くまの子ウーフ (くまの子ウーフの童話集 1)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 1091
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591069479

作品紹介・あらすじ

あそぶことが大すき。たべることが大すき。そして、かんがえることが大すきな、くまの子ウーフ。ほら、きょうもウーフの「どうして?」がきこえてきます。

感想・レビュー・書評

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  • キツネが出ないとこは全部面白かった。
    あいつムカつく。言い方とか!
    あいつが出てこなかったら面白かったのに。
    (S9)

    小学生のときに教科書に出てきたウーフ。ウーフはなんで出来てるの?
    「ぼくはぼくで出来てるんだ」
    今読むとガツンと降ってくる言葉がたくさん。
    どこまでチビちゃんが感じるだろう。
    何度も読んでほしい。

  • こんな名作に何を今更である。
    そうは言っても、この季節になると読み返したくなるのだ。
    たぶんそれは、めぐり巡るスプリングエフェメラルの不思議さに、いまだに心打たれてしまうからだろう。
    ただ私は、「いい大人」なのでそれを言わないし、言えない。

    素直に疑問を口に出すウーフには、いつでも丸ごと受け入れてくれる優しいお母さんがいる。
    意地悪なツネタに「ウーフはおしっこで出来ている」とからかわれたときは、泣きながらも自分の身体で答えを出す。
    私はそれもしない。大人って、なんだろう。
    私だってかつてはウーフだった、はずだ。
    すべての子どもはみなウーフのように真っ直ぐに生きて良いはずだ。
    「ぼくには手があるから、お母さんに抱っこできる」って、喜んだり、
    チョウチョを窓で挟んで死なせてしまったと、涙を流したり、
    夏の暑い日には、「ソフトクリーム百個なめたい」なんて言ってほしい。
    どれもこれも、なんて愛おしいウーフだろう。
    読みながら、何度も何度も心の中で抱きしめてしまう。
    そしてすべての子どもがこうであったらと、願わないでいられない。
    小さな事件がいっぱいの、ウーフの日々。
    でもそこには常に、愛情にあふれた両親の存在がある。
    「みんなが一匹ぶん、しっかり働けばいいんだ」と教え諭すお父さんの、なんと頼もしいこと。
    それだからこそ、ウーフはウーフで出来ているのだね!

    とうの昔に両親を亡くした私に、ウーフのような平安はないけれど、
    平安を誰かに届けることなら少しだけ出来る気がする。
    ウーフを読むと、小さな小さな勇気の芽が生まれる。

  • 主人公のウーフが、ときどき哲学的な問題を思い浮かべながら、日常生活を送っていくお話。

    大人の目線で読めば、それらの問題の元ネタはすぐ分かるわけですが、でもこの本には、子どもに「さあ一緒に考えてみよう」と呼びかけるような押しつけがましさや、あざとさはありません。

    むしろ哲学的な問いを主題としながらも、物語はあくまでも淡々と進みます。解答らしきものが示されることもあるけれど、基本的には「物語」が優先しており、ときには問題そのものがほっぽり出される形で急にストーリーが完結してしまうこともある。そういう意味では不条理です。

  • おもしろかった!
    ウーフがかわいい。やさしくて、食べるのがすきで、どろんこで遊ぶのがすきで、おれそっくり。いっしょに遊びたい。目玉やきとはちみつがおいしそうだった。服もかわいい。お父さんとお母さんもやさしい。
    ツネタはいじわる。はさみでウーフの毛を切っちゃうピピは、こわい。(小3)

  • これは!

    まさにアイデンティティの目覚め!

    まど・みちおさんの大好きな詩

    『くまさん』

    を物語にしたかのような。

  • 児童向けの日常系のほのぼの話は眠くなって読めないのですが、ウーフは時折哲学的な疑問が差しはさまれている点が面白かったです。ウーフの素朴な疑問に、子どもは子どものなりに、大人は大人なりに、考えられて面白いと思う。

    「ウーフはおしっこでできているか?」で最後にウーフがたどり着いた答えもいいし、「ちょうちょだけになぜなくの」は、今でも普通に考える疑問でもあります。
    「くま一ぴきぶんはねずみ百ぴきぶんか」で、最後にお父さんが答えてくれる答えに、そうかーと納得したり。
    個人的には、「たからがふえるといそがしい」で、ヘビがやっつけられてしまうのがなんだか可哀そうでした。くまとキツネやうさぎや小鳥は共生しているのに、ヘビは完全悪かい、と。
    ツネタは最初から最後まで性格が悪すぎて、それはそれで面白かった。

  • 「児童青少年の読書資料一覧」(中多泰子 ほか『改訂 児童サービス論』樹村房、 2004)の、「小学校初級から中級むき」で 紹介されていた
    読み聞かせの簡易実技試験に出たのに読んだことがなかったので、図書館で借りた

    【もくじ】
    1 さかなには なぜ したがない
    2 ウーフは おしっこでできてるか??
    3 いざというときって どんなとき?
    4 きつつきのみつけた たから
    5 ちょうちょだけに なぜ なくの
    6 たからが ふえると いそがしい
    7 おっことさないもの なんだ?
    8 ? ? ?
    9 くま一ぴきぶんは ねずみ百ぴきぶんか

    確かに名作、哲学的な疑問と素朴な思考力に脱帽だ
    5では、確かに私たちは自分勝手だよなあ、と思わされる一方で、自分の中で何かの基準を保つことは不可欠だし仕方ないよな、なんて考える
    8では、そうなんだよね、わかるよ、女の子だもんね、とほほえましく思うと同時に、ウーフに同情してしまった
    7と9は、今の私には特に感慨深い
    いま持っているものを大切にすること、まわりのすべては自分と繋がっている大切なものであること、自分を精一杯生きればいいこと、忘れがちな大切なことに、気づかせてくれる
    子どもに読ませたい一冊だ

  • 9つのお話を収録。

    子どもの頃読んだ記憶があり懐かしかったです。
    ウーフの疑問は、素朴だけれどけっこう深い。
    大人でも考えさせられます。

    特に印象に残ったお話は「くま一ぴきぶんはねずみ百ぴきぶんか」

    >~だれのなんびきぶんなんかじゃないんだよ。おとうさんはくまだから、くまの一ぴきぶん。ウーフなら、くまの子一ぴきぶんさ。みんなが一ぴきぶん、しっかりはたらけばいいんだ。~

    つい人と比べてしまいたくなるけれど・・・お父さんの言葉はさすがだなと思いました。

    毛皮を切られるウーフの話が面白かった。(長女小2)

  • まだ途中ですが、あまりにも面白いのでたまらなくなりました。
    しょっぱなから、ウーフ(笑)って感じ。
    文章が秀逸でたまりません。
    簡単な切り口で、でも巧妙な書き方で、大人が読んでも引き込まれました。
    全体を読んでの感想も、上記と変わりませんでした。やはりウーフ(笑)って感じ。
    キツネのツネタくんの意地悪っぷりに時々くぅっとなりました。
    描写が、いい。
    ズキンズキンじゃなくて、ずくん ずくん。
    銀いろのハーモニカの音色は、りら るら すいー。
    ときめきます。

  • 「めんどりは、いつもたまごをうむから、たまごでできているんだな。じゃぁ毎日おしっこをするウーウfは、おしっこでできているの!?」

    (『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部 より)

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著者プロフィール

神沢利子 1924年、福岡に生まれる。子ども時代を北海道樺太で過ごす。文化学院文学部卒業。童話作品に『ちびっこカムのぼうけん』(理論社)『くまの子ウーフ』(ポプラ社)『銀のほのおの国』『流れのほとり』(福音館書店・日本児童文芸家協会賞)『神沢利子コレクションI~V』(あかね書房・巌谷小波文芸賞)など、絵本に『たまごのあかちゃん』『おばあさんのすぷーん』『ぽとんぽとんはなんのおと』『おっとせいおんど』『いいことってどんなこと』『えぞまつ』(以上福音館書店)など多数の作品がある。東京在住。

「2022年 『てんのくぎをうちにいった はりっこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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