海のいのち (えほんはともだち 25 立松和平・伊勢英子心と感動の絵本 2)

著者 :
  • ポプラ社
3.89
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591041758

感想・レビュー・書評

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  • 「山のいのち」に続く二作目で、表紙のいせさんの絵の、眩いばかりに美しく神々しい海の光景に、しばし魅入ってしまう。

    なんでも、この作品の絵を描くために、いせさんがダイビングのライセンスを取り、それを聞いて恥ずかしくなった立松さんも、ライセンスを取った話を知り、微笑ましいものを感じたのですが、おそらく、その体験を踏まえた、いせさんの海中の絵がとても印象的でした。

    海面近くは、ビビッドな青で描きながら、深いところにくると、ほとんど黒に近い青と灰色の世界は、海の持つ美しさとともに、底知れぬ恐さと静謐さが感じられ、それとは対照的に、そこから海上を目指しているときに見える、白く輝く光の粒の優しく温かい描写には、自分の世界に戻ってこられたような安心感があり、地球上には海の外と中とで、全く別の世界が存在していることを教えてくれるようでした。

    また、海の偉大さだけでなく、立松さんの、そこに住む生き物たちへの温かさと尊敬の眼差しが感じられたのも印象的でしたし、物語の主人公「太一」の、父の死を思いながらも、海や生き物たちに敬意を抱く、その姿勢には、人と自然の共存のあり方を見せられたような気がしました。

  • たしか道徳か国語の教科書に載っており、衝撃を受けました。
    その後絵本を手に入れ、何度もなんども読み返し、海に憧れ、図工の時間には真似して絵を描き…
    創作からの疑似体験ではあるものの、自然への畏れ、というのに初めて出会ったのはこの絵本だと思います。

    同じ作者の『山のいのち』では、したたるような緑、という表現をはじめて目にして感嘆しました。
    こどものころに読んでいちばん影響を受けている本です。

  • 小学校6年生の国語の教科書掲載。まあ、悪くはないんだな。
    絵本と言っても小さい子には難しい内容。短編小説に挿絵をつけた感じ。
    しかし、もうね、私はどうしても伊勢英子が好きになれないのよ。
    絵も、もちろん上手いよ。海の中から上を見たときの絵なんかきれいだし。
    でも、主人公の姿、これはなんですか。パリコレの白人モデルみたいな顔と姿は。日本の漁師の話じゃないんかい。
    こういうなんかすべてをきれいごとにしてしまう姿勢が、彼女の文章にも現れているよな。(この本とは関係ないが)
    伊勢英子(いせひでこ)とあるだけで、いつも読む気をなくしながら、挿絵の仕事は大目に見ようと頑張ったのだが、これだけ絵が占める部分が大きいと、いくら文章が味わい深くても、好きになれない。

  • 2021.02 5-3

  • こどもの頃、教科書に掲載されていました。

    久々に読むと、子どもの頃は、クエとの対決シーンでドキドキとはちがう、静かな緊張を感じたことを思い出しました。

    おとなになると、クエとの対決よりも、師匠さんやお母さんの思い、それを背負う太一が印象的で泣いてしまいました。
    自然の雄大さも感じることができます。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00332874

    ***あらすじ***
    父の命を奪った、巨大な魚を追うため漁師になった青年が、海の中で見たものは・・・。海のもつ豊かさを、感動的に描いた作品。
    (出版社HPより)

  • ちょっと感動しました。いつか聞いたようなお話ではありましたが、立松和平さんの思いと伊勢英子さんの温かな絵が心に迫って来ました。

  • クエ漁師の話。海のいのち、父と子、そしてふるさとと。立松和平さんの文が心を揺れ動かしていく。教科書に載っていなくても、読み聞かせたい。

  • 6-1 2013/09/04

    **********
    「職業紹介」に。
    亡くなった父の職業、漁師にあこがれて祖父に弟子入りする少年の話。

  • 6年 光村教育図書

    太一の父は、もぐり漁師
    ある日、クエを突きに行って帰らなかった

    太一は与吉爺さに弟子入りする

    いつしか一人前になった太一は、父の亡くなった海に潜り、青い目の生き物に遭遇する

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著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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