星野道夫物語: アラスカの呼び声

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591076958

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  • 星野さんの死後に、周りから情報を集めて書かれた、星野さんの伝記。
    彼がどのようにアラスカ写真家になっていったのか分かってとてもよかった。

  • 写真家、星野道夫さんのあまり知られていない若い頃のエピソード集。

  • 星野道夫自身が書いたいくつもの文章が、この本の中で一本の線上でつながり、さらに広がりをもって見えてくる。
    特に、星野道夫の中学・高校、そして大学での生活については知らないことも多く、動物写真家星野道夫が誕生する道筋がよくわかった。
    星野道夫は、夢を夢で終わらせない行動の人であり、その熱意とやさしさによって、大勢の人に愛された人であった。
    「動物写真家」という一つの職業ではくくれない大きさが彼にはある。
    実際、「作家」星野道夫にも大きな魅力を感じている。

    本書の最後に、星野道夫が43歳の生涯を閉じた年に出版された写真絵本『ナヌークの贈りもの』が紹介されているが、その中でナヌーク(エスキモー語でシロクマのこと)が少年に語る言葉が印象的である。

    少年よ、わたしたちはアザラシを食べ、アザラシは魚たちを追い、
    魚たちは海の中の小さな生きものを口にふくむ。
    ──生まれかわっていく、いのちたち。

    おまえのおじいさんの最期の息を受けとった風が、
    生まれたばかりのオオカミに、最初の息をあたえたのだ。
    ──生まれかわっていく、いのちたち。

    少年よ、消えていくいのちのために祈るのだ。
    おまえのおじいさんが、祈っていたように。
    おまえのその祈りこそが、
    わたしたちに聞こえる人間のことばなのだ。

    われわれは、みな大地の一部。
    おまえがいのちのために祈ったとき、
    おまえはナヌークになり、
    ナヌークは人間になる。

    いつの日か、わたしたちは、
    氷の世界で出会うだろう。
    そのとき、おまえがいのちを落としても、
    わたしがいのちを落としても、
    どちらでもよいのだ。

    ポプラ社から出版されていることからもわかるように、少年・少女や若い人たちに読んでもらいたい本である。

  • 「自分の一生の中で何をやりたいか?そのことを見つけられるということは、とても幸せなことだと思います。あとは、その気持ちを育ててゆくことが大切です。育ててゆくということは、勉強したりしてゆくことで本を読んだり、人に会ったり・・・ その結果自分の好きなことをもっと好きになってゆくことだと思います。才能なんていうものは、その対象に関わる気持ちの前では、小さな小さなことです。長い時間の中ではさらにそうです。自信を持って進んでください。」

    自分がどれだけこの言葉に励まされ、勇気付けられたかわかりません。

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著者プロフィール

滋賀県生まれ。同志社大学商学部卒業。日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、宮沢賢治学会、日本野鳥の会会員。童話や児童小説の他、子ども向けノンフィクションを多く書いている。野鳥や自然を題材とした物、人物ノンフィクションの作品が多い。2010年に作家や編集者たちと〈ノンフィクション児童文学研究会〉を立ち上げ、ノンフィクションについての研究活動を続けている。おもな著書に『スズメの大研究』星野道夫 アラスカのいのちを撮りつづけて』(共にPHP研究所)、『絵本 宮沢賢治の鳥』(岩崎書店)、『信長とまぼろしの安土城』『鳥のいる地球すばらしい』(共に文溪堂)などがある。『トキよ未来にはばたけ』(くもん出版)で第7回福田清人賞を受賞。

「2018年 『ノンフィクション児童文学の力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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