- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591083635
作品紹介・あらすじ
2003年の有名なアカデミー賞受賞スピーチから、記録的大ヒットとなったドキュメンタリー映画『華氏911』まで、マイケル・ムーアはブッシュ政権とイラク戦争を遠慮会釈なく批判してきた。だが、この本では、批判者のなかの真の英雄たちにスポットライトを当てる。それはイラクで実際に戦ってきた男女だ。彼らはここで、自分たちの任務と最高司令官である大統領についてどう感じているかを、世界の人々に知ってもらおうとしている。ムーアはまた、過去の戦争に出征した退役軍人や、戦地にいる兵士たちの母親や父親、妻や夫、兄弟や姉妹からの手紙も紹介する。
感想・レビュー・書評
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ブッシュ批判の先鋒にたった映画監督マイケル・ムーアへのメールをまとめた書簡集。
ブッシュの戦争に駆り出された(駆り出されそうな)兵士たち、別の場所にいる現役兵たち、退役軍人たち、軍人の家族や友人や教師たちからのメールが収められている。
マイケル・ムーアにメールを出す人たちだから、少なくとも調べもせずに罵言を吐くような頭からガチガチの右翼は入っていないんだけど、それでも当時のアメリカの一端を垣間見られる。
リベラルと保守の違いよりも、経験の違いが大きく現れる。
現役米兵でも、イラク(やアフガン)に行った(行かされそうな)人と、他の地域にいる人には温度差がある。
かつての湾岸戦争やベトナムへ行った軍人と今の人も違うけれど、別の地域の現役兵と別の戦争に行った退役軍人はわりと似ている。つまり「俺たち(=自分)」を否定しないために「俺ら(米軍)」を肯定しようとする。
軍人を心配する人たちは軍人とはまったく違うはずなんだけど、退役軍人よりもよほど現役軍人の書くことに近い感情を表している。
この本に出てくる人たちはみんながブッシュの戦争に疑問を呈しているけれど、それは飽くまでブッシュが間違っているからで、アメリカや米軍への愛を表明するし、正義の戦争があることを信じてる。
マイケル・ムーアの作品にふれて「目覚めた」人ですらこれなんだから、見もせずに批判している人たちはどんななんだろう。
侵略ばっかしてないでもっと国内に目を向けようよという意見ですら、アメリカに貧困な地域があるのにイラク人の医療にあんなに金をつかいやがってみたいな思考になるのが怖い。自分が壊したものを賠償するのは当たり前だろう。
特に退役軍人はいつの時代のどの国も似たような感じで怖い。
最後の支援先リストもなんか日本語版で読むと微妙な気分になった。
アメリカ版をそのまま訳しただけで、他国に支援を求めているわけじゃないんだとは思うけどさ。
軍人の支援は必要だけど、そんなのはこの道を選んだアメリカが払うべきコストにすぎない。
アメリカじゃない国がすべきはアメリカに襲われた国の支援だろう。 -
華氏~の映画を見た人々からの手紙紹介。
本当にただただ手紙紹介。単調といえば単調。
でも、実際に戦地に立った人や
戦地に立った人と関わった人の言葉は重いものがあります。 -
大学の図書館でふと目についた本。
いやー、手紙の数が多いな。笑
手紙の内容も、似たようなものも多く途中で読むのに疲れました。
けど、こうして戦場の兵士の生の声が知れたのは、貴重で意義のある本だと思った。メディアから流れる情報だけじゃ真実は分からない。
戦場に赴く兵士は感情を押し殺して任務に当たっているというある種の偏見を覆してくれました。
でもやっぱり戦争って悲しいね。
華氏911を観たら、またもう一回読んでみたい。
ちなみにこの本、表紙のカバーを剥ぐと、デザイン性の高いカッコいい本に姿を変えます。