メルティの冒険: 遙かなるア-ランド伝説 (心にのこる文学 34)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 39
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591057797

作品紹介・あらすじ

故郷をすてた『豪腕』メルティは、『剣神』ゼルハルトや盲目の魔女ウィヴィナスらとともに、伝説の地・アーランドをめざす冒険の旅に出る。眠れる者を死へと引きずりこむ霧の谷、血をも凍らせる常雪の山、呪われた死人の町…そして背後には欲望の悪魔に取り憑かれた大盗賊ニベルダンの影が-。

感想・レビュー・書評

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  • 「自分にはないもの」をほしいと願う主人公の少女が、同じ想いを抱えた人たちとともに「どんな願いでもかなえてくれる泉」を目指して冒険に満ちた旅をするというお話。久しぶりに児童書を読んで、恥ずかしながら先が気になって思わずハラハラドキドキしてしまった一方で、いろいろなことを考えさせられた気がします。
    本書を通してよく出てくる科白に「不公平だ」がありますが、不公平とはいったい何でしょうか。倫理などの文脈ではよく、一人ひとりの持っているものが違うことを「多様性」として肯定的に捉えようとします。一方で、「他をうらやむ」という感情こそが、個人の進歩や社会の発展の原動力になっていることも事実であるように思えます。きっと、「うらやみ」や「希求」が「欲望」へと変わったとき、それは有益なものから有害なものへと姿を変えてしまうのでしょう。そしてその中間段階として「不公平感」がある。そうしたことすべてが、そしてそれらを超越する途の一つが、本書の中には描かれているように感じられるのです。
    私は残念ながら「人をうらやむ」という体験がほとんどなかったため(これは私が特別恵まれていたということでは断じてなく、私がそうした感情から目をそむけてきた結果だと思います)、主人公メルティの抱える気持ちに完全にコミットすることはできませんでしたが、魔女ウィヴィナスの存在は、どれだけ求めても手に入らないものがあることを示しているようで、彼女の心情は痛いほどに伝わってきました。久々に貴重な読書体験をしました。

    (2010年10月入手・11月読了)

  • 子供の頃に読んだ本を再読

  • 子供向けだけど、完成度がかなり高いと思う一冊。自分にない物を求める旅。その終着点で得た答えとは…!?おすすめ!

  • 図書館が割と遠く、気軽に借りに行けなかった低学年の頃、母が適当に借りてきてくれた本です。当時の自分が直接行ったなら多分借りなかった本だと思うので、おすすめしてくれた母にとても感謝しています。

  • これも感想画描いた…なつかしい。
    おそらく私が教科書以外で初めて読み切った小説。
    そして創作意欲に初めて火を付けた作品。
    この本、たしかおじさんが話し言葉で語っていく形式だったと思うんですが、これの模倣小説を書きはじめたのがきっかけで今創作とかしてるんだと思うんです。
    ありがとうメルティ。

  • 2001 7 8

  • これまた読みたいなあ。雪山で酒を回し飲みするエピソードだけ印象に残ってます。

  • 大好きです!初めてまともに読んだ本。「可愛くなりたい」と強面マッチョの女の子が旅をしていくお話。手に入ればまた読みたい!

  • 鍛冶屋の女の子が自分の願いを叶えるために冒険に出て行くお話。
    なんだか普通に聴こえますが、主人公は女の子なのに怪力で背も高い。途中で仲間になる冒険者達も皆コンプレックスを抱えてます。
    ラストがちょっと落ち着かなかったので及第点。

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