怪人二十面相 (少年探偵・江戸川乱歩 文庫版 第 1巻)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591084120

感想・レビュー・書評

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  • コナン(小林芳雄?)はここから来てる感じがして面白かったです。
    7つの道具がまさにその印象を受けました
    ・きみのはたらきのことを、学校でみんなに話したら、ぼくと同じ考えのものが十人も集まっちゃったんです
    → 少年探偵団「聞きこみ」探偵方法
    ・なまじっか、おとななんかより、子どものほうがすばしっこいし、相手がゆだんするから、きっとうまくいくと思いますよ
    ・7つの道具
    万年筆型懐中電燈、小型の万能ナイフ(さまざまの刃物類が折りたたみ)、なわばしご、万年筆型の望遠鏡、時計、磁気、小型の手帳と鉛筆、小型ピストル
    ピッポちゃん、可愛い鳩=信仰的な対象
    伝書バトはラジオでもあり、飛行機でもある
    眠りの小五郎⇒眠って絵画を盗まれたことからの由来だとも考えられる

    ・二十面相って血が嫌い
    ・西洋のギャング映画を比喩で使用
    ・小林少年を幼いと印象づけるためにあえて漢字を少なく表現している。会話の時の口調も
    ・明智小五郎がダメな時大概寝ている
    →美しい夫人に弱い
    ・二十面相の仲間は黒服
    ・乞食の赤井寅三=赤井秀一(FBIのメンバーであり、その中でも屈指の実力者として活躍しています)
    ・相撲とりのようにりっぱな体格の警視総監→松本清長?か白馬
    ・中肉中背で、八字ひげの美しい刑事部長→ 遠山 銀司郎
    ・背広姿でツルのようにやせた白髪白髯の北小路博士→阿笠博士?
    ・中村捜査係長→目黒警部?
    ・怪人二十面相→怪人二重面相→裏の顔?
    コナンに似てる部分が多いためこじつけたところが多いですww
    今でも尚この話を参考に作品ができることに納得しましたし感動しました!
    解説
    ・江戸川乱歩は初めよし後悪しー竜頭蛇尾の性格
    筋はルパンと同じ、題名を怪盗としたかったが盗むがダメで→怪人
    ・二十面相はヘリコプターを小さくしたようなフランス製の機械で自由自在に空をとぶ
    ・明智小五郎と小林少年と少年探偵団の知恵くらべの冒険談
    ・特徴は、どのお話にも拳銃やナイフが出てこない
    ・少年探偵小説というものは、むろん私が発明したわけではない。昔からそれはあった
    ・明治末期から大正初期にかけての三津木春影の少年探偵もので、翻案の「呉田博士」シリーズが殊に人気があった
    ・江戸川乱歩が少年探偵を書くようになって森下雨村、小酒井不木両氏が、少年探偵小説をよく書いた
    ・西洋の少年探偵小説は、日本ではやっているようなどぎついものではなく、もっとおっとりしたものが多いexエラリー・クイーン
    ・西洋では長篇は初めから一冊の本として出版するのが常道であり、日本は印税では引きあわないので、先ず雑誌に連載するのが常道になっている
    ・朝日放送(大阪)の脚色と主題歌よかったらしい

    • ナカジマさん
      怪人…今でこそ使われなくなった言葉ですが…やはり怪しい魅力を感じますね。
      拳銃やナイフをいつかわなくともスリルを描けるというのは、ひとえに...
      怪人…今でこそ使われなくなった言葉ですが…やはり怪しい魅力を感じますね。
      拳銃やナイフをいつかわなくともスリルを描けるというのは、ひとえに怪人の怪しさゆえでしょうか。
      コナンに通じる人物設定の考察…かなり面白いと思います。
      2023/11/15
    • りんさん
      コメントありがとうございます!
      拳銃を出さないなど年齢に配慮した内容は当時でも考えられていたのはなかなか興味深かったです。
      子供向けの小説な...
      コメントありがとうございます!
      拳銃を出さないなど年齢に配慮した内容は当時でも考えられていたのはなかなか興味深かったです。
      子供向けの小説なのに対しここまで大人関わらず面白いと思える推理小説は無いと思います
      コナンの件は私がコナン好きっていうのもありますがこの本の影響あると思います
      2023/11/15
  • 小林くんがひどく可愛いんだこれが

  • このごろ東京では怪人二十面相の話題で持ちきりです。
    その名の通り素顔が分からず老若男女なんにでも変装する怪盗です。
    しかも盗みに入る前には必ず予告状を送り、どんなに警備を固めても必ず盗み遂げるという怪盗です。
    ある時実業家の羽柴家に予告状が届きます。
    慌てた当主の柴田壮太郎氏は、近年噂の名探偵、明智小五郎に警備の依頼を出します。
    しかしその依頼状を持ってきたのはまだ十二歳の少年、小林秀雄くんだったのです。

    こうして名探偵明智小五郎とその弟子の小林少年と、盗賊の怪人二十面相との長きに渡る対決が始まるのです。

    ***
    そろそろ9歳の次男にもこういう本を!と思って渡してみたらなんとか読めたみたい。
    私も小学生以来の再読。当時は何とも怪しげな、大人の世界への入り口のような気分でしたが、今読むと読者に対してかなり素直ですね。

    隠れ家での二十面相は「これが素顔かわからないけれど」との但し書きつきですが「三十歳くらいのにこにこ笑った洋装姿できれいに髪を縮らせたひげのない好男子」とのこと。
    なんかイメージでは二十面相ってもっと世慣れてダークな面を持つおっさんだと思っていたのですが(小学生にとって三十歳は十分”おっさん”でしょうが)、案外爽やかな風貌ですね。
    本来は才覚溢れる若者なんだけど、戦後のゴタゴタで自分の才覚を生かせる就職先もなく、お楽しみ半分力試し半分で泥棒やってみました~な感じなのだろうか。

  • 子供でも理解できる文章で面白い。あと表紙好き。

  • ちゃんと読んだのは初めて。

    予告状、七つ道具、読者諸君
    ミステリーの元祖がここに!という感じです。

    戦前の作品とは思えない。
    連載当時、いかに斬新で人気だったのかが想像力つきます。
    ミステリ界への功績を考えると本当に偉大。

  • 名探偵コナンは江戸川乱歩から引用したものが沢山あるなと思った。

  • 怪人二十面相も明智小五郎もカッコ良すぎる。どれだけ先を見て策を立てているんだ。明智小五郎の言葉、「みなさん、これが二十面相のやり口ですよ。人間技ではできそうもないことを、ちょっとした頭のはたらきで、やすやすとやつてのけるのです。」まさに!

    名探偵コナンはもちろんそうだが、デスノートの月とLのようにも思える。

    推理小説の最後は流れるように進む。それが気持ち良い。「読者諸君はもうお分かりでしょう」と語りかける文体にも惹きつけられたなあ。

  • 江戸川乱歩初挑戦!いぇーい!
    怪人二十面相はどこかで聞き覚えがあるほどの名作ですが、児童書のような読みやすさ。心が躍る冒険譚。スリリングでぐいぐい引き込まれたわいな。明智小五郎ってこんなスタイリッシュで傲慢な自信家なキャラだったんだ。名探偵コ○ンのイメージが強いからてっきりおっちょこちょいのちょび髭ダンディおじさんかと思ってた。
    入門編としては申し分ない。他の小五郎シリーズもちょくちょく読んでいこおっと。

  • 戻ってきた明智探偵!
    この前とは随分違うな。
    あの時の明智は何だったのか

    • リッスさん
      イメチェンの違いに驚いた
      イメチェンの違いに驚いた
      2020/04/02
  •  盗賊である怪人二十面相と、探偵である明智小五郎が、知恵と知恵をぶつけあい、国立博物館の宝物を巡って攻防する。明智の助手、小林芳雄くんの活躍により、怪人二十面相を追い詰める。
     指定時刻が近づくにつれて緊迫感が高まり、本にのめり込む。お風呂で読んでいると、そろそろ出なきゃなーと思いつつも長風呂に。それくらい面白かった。
     壮二くんの仕掛けた罠や小林くんの伝書鳩によって、二十面相がちゃんと追い込まれるところがいい。それによって、その窮地を切り抜ける二十面相の知恵と機転が光ってくる。こうした、追い込んで逃げられて…の繰り返しによって二十面相のすごさを見せつけられた。
     明智が登場してからは、明智がどう博物館の品を守るのか、全く読めず、ハラハラして面白かった。ただ、少年向けの読み物だからか、大人は途中から、この人は偽物だな、二十面相の変装だなというのに気づく。盗みの仕掛けが結局変装かあ、と、ちょっとワンパターンなところに若干の飽きを覚えたのが少し残念だった。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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