ゆれる

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 849
レビュー : 207
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591093030

作品紹介・あらすじ

東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟、だが二人は互いを尊敬していた、あの事件が起こるまでは…。監督デビュー作『蛇イチゴ』で映画賞を総ナメにした俊英・西川美和が4年ぶりに挑んだ完全オリジナル作品を、自らが小説化。

感想・レビュー・書評

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  • とあるカフェに置いてあったので、パラパラとめくっていったら止まらなくなりました。でも全部読む時間もなく、残り半分は後日本屋で読んできてしまいました。

    途中で、こういう展開かな?と気づくのですが、小さな疑問はちょこちょこと残ります。
    いや、展開のよさ、かな?もっとえぐってほしかったような気もします。
    映画もみてみたい。

    2016年11月 再読

  • ほんと西川監督は小説書くのも上手い。ちょっとした表現とか、比喩とか、感情とか。映像を見てるかのように想像できる。
    映画を見てるからってのもあるかもしれないけど。
    映画以上に、ラストが意味深。

    映画では目つきや映し方で表現するものを言葉にするのは大変だと思う。けど、映画以上にゾクッとさせるものもあった。
    『ぽたぽた、ひたひた、と少しずつ、そして絶え間なく落ちてしみを広げて、最後は肉を腐らすだろう』
    これなんて映画からじゃ読み取れない感情が出ててイイ。

  • 2013.2.19 図書館
    兄の狂気がすさまじい。闇が深い。本だと登場人物の細かい心情がよくわかるが、映画でのあの演技あってこそだなと思う。
    香川照之素晴らしい。

  • 一人称の語り手がぐるぐる変わっていって、大方の登場人物については心理までわかることになり読者に優しい小説だと思った。女性が書いたにしては男視点に過ぎる気もしてその辺が不思議。

  •  母の一周忌を迎え、法要のため実家に帰ることになったプロカメラマンの猛(たける)。告別式にも帰らなかった息子を、父親は敵意の眼で見るが、家業の燃料店を継いだ兄は、満面の笑みで弟を迎える。
     兄はガソリンスタンドを経営し、そこにはかつて猛の恋人だった智恵子が働いていた。兄と智恵子の打ち解けた様子をガラス越しに見つめる猛。2人の関係を知らない兄は、翌日3人で渓谷に行こうと持ちかけ、猛もその誘いに乗ることに…。しかし、猛がつり橋を渡り、写真を撮っている間に、智恵子がつり橋から転落し、そこには動けなくなった兄稔の姿が…
     はたして、これは事故?それとも兄に殺意があったのか?
     注目の中、裁判が始まるが…


     プロのカメラマンとして活躍中の弟と、家業を継いで独身のまま田舎で暮らす兄。「温厚でやさしい兄を慕う弟と、いつも輝いている弟が自慢の兄」という構図が1つの事件をきっかけに、揺らいでいきます。「つり橋」さながらに揺れる2人の心情、兄弟関係。
     同じように家業を継いだ弟である稔・猛の父勇と、奇しくも稔の弁護人となった兄修もまた、心にわだかまりを抱いたまま年月を重ねています。『スコーレ…』は女のきょうだいだったけど、男同士もまたいろいろあるんだなぁ~、難しいなぁといろいろ考えさせられました。
     以前から気になっていた1冊ですが、映画ありきの監督自らのノベライズとのことでした。しかも調べてみたら、オダギリジョーと香川照之が兄弟だとか…。ハマリ役すぎるキャスティングで、しかも落ちていくのが真木よう子というから見応えあり過ぎです。本でも十分ズ、ズ~ンと来るので、映画はしんどいかなぁ。とはいえ、それぞれの立場から1人称で進む形なので、とても自然で読みやすかったです。

  • 兄弟の話。

    弟はやっぱりいつまでも弟なんだな。
    兄はやっぱりいつまでも兄なんだな。
    立場が逆転しているような感じで、兄と弟に見えなくても。
    稔を前にした猛はいつでもなんだか幼い。

    あぁそういえば修と勇の兄弟もなぁ。
    似ていないのに、しっかり兄弟なんだなぁと思わされた。

    あと登場人物みんな、結構駄目で嫌だなぁと思うところがあるのに、
    嫌だなぁ駄目だなぁとぐったりしながらも嫌いになれない。
    この人嫌い!って突き放してしまうことができない。
    それぞれの感じをわかってしまう部分があるからなんだろうな。
    正しいばっかりではいられないんだもの。

    最後、岡島洋平のかたりにちょっと救われるような気持ちになった。

    映画も観てみたいなぁ。

  • ラストが安心して泣かせる よい本でした。

  • 映画鑑賞が先で、10年後に読んだ。どうしても、読んで浮かぶ風景は、映画の映像になってしまう。弁護士の叔父さんの語り、は映画の中で無かったか記憶に残らないくらいなので、面白く読んだ。彼の奥さんとのやり取りが。映像で、すでに傑作があるから、わざわざ小説の体裁要らないよなと思う、典型の、嫌なんだけど、素晴らしい作品。

  • 当たり前と言えば当たり前だが
    軽快な語り口で条件が浮かぶよう

    逆に言えば少し軽すぎで、もうちょい我々にも考えさせてほしい

  • 34:この兄弟が互いを思う心情を「葛藤」と言い表すのは正しいようで怠慢なような気がする。
    でも語彙が乏しすぎて結局「葛藤」としか表現できない。描写に打ちのめされました。

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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