- 本 ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591005293
感想・レビュー・書評
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節分の日、優しい鬼の子供の”おにた”は住処を追い出されてしまい、豆まきをしていない家へ。そこでも鬼というだけで悪者のように思われ…。
鬼にも色々あるのに、一くくりにして悪者だと扱われることの不条理と切なさ。
こんなに凄い本だったのかと改めて驚き。
子供の頃多分ほとんどの人が読んだことあると思う絵本。
けれど、今も”おにた”と同じ気持ちになることがあると思う。
今も昔も、現実はなかなか変わらないんだなとも思う。
だからこそ、この絵本は、これからも次の世代に伝えられていくべきだと感じました。
久々、心の芯に沁みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔話で聞く鬼は人々に悪さする怖い存在で、私が子どもの時は、悪いことをすると鬼が来て連れ去られると言われ(秋田県男鹿のナマハゲよろしく)、だからこそ節分には一生懸命に豆まきをして「鬼は外!鬼は外!」と息巻いた記憶がある(笑)。しばらくして浜田広介の「泣いた赤おに」を読み、人と仲良くしようとする赤おにの優しさと友だちの青おにの思いやりに涙しながら良いおにだっているんだな。って思った事を思い出しながら本作品を読み終えた。
私たちは知らず知らずのうちに植え付けられた固定観念で物事を見てしまう事があるが、それぞれに違うことを常に頭に置きながら広い視野で考えていく大切さを教えられる。
『おににも、いろいろあるのにな。にんげんにもいろいろいるみたいに。』
この声を聴き取れる大人でありたい。 -
1969年の作品。
自分の中身も見てもらえず、単に「鬼」というだけで、悪いものだと決めつけられてしまう哀しさを、当時の子供たちの心は、どう捉えたのだろう。
(にんげんって おかしいな。
おには わるいって、きめているんだから。
おににも、いろいろ あるのにな。
にんげんも、いろいろ いるみたいに。)
あまんきみこさんのような、当時から、このような考え方を抱いていた人もいたことに、自分の勉強不足を思い知り、年代問わず、もっと色々な本を読みたいと改めて心に誓う。
表紙のいわさきちひろさんの、瞳のやさしさを感じさせる、おにたの絵が印象的。 -
切ない…絵が綺麗で儚くて更に切ない…
鬼がみんな悪い鬼とは限らないという
昔の絵本なのに考え方が今どき? -
節分の豆まきの前に読むと豆まきが盛り上がらないタイプの節分の絵本ですが、日本的な「鬼」の考え方の一つの視点を学べる良著ですし、季節外れの時でも機会があれば呼んであげたいですね。
鬼を見たことがない登場人物の子供にとって鬼を想像すると言う事は難しい話ですし、鬼と呼ばれるだけで追い払われてしまうおにたの気持ちもわからんではないのですが、人が悪いわけでも社会が悪いわけでもないし、このすっきりしねぇ感じがたまらないですね。 -
節分の日のお話。
おにたは気のいい鬼
恥ずかしがり屋のおにたは見つからないように
まことくんのおうちの物置小屋に住んでいる。
なのに・・・節分の日。
豆まき「鬼は外~」
こなゆきの中、物置小屋をでていく。
いわさきちひろの絵とお話がとてもしっくりくる。
こなゆきの中の足跡が・・・かなしい。
おにたは まめの匂いがしない女の子のうちへ。
病気のお母さんを看病している。
おにたは また女の子にやさしい行動を。
「わたしもまめまきしたいな。鬼が来れば
おかあさんも病気がわるくなるわ」
「おにだっていろいろあるのに・・・おにだって」
まめになったおにた。
どんなきもちだったんだろう。
かなしかったのか。
願いをかなえてあげて満足したのか。
不条理を感じる。
節分に「鬼は外~!」って言いづらくなりそう。 -
節分にはかかせない、チョッピり切なくて
でも、心あたたまるお話です。
子どものころからすきな本です(o^^o) -
おにた…優しいのに…切ないなぁ。いわさきちひろさんの絵もはかなげでステキな名作。節分の時にこのお話、いつも思い出す。
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子供の頃、親戚の誰かがプレゼントしてくれた本。
優しい鬼の子が思いやりを発揮して少女を喜ばせるが、
ずっと一緒にいることはできない……という、
思い出すたび切なくなるお話。
いわさき氏の絵が否が応でも哀感を掻き立てる。
著者プロフィール
あまんきみこの作品





