幸福という名の怪物 (ミステリー&ホラー文学館 11 地獄堂霊界通信2 VOL. 5)
- ポプラ社 (2003年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591078808
感想・レビュー・書評
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地獄堂シリーズⅡは、あんまり子供向けじゃない印象が強かったのですが、ここに至るまでは「そーでもないかー、暁の存在くらい?」と思っていたら、ここに来てドカンと来ました。
サー・マーカス・ヴァレンタインの登場です。
蒼龍のツッコミがもう……彼に日々どんな目に合っているかが忍ばれようというものです。
話は面白かったです。
サー・マーカスが初対面の三人悪を見て「……虫?」と言った時には、つい吹き出しましたし、ストーリー的にも面白かった。
ただ、地獄堂じゃなくて他の話だったら良かったのにな~という気持ちはどうしても拭えなかった。
腐女子系の話は、まあいいとして、一番はやっぱり椎名の幸福の夢のような気がする。
椎名が大人びた子で厭世観を持っていることも知っていたけど、あの夢は読んでいる方にもショックだった。
ああいうてっちゃんを見た、ということは、夢だと分かっていても、いや夢だからこそそれを見たのが椎名ってことだけで衝撃はかなり大きかった。
椎名に対しても残酷だとは思ったけど(故にあの後の椎名の怒りは本当に正当だと思う)それ以上にずっと三人悪を好きで見続けていた読者は、やっぱりショックだったんだじゃないかなーと。
有り得ないことではないと思うけど、それを見せつけないで欲しかった、というところかもしれない。
まあ一読者のたわごとと言えばそれまでだけど。
話はおもしろかったけど、そういう意味では切ない話でした。
あとちっょと、蒼龍が崩れ過ぎな気も(爆)
仮にもヨーロッパで認められている術者なのだから、三人悪の減らず口にたまには乗せられても、始終だとソーちゃん…と思わずにいられない。苦笑いくらいのスタンスだと嬉しい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
椎名が印象的過ぎる