幸福という名の怪物 (ミステリー&ホラー文学館 11 地獄堂霊界通信2 VOL. 5)

著者 :
  • ポプラ社
3.81
  • (15)
  • (5)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 78
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591078808

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 地獄堂シリーズⅡは、あんまり子供向けじゃない印象が強かったのですが、ここに至るまでは「そーでもないかー、暁の存在くらい?」と思っていたら、ここに来てドカンと来ました。
    サー・マーカス・ヴァレンタインの登場です。
    蒼龍のツッコミがもう……彼に日々どんな目に合っているかが忍ばれようというものです。

    話は面白かったです。
    サー・マーカスが初対面の三人悪を見て「……虫?」と言った時には、つい吹き出しましたし、ストーリー的にも面白かった。
    ただ、地獄堂じゃなくて他の話だったら良かったのにな~という気持ちはどうしても拭えなかった。
    腐女子系の話は、まあいいとして、一番はやっぱり椎名の幸福の夢のような気がする。
    椎名が大人びた子で厭世観を持っていることも知っていたけど、あの夢は読んでいる方にもショックだった。
    ああいうてっちゃんを見た、ということは、夢だと分かっていても、いや夢だからこそそれを見たのが椎名ってことだけで衝撃はかなり大きかった。
    椎名に対しても残酷だとは思ったけど(故にあの後の椎名の怒りは本当に正当だと思う)それ以上にずっと三人悪を好きで見続けていた読者は、やっぱりショックだったんだじゃないかなーと。
    有り得ないことではないと思うけど、それを見せつけないで欲しかった、というところかもしれない。
    まあ一読者のたわごとと言えばそれまでだけど。

    話はおもしろかったけど、そういう意味では切ない話でした。

    あとちっょと、蒼龍が崩れ過ぎな気も(爆)
    仮にもヨーロッパで認められている術者なのだから、三人悪の減らず口にたまには乗せられても、始終だとソーちゃん…と思わずにいられない。苦笑いくらいのスタンスだと嬉しい

  • 椎名が印象的過ぎる

著者プロフィール

和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。

「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

香月日輪の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×