はるにあえたよ (絵本のおもちゃばこ 24)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 327
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591097151

作品紹介・あらすじ

マークとマータはふたごのこぐま。まだそとにでたことがありません。はじめてのはるにわくわく…。ふたりはまちきれなくなって、はるをさがしにでかけますが…。

感想・レビュー・書評

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  • はたして、初めての長い冬眠から目覚めて、まだ一度も外に出たことがない、クマが初めて春を感じたときの気持ちとは、如何なるものなのか?

    もう、私は決してそれを実感することが出来ないわけだが、本書はそれを、「原京子」さんの素敵な物語の構成と(『はる』の文字と見返しの桃色も効果的)、「はたこうしろう」さんの素朴ながら、これだけ強く目に焼き付けられた、素晴らしい春の絵柄で教えてくれました。


    双子の子グマ「マーク」と「マータ」は、両親から、春の素晴らしさを、言葉と絵で教えてもらうと、早く春が見たくてたまらなくなりました。

    「もう、はる きてるかな? おかあさん」
    「そうね、すぐ ちかくまで きてるかもしれないわね」
    「はる、さがしに いってきても いい? おとうさん」
    「そうだなあ。──でも まだ、くうきはつめたいよ。あたたかくして いくんだぞ」

    そして、ふたりは元気に外に駆けだしていきますが(デザイン違いのマフラー可愛い)、そこはまだ雪が残る、花も咲いていない白と黒の世界。それでも、さっそく春を探そうとするが・・

    「はるーっ、どこに いるの?」
    「ぼくたち さがしに きたんだよ、はるーっ」

    うーん、呼んで「はぁーい」って応じるわけでもないんだけど、まだ春のことをよく分かってないから、仕方ないね。

    「……うるさいなあ、だれだい? おおごえ だしているのは」

    ・・と思ったら、すぐ下から声がして、だれかが地面から顔を出している。

    「ねえ、きみ、はる?」
    「……えっ? ぼくはかえるだよ」

    若干、戸惑い気味に返されて、怒られた感じだが、それでもめげずに、もう少し探してみようとする、子グマたち。その後は、木に登って葉っぱを探してみたり、地面を掘り返したりしてみたが、その内、違うことにハマりだして・・

    「おーい、マーク、なんか みつかった?」
    「ううん、なんにも。ねえねえ、マータ もっと もーっと ゆすってみてよ」
    「いいよ」
    「わーい、わーい。マータものぼっておいでよ、おもしろいよ」
    「うん!」
    「はるは どこかな?」 ゆっさ、ゆっさ。
    「はるは どこかな?」 ゆっさ、ゆっさ。

    「なに、なに? じしん?」
    「ねえ、じしん?」

    取りあえず、二人の仲の良さが微笑ましくて、いいなと思っていたら・・あら、またまた、誰かを起こしてしまったみたい。

    「あっ、ねえねえ きみたち、はる?」
    「えっ……? あたしたち、ハルって なまえじゃ ないわ」

    結局、まだ春は来てないようで、小高い丘で休みながら、がっかりする子グマたち。まあ、今日はこれくらいにして、また明日探してみようよと思っていたら・・あっ、あれは!!

    ふたりは かおを みあわせて いいました。
    「は・る・だ!」
    マークと マータは ころがるように、おかを かけおりました。


    ここから先は、是非、実際に見て欲しいのですが、こんなに素敵な『春』という表現の仕方があることの嬉しさったらないし、また、それに合わせて、周りの風景も一斉に色付き出す、世界の鮮やかな変わりようには、おそらく子グマたちのイメージもあるのだろうが、強ち、それくらいの力があっても、決しておかしくはないと思わせる、子グマたちにとって魔法のような、その春の存在感は、私たちにとってもきっと誇りと思えるような、目には見えない部分から感じさせる、あたたかくやさしい雰囲気と、春がとても似たものであることを教えてくれて、子グマたちにとって、まさしく二度と忘れられない、素敵な出会いだったのです。

  • マークとマータはふたごのこぐま。
    まだ外に出たことがありません。
    初めての春にわくわく・・・・・・。
    二人は待ちきれなくなって、春を探しにでかけますが・・・・・・。


    絵がとっても素敵。
    黒ばかりの世界で、マークとマータがみつけた動物にだけ色がついているのもいい。
    「はる」が来ることによって、今まで白黒だった世界がふわ~と緑になっていくさまが気持ち良いです。

    画家のはたこうしろうさんって、何の人だったっけ?聞いたことある…と思いましたが、『なつのいちにち』の作家さんでした。あの作品大好き!

    読み聞かせ…結構長い。10分以上。(途中で寝たため計測不能。笑)

  • くまさんの絵に魅かれて、ついつい買ってしまいました(o^^o)目で見て読んで、ぽかぼかです(o^^o)

  • Y
    4歳7か月

    K
    6歳11か月

  • 双子の子熊、マークとマータが、まだ見たことない「はる」をさがしにいくお話。
    まだ寒い外の世界で二人が出会うものが、とにかく新鮮に描かれて良い。
    そしてやがて出会う「はる」が、なんて素敵で鮮やかなんだろう!って感動した。
    はたさんのイラスト大好き。とくにこの方の「くま」は可愛い。
    そして今回は「はる」の優しい色使いが素晴らしかった。

    読み聞かせに使うにはちょっと長いかなぁ?10分くらい。
    いつかやってみたいけど。

  • 冬の終わり~春のはじめにピッタリの絵本。

    「はるは どこかな?」ゆっさ、ゆっさ。
    「はるは まだかな?」ゆっさ、ゆっさ。

    ふたごのこぐまちゃんが同じ言葉を繰り返すので、
    なんだかリズム感があって耳に心地よい。

    白黒の絵が続き、後半にぱぁぁっと優しい春の色が付く絵にわくわくした。

    少し話が長めだが、話はシンプルなのできっと低学年からお話を楽しめる。

  • カラフルな色でハルを表現。ハルを探している子グマたち。3月初めに読みきかせしたい絵本。
    ○小学校低学年~

  • 3歳2ヶ月


    冬と春の色の対比がわかりやすくていい。
    果たしてハルは本当に春だったのか?

  • 2年教科書掲載本

    はじめてのながいとうみんから めをさましたばかりのふたごのこぐま、マークとマータは、おとうさんとおかあさんからはるのはなしをきいて、はるをさがしにでかけました。

    白黒でかかれた絵と文の中て、「はる」だけがピンク。そして、実際に出会った「はる」はカラーで描かれていて、その対比が素敵。
    そして最後のページには…

    子どもと一緒に読みたい絵本

  • ぼくも春をさがしにいってみたいとおもいました。そして、はるといっしょにあそんでみたいです。おともだちをたくさんつくってあそびたいです。
    それから、タルトがたべたくなりました。いちごがまるごとドカンとのったタルトです。ごうかです。(小2)

  • くまさんがふたりでてきて、あるいていたら、とちゅうでおんなのことあって、おんなのこからタルトをもらって、いえでおいしそうにたべたところが、うれしそうでした。

  • 春は美味しいもの。
    それはあながち間違いではないだろう。食べ物のない冬から、芽吹き、花を咲かせ、実をつけ始める春は、きっと美味しい季節です。

  • 一面真っ黒の絵に色が入ってきて、冬から春になるのは、そういうことなんだと文章だけでなく絵からも感じれる本。

  • ★★★☆☆
    双子のコグマがお母さんに色鮮やかな「はる」の話を聞いて、冬籠りをしている洞穴の中から外に飛び出す。
    モノクロの冬の景色なんですが春の予感をはらんであたたかく感じます。
    (まっきー)

  • はじめての長い冬眠から目覚めたくまの子マータとマーク。春を探しに出かけます。
    白黒のページから色のあふれるカラーページに移るところなどすてき。ふんわり柔らかいはたこうしろうさんの絵がほんとに春を運んでくるよう。

  • 2013年3月18日

  •  「はるーっ、どこにいるの?」はじめての長い冬眠から目をさましたふたごのこぐま、マークとマータは春を探しに出かける。

  • こぐまちゃんのかわいい勘違いが楽しい。
    年長の子どもたちはよく理解し
    「ちがうよ~」と
    ツッコミながら楽しんでいました。

  • はるにあいたくて、雪が残る山に飛び出していく双子のこぐま。
    マフラーをして駈けてる姿が可愛い(^^)

  • マークとマータは双子のこぐまです。
    初めての冬眠が終わって、外に出るのを楽しみにしています。
    2ひきは両親から聞いた「はる」を知りたくてたまらないのです。
    「はる」っていったいどんなもの?

    マークとマータは待ち切れず、「はる」に会いに出かけます。
    土の中のカエルや、木の穴にいるリスに「はる」をたずねてみますが、「はるはまだ来ていない」と言われたマークとマータ。
    丘の上で休んでいると、そこに何かがやってきます。
    色がいっぱいで、頭にちょうちょがいて、いいにおいがする・・・もしかして「はる」!?


    最初は白黒の絵が、ページが進むにつれて少しずつ色がついていくしかけ。ページをめくるごとに「はる」は増え、最後は明るい色でいっぱいになります。
    2匹の自然を楽しむ様子が、生き生きと、愛らしく描かれているのも魅力的。木登りのシーンなどは、ちょっと落ちやしないかと、こっちが心配になったりして。

    最後までマークとマータは「はる」を勘違いしたままのようですが(^^;)・・・
    本当の春はもうすぐそこ。全身で春を堪能できる日も近いです。

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著者プロフィール

東京都に生まれ。主な作品に「くまのベアールとちいさなタタン」「ザックのふしぎたいけん」シリーズ、『サンタクロース一年生』などがある。

「2017年 『にんじゃざむらい ガムチョコバナナ ばけものりょかんのまき 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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