- 本 ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591004654
感想・レビュー・書評
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1974年発表の記念すべき、『ねずみくんの絵本』一作目は、今年発表された最新作『ねみちゃんのチョッキ』で、本書の絵が使われていたことから興味を持ち、読んでみました。
まず驚いたのは、右開きで縦書きの文章と、まるで国語の教科書みたいな構成に、私が読み始めた、シリーズ後半が左開きの横書きだったため、この変わり目がどこなのか気になったことに加え、縦書きの文章も、これはこれで何度も読み返す内に気にならなくなり、このシリーズくらいのシンプルで短い文章ならば、却って、読み聞かせするのに、上から下へと良いリズム感が湧いてくるようで、楽しくなってくる。
それから、肝心の『ねみちゃんのチョッキ』で使われた、本書の絵についてだが、そもそも最新作に於いても、あまり浮いている感は無かったし、本書の場合、当然物語が異なるので、「なかえよしを(中江嘉男)」さんの、その絵の使い方の上手さが、まずはあるのだと感じたことに加え、「上野紀子」さんの、喜怒哀楽のはっきりした絵の見せ方には、改めて、子ども心のツボを良く心得ていることを実感させる、動物たちの、オーバーに誇張した極上の笑顔がとても印象に残り、思わずクスッとさせてくれる、そんなアットホームなムードは、シリーズを通して変わっていないと思う。
また、物語も、同じことを繰り返していく妙と、次第に大きくなっていく動物たちとが、比例していく面白さは、既に最初から確立されており、ここでも共通するのは、やはり子どもにとって、理屈抜きで笑ってしまうような微笑ましい雰囲気であり、最後に上手いことオチに持っていく展開も、ここでは、まだねみちゃんが登場しないので、シンプルにねずみくんの悲劇で終わるのが、却って意外に思われて可愛そうかなと感じたが、それでも奥付の絵の、その悲劇と思われたことに対する、逆転の発想を描いている点に、中江夫妻お二人の優しくて微笑ましい人柄を感じさせられたのが、本書を読んで、最も印象深いことであった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とてもシンプル。次はどう来るのか、次のページへの展開を想像して、前のページからクスクスしてしまう。
絵にも文にもこんなに余白を使えるのがすごい。そして、その余白がどう埋まっていくのかワクワクする。
ネズミ君のお母さんの気持ちになって、最後のほうでは叫びそうになります。-
2020/11/24
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2020/11/24
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まだお腹にいる子だから、声色を変えたり言葉を補ったりしながら読みました(*^o^*)
ポコポコが激しくなったので、楽しかったかな?
「こんなすんごい顔してたっけ!?」と夫と笑いながら読みました笑 -
「本のエンドロール」を読んで奥付けが大事であると認識してから間もなく、新聞に「ねずみくんのチョッキ」の記事を見つけた。この絵本はご夫婦で書かれ、ストーリーを夫であるなかえよしをさんが考えてラフスケッチを作り、それをもとにして妻の上野紀子さんが絵を描いたものだった。当初なかえよしをさんの出来上がった原稿では、おかあさんに編んでもらったねずみくんのチョッキが、あひるやさる、いるか、ライオン、馬と順繰りに着ていく内に大きく伸びていき、最後のぞうさんが着た時点で伸びきってしまい、ねずみ君ががっかりするという終わりだったらしい。ところが編集者の人に「これじゃあ寂しい」と言われて、徹夜で考え直し、伸びたチョッキがブランコになるというアイデアを思いつく。しかし、すでに絵本の割付けができていてスペースがなく困る。なかえさんは奥付けの余白を見つけ、そこに小さなカットで置くことで解決したというのだ。何とも素晴らしい、奥付けの出番だった!
子供に読み聞かせをしていた頃、私は果たしてそのカットに気付いていたのだろうか? 少し色褪せた「ねずみくんのチョッキ」を本棚から取り出して読みなおしてみた。象の鼻先にぶらさがった赤いブランコにちょこんと座ってブランコを漕いでいるねずみ君の記憶がぼんやり甦った。
奥付け画像を見たい人は下記へ(私のブログ)
https://amegasuki3.blog.fc2.com/blog-entry-609.html#more-
しずくさん、こんにちは。
奥付け見ました!
ほんとだ!すごい!
まさしくエンドロール。
映画館でエンドロールの後で、ちょこっと映像が流れたり...しずくさん、こんにちは。
奥付け見ました!
ほんとだ!すごい!
まさしくエンドロール。
映画館でエンドロールの後で、ちょこっと映像が流れたりするのを見落としてしまわないように気をつけなきゃ‥‥と同じですね。
「本のエンドロール」もぜひぜひ読んでみたいと思います!
2021/07/11 -
2021/07/11
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2021/07/11
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〝お母さんが編んでくれた、ぼくの赤いチョッキ。「ぴったり❢ 似合うでしょう」・・・ペリカン君が 「いいチョッキだね。ちょっと着せてよ」・・・「うん」・・・「すこしきついが、似合うかな?」。それを見てたサルくんが 「いいチョッキだね。ちょっと着せてよ。すこしきついが、似合うかな?」・・・サルからオットセイ~ライオン~アルパカ~ゾウくんへと、赤いチョッキがめぐり、めぐっていき・・・〟どんどん伸びていっても、不思議と綻びない “ネズミくんの絵本” シリ-ズ開幕編。
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とても有名なこの絵本、実はご夫婦で絵とストーリーをかいておられます。今は奥さんの上野さんは亡くなられましたが、大量に書き残した絵を繋ぎ合わせ、旦那さんのなかえさんが今でも新作を出しているので驚きです…!
言わずもがな定番絵本なので、あえて大人目線で面白さを語ると、絵でもストーリーでも余白があるのが粋ポイントです!
絵に余白があるおかげで、動物たちのサイズ感をよりダイナミックに感じてドキドキするし、
オチの付け方が、絵本らしからぬさり気ない描き方だけど、ねずみくんの気持ちを想像して救われます。
最小限の絵と言葉の組み合わせでうまく描かれているからこそ、印象的にハマるのだと思います。
動物たちのコミカルな表情にも注目です!
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「チョッキ」と呼ぶのが、懐かしくてあったかくていいですね。素敵な赤いチョッキを、友達が嬉しそうに試着する表情が微笑ましいけれど、だんだん大きな友達になっていって、伸び伸びのチョッキはしゅるーんと元のサイズに戻る…訳がなく、別の使い道ができました。戻る落ちも、私は捨てがたいのですが。
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ゾウにさえチョッキを貸してあげるネズミくんの寛大さ。
人間も見習うべき -
お母さんが編んでくれた、ねずみくんの赤いチョッキ。素敵なチョッキをみんなが着たがって……?
図書館本。
読むのは3回か4回目。扉の題字が凝っていることにようやく気付いた。どうなるかわかっていても、ついニヤニヤしてしまう。
しかしねえ、『すこし きついが』って、全然少しじゃない! あんたたち妙な性癖の持ち主に見えてきたわ(笑)。心の穢れた大人が読んじゃダメだねえ。 -
どんどん お母さんが作ってくれたネズミくんのチョッキが 大きくなっていきます
誰もが着てみたい
似合うかな?って
でも 最終的には
自分には 合わない大きさのチョッキ
お母さんは ネズミくんが
いろんな人に幸せを与えることを願ってたのかもしれませんね
なかえよしをの作品





