- Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591076934
作品紹介・あらすじ
世界の終わりが近づくとき、少年は…涙の味を思い出す少年たちの4つのストーリー。
感想・レビュー・書評
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「鬱児童文学として名高い一冊」と聞いて読んでみた。
表題作は、核戦争後、シェルターで家族と暮らす少年の話。
ドラマチックにはせず、淡々とその恐怖を描いている。
けれど、ラストの展開で、救いはないけれど後味が悪くもなかった。
思いがけず背筋が冷えたのが「約束」。
もう怖い…怖い…!
こっちが鬱だわ、私には…。
怪談的怖さと人の怖さを重ねて来る容赦なさ。
しばらく忘れられそうにない…。
他の収録作もシビアだけれど、さすがの那須正幹、描写に長けていて、読ませる。
「鬱児童文学」、なんて一言でジャンル分けすることの是非はともかく、面白い(もちろん、愉快ということではなく)一冊だというのは間違いない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『少年』たちが主人公の短編集。
表題作も、他の話も、淡々と、可も無く不可もなく、
それでも少しだけヒリッとする痛みを抱えた物語。
表題作の核戦争後の世界と言う
ファンタジックな設定に惹かれました。
世界が崩壊しようとしていても、
命の危険を顧みず、少年は少女のために動き出す。
王道ですが、そういう物語は好きです。
この設定、もっと全面的に活かされた長編を読んでみたいなあ。 -
10年ほど前に1ヶ月だけ住んでいた岐阜の図書館でなんとなく手にとって読んだことがあった一冊。
表題作の読後感がゾッとしつつも不思議な爽快感もあり、なんともいえず印象的で覚えていた。
あれから10年、結婚して移り住んだ土地の図書館で思いがけず再会して再読。
人生も本との縁も不思議なものだ。
今回気づいたけど、表題作はSF、「まぼろしの町」や「約束」はファンタジーの趣もあるし、収録されている4作とも、子どもの頃に吸っていた空気が蘇るような不思議なお話だ。
ゾッとするほど絶望的な状況なのに、美しさや希望すら感じる表題作。
後味にノスタルジーとほろ苦さ、そしてすこしのあたたかさが残る「まぼろしの町」と「ガラスのライオン」。
人間の集団の残酷さと物語の結末にゾッとさせられ、なんとも後味の悪い「約束」。
今回読んで気づいたけど作者は「ズッコケ3人組」シリーズを書いておられた方だったのね。
読み終えてみてとても良い短編集だと思う。
前回読んで咀嚼しきれなかったほろ苦さをうまみに感じられるようになったのは、読んでる自分が大人になったということなのかしら。 -
次男用の本を児童所の棚から選んでいてふと手にとった本。ズッコケ三人組シリーズの作者であるが、絵もタイトルもまったく雰囲気が違う!(実はズッコケ三人組シリーズ読んだ記憶がないのだけどw)
少年視点のストーリーは近未来SF、ファンタジー、ホラー、ミステリーの要素が含まれていて、児童書なので難しい表現もなく、美容院で読むのにちょうどいい長さ&軽さだった。
いや、テーマは決して軽くないんだけれども・・・読後感が重くないのは、やはり児童書だからかな? -
むむむ。
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短編4本
子供目線の、子供故の罪悪感をえぐるような物語。
全体にストーリーは安易で、簡単に読めたけど不満が残る。 -
しばらく前に読了。
以前出版された短篇集「六年目のクラス会」から四編を収録したもの。どれもどこか後味が悪くて、那須さんらしいなと思う。こういう断ち切られる感覚は短篇の方が合っているのかも?表題を「The End~」にしたのはインパクト重視だったのかしら。
「六年目のクラス会」所収のほかの作品も、いつか読んでみたい。 -
zukkoke三人组。我「约定」稍微可怕。
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たまたま目に入ったタイトルに惹かれて。