を持ちより、急いで赤飯を作ったが、誰が持って行くかで問題になった。
    普段いばっているねぎそべとだだはちに行かせようということになるが、2人とも道を知らないと言う。
    そこで、あかざばんばと呼ばれているおばあさんが先に立って道案内をすることになった。
    道なき道を進むがなかなか上まで辿り着かない。
    強い風が吹いて、あかざばんばは木にしがみついたが、気が付くと赤飯だけ残っていて2人の姿はなかった。
    あかざばんばは自分では赤飯は持てないので、あとで取に来てもらうことにして先を急いだ。
    山の上には小屋があり、山姥と赤子がいた。
    赤飯を道中に置いてきたことを話すと山姥は赤子に取りに行かせた。
    赤飯を持って来いと山の上から言ったのも赤子だとか。
    山姥は産後なので、しばらく身の回りの世話をしてほしいと言う。
    あかざばんばは食べられるのを覚悟で世話をした。
    1ヶ月も経った頃そろそろお暇をしようとすると、山姥が見事な錦をくれた。
    その錦は切っても次の日になると、元の長さに戻っているものらしい。
    山姥は村の人たちが風邪を引かないようにこれからは自分も気を付けると言い、赤子にあかざばんばを送らせた。
    気が付くとあかざばんばは家の前にいて家では誰かの葬式をやっていた。
    誰が死んだのか聞いてみるとあかざばんばが死んだと思われていたらしい。
    あかざばんばはみんなに山姥にもらった錦を切って渡して自分には少ししか残さなかったが、次の日には元の長さに戻っていた。
    村のみんなはそれぞれ衣類を作り、みんな風邪を引かずに元気に過ごしたそうだ。

    巻末にはもう1つの山姥の話として「うしかたやまんば」が文字だけで載っている。
    小学生に読ませた感想や絵も載っている。

    方言で書かれた文章は雰囲気がある。
    絵も昔話らしく、いい。

    人を取って食う山姥ではなく、村人の健康を気遣う神様のような山姥はイメージと離れていて珍しい。
    途中でいなくなった2人はどうなったのだろう。
    逃げたのか飛ばされて死んでしまったのか…。

  • 珍しく?恐ろしくないやまんばが出てきますが、途中まではハラハラするのでギャップに一層ホッとしました。

  • 「ちょうふくやまのやまんばが、こどもうんだで、もちもってこう」秋田につたわる、豪快でしかも人間味を感じさせる民話。

  • 懐かしいな~この本‼️

  • ■伊藤忠041
    #やまんばのにしき
    #2階本棚・上段

    #読んであげるなら3才から
    #自分で読むなら小学低学年から

    ■出版社からの内容紹介
    「ちょうふくやまのやまんばがこどもうんだで、もちついてこう。」ある夜、村の空に大きな声が響きわたった。そこで村じゅう集まって、大さわぎで餅をついたが、届ける者がいない。相談のすえ、力自慢の若者ふたりと、ばあさまひとりがいくことになった。ところが、若者ふたりは途中でこわくなって逃げてしまい、残ったのはばあさまひとりきり。ようようのことで、やまんばのうちにたどりついたが・・・。
    ばあさまの知恵と勇気が、村に幸せを運んできます。秋田県に伝わる伝説をもとに描く絵本。

    #40ページ
    #26.5×21cm
    #伊藤忠寄贈図書

  • はじめての話でした。たいがいの日本昔話は見たり聞いたりしているものですが、これは初めてでした。
    やまんばが赤ちゃんを産んでいて、やまんばが若かったので、やまんばへの恐怖感はなかった。それに少し優しさをもっているやまんばだった。
    むしろ見た目はあかざばんばのほうが、それに近いかもしれない。

    話の展開や言葉遣いがとてもよく、THE昔話という感じでした。

    あとがきにある、うしかたとやまんばという話もなかなか面白かった。

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著者プロフィール

1926年、東京生まれ。1944年頃より童話を書きはじめ、1956年、信州へ民話の探訪に入り、『龍の子太郎』(講談社)に結実、国際アンデルセン賞優良賞を受ける。以来、民話に魅せられ創作と共に生涯の仕事となる。日本民話の会の設立にかかわり、松谷みよ子民話研究室を主宰。著書に『女川・雄勝の民話』(国土社)『日本の昔話』『日本の伝説』『昔話一二ヶ月』『民話の世界』(共に講談社)『現代民俗考』8巻(立風書房)など。

「1993年 『狐をめぐる世間話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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