山のいのち (えほんはともだち 10 立松和平・心と感動の絵本 1)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 179
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (30ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591033401

作品紹介・あらすじ

はかなさと、せつなさと、美しさ…これが"いのち"です。立松和平がしたたる緑の中に生と死のきらめきを描く。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で見つけた、立松和平さんと伊勢英子(いせひでこ)さんによる、1990年の作品。

    これまで見てきた、いせひでこさんの絵とは、また感じの違う水彩画で、山の木々のどっしりした質感や、日本特有の蒸し暑さが体感できるような空の絵には、自然の爽やかさ以上に、偉大さ、畏れめいたものを感じられました。

    また、立松和平さんの語る、自然のサイクルや、それをいただいている感謝の気持ちには、肯けるものがありましたが、そこに残酷な一面があることについての描写に関しては、読者を選ぶかもしれません。

  • 「誰とも話をしない少年。祖父と、山と、生き物と出会う。
    自閉症の少年静一は、山奥の父の故郷で祖父と二人で暮らすことになった。山で暮らすうち、少年の心には再び命の輝きがよみがえる。」

  • 2021.11.11 6-3

  • ◆きっかけ
    いせひでこ『7つめの絵の具』p35 2016/7/30

  • 山に住むおじいさんの家に来て、
    ニワトリを殺したイタチを殺し、そのイタチで魚を獲る。
    「山のいのち」を頂く生活に、何かを感じる少年。
    絵も表現もキレイですが、ちょっと難解。

  • さして名も無き山に入る。ときに山頂をめざし、ときにヤマメを釣る仲間に添って渓流を渡る。辺りに知らぬ人影もなく、鳥のさえずりのほかは、風にそよぐ草木とせせらぎの音ばかり。酸素が満ち、皮膚が深呼吸を繰り返す。この惑星には、この地上には何十億という人間が蠢いているというのに、囲む一体、これだけの広大で美しい大地を独占しうる不思議。ここに生きる知恵と技はなくとも、命を浄化する山のめぐみを求め、再び訪れん。

  • 「海のいのち」と同じく立松・伊勢コンビの、小学校高学年以上を対象にした絵本。
    「海のいのち」は教科書に採用されたのに、なぜこちらはされなかったのか、という疑問は読めば解ける。
    飼っていた鶏を食ったいたちを殺して、肉を魚の餌にする、というのはまあ、学校では教え辛いよね。
    祖父が最後まで孫である主人公の名を呼ばず、父(息子)の名前で呼ぶあたりも、老人の老い、家族の確執まで感じられ、居心地悪い。
    でも、小説としては悪くないよ。
    伊勢英子嫌いだから、絵はいやだけど。

  • 小学6年国語「海のいのち」の、同じ作者のいのちシリーズ。
    殺したイタチで川魚をとる手法を孫の前で軽々とやってのけるおじいちゃん。
    孫は何を想うのだろうか。

  • 生きるとは。
    山に行きたくなった。

  •  本書の「奥付」によると,本書は立松和平の絵本としては,処女作だそうだ。
     光村図書の小学6年生の国語の教科書に「海の命」という話が載っているのだが,本書も,その命シリーズの1冊と言える。
     都会育ちの孫が,おじいちゃんの住む田舎にしばらく過ごすのだが,おじいちゃんは,孫を自分の息子の名前で呼んでいて,それが訂正されないまま物語は進んでいく。それがなんとも不思議な雰囲気を醸し出している。
     「木を植えた男」のような,伊藤英子さんの絵が,物語の進行にとてもピッタリしていたのが印象的。

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著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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